負担が小さく傷痕が目立ちにくい
粉瘤やイボの日帰り手術
阪急西宮ガーデンズ皮フ科スキンクリニック
(西宮市/西宮北口駅)
最終更新日:2023/10/19


- 保険診療
粉瘤(ふんりゅう)やイボは、どちらも皮膚のできものとして比較的よく見られる。痛みなどの症状がなく、目立たない場所にある場合、放置されることも少なくない。しかし、適切な治療を受けないと、悪化する恐れもあるので注意が必要だという。粉瘤やイボを切除するためには、医療機関で手術を受ける必要がある。入院の煩わしさや手術に対する恐怖感から足が遠のきそうだが、現在では日帰りで手術を受けることもできる。日帰り手術のメリットや実際の手術の進め方、気になる皮膚へのダメージなどについて、美容的な観点も大事にした日帰り手術を実践している「阪急西宮ガーデンズ皮フ科スキンクリニック」の加藤健一理事長に話を聞いた。
(取材日2020年9月15日)
目次
皮膚を大きく切開せず縫合不要のくり抜き法も。肌への負担を軽減しながら日帰りで粉瘤やイボの切除を
- Q粉瘤とはどんな疾患ですか。
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A
▲粉瘤やイボ治療の研鑽を積んできたベテランドクターが在籍する
皮下に袋状の構造物ができる良性のできもののことです。袋の部分に皮脂などの汚れがたまり、口の部分が巾着のように閉じています。ウイルスや外傷などが原因と考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。命に関わる恐れはほとんどなく、放置されることも多いですが、嫌なにおいがする、目立つ、動作の邪魔になるといった理由で受診される方が多いです。潰して自己処置をされる方もいますが、袋が取れずに残るので再発します。また、化膿すると他の部分に炎症が広がり入院が必要になることもあるので、見つけたら早めに処置することをお勧めします。小さいうちなら肌へのダメージも小さく、小さな傷で治療することができます。
- Qイボにはさまざまな種類がありますね。
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A
▲小さい物から難症例まで幅広く対応する
イボはウイルス性と加齢に伴うものに大別できます。ウイルス性のイボは、小さな傷口からウイルスが侵入して発症します。子どもさんに多い水イボもウイルス性の一種です。一方、加齢に伴うものには、中年以降に増える「老人性疣贅(ゆうぜい)」があります。長年にわたる紫外線の刺激などが原因で、紫外線を浴びることが多い顔や手によく見られます。最初はしみとして現れたものがイボになるケースもあります。イボは痛みやかゆみなどの症状を伴わないことも多いのですが、悪性腫瘍の初期症状という可能性もあるので、放置せず医師の診断を受けてください。目立つ場所にあって気になるという場合は、切除を検討されてはいかがでしょう。
- Q粉瘤とイボにはそれぞれどのような治療法がありますか。
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A
▲薬物療法から手術まで、患者のニーズに応じた幅広い方法を用意
粉瘤は、薬では治療できず、手術で切除します。これまでは、病変の3倍程度の大きさまでざっくり切除して、袋を取り出し傷口を縫合するという手術法が一般的でした。病変部を取り残す心配は少ないのですが、大きく切開するので体への負担が大きく、手術後に傷口のトラブルが起こる可能性もあります。当院では、「くり抜き法」という低侵襲の方法で粉瘤の日帰り手術を行っています。ただし、粉瘤が大きすぎる場合はこの方法は適応できません。一方、イボについては、液体窒素を用いて患部を急激に冷やす方法や内服薬による治療などが行われています。目立つ場合や悪性腫瘍が疑われる場合は切除します。
- Q粉瘤の「くり抜き法」について教えてください。
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A
▲手術では低侵襲な治療法を取り入れている
特殊な器具を使い、粉瘤の周囲2ミリを含めて切除し、たまった老廃物を袋の部分ごと取り去ることを図る手術法です。手術時間は平均で5〜10分で、傷口が小さいので縫合の必要がなく、傷口は自然に閉じていきます。縫合すると傷口が直線的になり、痕が目立つこともありますが、自然に傷口が塞がると痕が目立ちにくいのがメリットです。手術は局所麻酔で行います。当院の場合、細い注射針を使ってゆっくり薬剤を注入するなど、痛みをできるだけ少なくするように配慮しています。手術当日はアルコールなどの刺激物を避ける必要がありますが、翌朝からシャワーを使うこともでき、日常生活に支障を来すことはほとんどありません。
- Qイボの治療も低侵襲な方法なのですか。
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A
▲患者目線に立ち、できるだけ傷痕を残さないことを心がける
イボの治療の場合も、従来の大きく切除する方法で行っている医療機関もあります。当院の場合は、さまざまな治療法の中から、できるだけ傷痕を残さないような方法を選択するので、場合によっては切除手術ではなくレーザー治療を行うこともあります。例えば、加齢性のイボは肌の表面に乗っているような状態なので、表面をレーザーで浅く削り取っていくような処置が適していることもあります。処置後の肌はピンク色をしていますが時間とともに自然な色に戻っていきます。ただし、レーザー治療は健康保険が適用できるケースとそうでないケースがあります。
自由診療費用の目安
自由診療とはイボのレーザー治療/2000円~