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葛西 直亮 院長の独自取材記事

山下公園スパインクリニック

(横浜市中区/元町・中華街駅)

最終更新日:2022/08/17

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みなとみらい線の元町・中華街駅、山下公園口より徒歩2分にあるビルの2階に、2020年8月開院したのが「山下公園スパインクリニック」だ。脊椎の病気を専門的に取り組む同院の葛西直亮院長は、これまでも長年、脊椎疾患を専門とするクリニックの院長を務め、数多くの脊椎の手術を執刀してきたベテラン。同院でもこれまでの豊富な経験と技術を生かした診療を実践している。「診療では、患者さんに情を入れることを大切にしています」と話す葛西院長に、同院のことや脊椎疾患の診療にかける思いなどを聞いた。

(取材日2020年9月18日)

脊椎疾患の診療に専門的に取り組むクリニック

クリニックを紹介していただけますか?

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当院は、頸椎や腰椎の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、高齢者に多い脊椎圧迫骨折など脊椎疾患の診療に特化したクリニックで、今年の8月1日に開院しました。脊椎は、体を支えるという目的以外に神経の通り道でもあり、その部分に障害が生じると神経痛やしびれ、上肢・下肢の運動感覚障害、体動困難などの症状が起こり、日常生活や社会生活に支障を来します。そして、こうした症状に対する保存的治療には限界があり、長期にわたり苦しまれている方も多くいらっしゃいます。私はこれまで、新横浜スパインクリニックで院長を務め、脊椎に特化した整形外科の医師として数多くの手術を行ってきましたので、その経験も生かしながら当院でも診療をしていきたいと考えています。

特徴は、どんなところでしょうか?

手術などを行っている医師の多くは、そのための設備の整った病院に勤務していますが、私は独立してクリニックとして開院しています。これは少し新しいスタイルなのですが、当院では月、水、金、土曜日の午後に外来診療を行って、火、木、土曜日の午前中は、提携先である鎌倉病院で当院の患者さんの手術をしているのです。鎌倉病院に入院中の患者さんも毎日状態の確認ができるよう、火、木、土曜日はベッドサイドに行って、月、水、金は、当院からリモートで診ています。手術の際は、当院の看護師も一緒に鎌倉病院に行って、手術室で助手や機械出しを行いますし、手術から術後のケアやフォローもすべて、当院のチームで行うようになっています。

脊椎の手術に力を入れているのですね。

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最初からいきなり手術をしましょうということではありません。例えば椎間板ヘルニアでは、痛み止めの薬を出したり、神経ブロック注射を行ったりしながらしばらく様子を見ていると飛び出している椎間板が自然と吸収されることが期待できますので、まずは保存的アプローチで必ず経過を見るようにしています。脊柱管狭窄症は、自然と治ることはありませんが、あまり生活に支障がない方やどうしても手術に抵抗がある方は、薬物療法や神経ブロック注射、必要に応じて患者さんのお住まいの近くの整形外科でリハビリテーションなどを行いながら経過を見て、患者さんのご状況に合わせて相談をしていきます。手術は、神経の圧迫を取るための除圧術や、背骨にずれがあった場合に行う固定術などさまざまな方法があります。また、曲がっている状態を矯正する方法もあり、これらを一人ひとりの患者さんの症状や背景などによって組み合わせて行います。

患者に情を入れることを大切に

手術を受けるタイミングは、どのように判断すればよいのでしょうか?

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完全に線を引くのは非常に難しいですね。例えば、ゴルフで18ホール回ることができて、たまに痛みなどの症状が出る程度であれば、狭窄があってもすぐに手術をしなくて良いと考えます。また、投薬やリハビリテーションをせずとも生活に支障がなく過ごせているのであれば経過を見ていても良いと思いますが、いつも薬を飲んでいたり、神経ブロック注射をしていないと生活できず、ある程度の期間も続いているような方は、私は手術が必要だと思います。そもそも、痛み止めの薬やリハビリテーションというのはその時の痛みを抑える目的のもので、根本的な解決ではありません。また、脊柱管狭窄症でもまったく症状がない方は問題ありませんが、軽い狭窄でも神経がダイレクトに刺激されて痛みが強い場合には、手術をする必要があるなど、画像だけでなく患者さん一人ひとりの病状や生活背景を十分考慮した上でご提案しています。

診療をしていて、何か思うことはありますか?

脊柱管狭窄症は治らないとか、年齢のせいとか、手術をしても治らない、いよいよ足が動かなくなってから手術を受けましょう、などと言われている方も多い印象です。さらには、狭窄症を切らずに治そうとされる方もいるようですが、私は手術をせずに治るとは思いません。問題なのは、長い間症状と付き合い、状態が悪化してから手術される方も多くいらっしゃることです。そこから手術をしても、ずっと神経が圧迫されていたわけですから、痛みやしびれの症状が残ってしまう方がいらっしゃるのです。私もさまざまな手術を経験してきましたが、適切なタイミングで手術に踏み切ったほうが、神経にとっては圧倒的に有利だと考えます。早期に手術を受けるメリットは非常に大きいこともぜひ知っていただきたいですね。

診療の際に心がけていることはありますか?

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できるだけ患者さんに「情」を持つことです。よく外科の医師は、自分の家族の手術は情が入ってしまうのでしないという話があります。私は、それは逆で、とにかく情を入れていかないといけないと思っているんです。なぜかというと、例えば、想定外の事態が起きたときに人間は早くその場を回避したいから、うまく取り繕って終わらせようとする意識が働きます。しかし、それが自分の家族だったらそうはならず、ベストを尽くそうとするでしょう。ですから、手術をする日の朝は必ず患者さんを見て、世間話などをして笑顔をインプットするんです。手術をするときに麻酔がかかった患者さんがいて、この人は誰かわからないではだめだと思いますし、トラブル時に限らず患者さんに情が入っているのと入っていないのでは、まったく違うと考えています。

痛みなどで困っているのなら高齢でも相談に来てほしい

先生は、なぜ医師を志したのですか?

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両親が医師でしたから、自然とめざすようになっていましたね。父は胸腹部外傷外科が専門で、私も漠然とですが外科に憧れていました。でも、臨床研修のときに整形外科は「患者さんが元気になって帰る」という印象があり、魅力的に感じて、医学部を卒業後は東京医科大学で整形外科を学びました。そして、次に勤務した整形外科の病院で脊椎の外科治療に出合い、当時の院長にも感銘を受け、私もこの領域に取り組もうと思ったのです。さらには、2007年に以前勤めていた医療法人の理事長である大田快児先生と出会い、より洗練された手術を目の当たりにして衝撃を受け、この分野を専門的に手がけるようになりました。

今後の展望を教えてください。

来てくれる患者さんのほとんどはクチコミなんです。私も患者さんにいろいろなお話をしますが、医師がいくら手術を勧めても意外に皆さん受けたがりません。結局は、実際に手術を受けた患者さんに、「大丈夫だよ」という話を聞くことが後押しになるんです。ですから、私自身は地道にこつこつと取り組んで、一人ひとりの患者さんに対して、確実に結果を出し続けることが大切だと思っています。私はこれまで新横浜で診療をしてきて、手術と外来を行うという流れはもう10年ほど継続していますが、これからも10年かけて構築してきたこの体制を維持して行い続けたいと思っています。

最後にメッセージをお願いします。

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「脊椎の手術をしたら車いすになってしまうのではないか」とか、手術に対してものすごく怖い印象を持っている患者さんは多いんです。70〜80代の人に多いのですが、背骨の手術をするのはご法度みたいな感覚を刷り込まれているように感じます。ただそれによって、ずっと困っている状態でも何もせず、諦めている方もたくさんいると思います。しかし、今は高齢社会で皆さん長寿ですから、健康寿命を延ばしてあげることで人生はより豊かになります。適切なタイミングで手術を受けて、出かけたり、旅行に行ったりして楽しんでいる方もたくさんいますので、首や腰の痛みやしびれで困っている方は、諦めずに相談に来ていただきたいと思います。

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