根管治療後も押して痛む時は
専門の歯科医院で再治療の検討を
しょうげん歯科医院
(神戸市中央区/三宮駅)
最終更新日:2025/07/09


- 保険診療
- 自由診療
虫歯(う蝕)が進行して歯の神経の中まで及んだ際、歯の中の汚染された神経や膿を取り除くために行う根管治療。きちんと治療してもらったはずなのに、しばらくたっても痛みや不快感に悩まされる人がいるという。主な原因は歯の根っこの複雑な形状で、汚染物質を完全に取り除けていないことから痛みなどにつながることがあるのだとか。「しょうげん歯科医院」の正元洋介院長は、「歯を残すことは、今後の人生を豊かに生きることにつながっている。根管治療こそ自由診療に頼るべき」と語る。同院ではマイクロスコープなどの専用機器や専門的な材料を活用した自由診療での根管治療を実施し、再治療を希望する患者を多く受け入れてきた。今回は根管治療で数多くの治療実績を積んできた正元院長に、自由診療と保険診療の違いや同院の根管治療について聞いた。
(取材日2025年6月20日)
目次
十分な治療時間と専門器具・材料を使って再発しにくい根管治療をめざす、専門家による治療とは
- Q根管治療後に歯が痛むのはなぜですか?
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A
▲わかりやすい説明を行っており、相談しやすい雰囲気
根管治療後の1~2週間は、治療時の刺激が残っていて痛むこともあります。ですが、その後も「押すと痛い」「噛むと響く」「浮いた感じが続く」といった状態が続く場合には、炎症の原因となっている細菌を取りきれていないことも考えられますから、治療のやり直しが必要でしょう。歯の根っこの形状は非常に複雑で、一般的に目視で行う保険診療内の根管治療では限界があるといわれています。ですので、根管治療が必要で、歯を残したいと望まれるのであれば、マイクロスコープなどを用いて自由診療で根管治療を行っている歯科医院を選ぶといいでしょう。痛みや腫れが引かない場合には、早急に専門の歯科医院への受診をお勧めします。
- Q根管治療が必要になるのは、どんな場合ですか?
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A
▲根管治療で数多くの治療実績を持つ院長
根管治療が必要になるのは、虫歯が神経まで到達して神経が弱っている場合や、以前の治療後に再感染した場合です。ですが、再治療といっても、感染したら中の膿を取り出せばいいというものではなく、その度に感染した歯質を削り取るので、何度も治療できるものではありません。すでに歯が割れている場合や、削りすぎで歯質が少なすぎる場合には、歯を保存できない可能性が高いので、根管治療が行えないこともあります。また痛みや不快感の原因が歯の中の感染ではなく、歯の先の膿瘍にあるケースも。その場合は歯根端切除術といった外科的処置で歯の先端を摘出する手術を行うこともあり、こういった専門性の高い手術も当院では対応しています。
- Q根管治療はどのように行っていくのでしょう。
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A
▲患者に寄り添い、丁寧な治療を心がける
まず歯科用CTやエックス線撮影、歯周病の検査を行い、検査結果をもとにカウンセリングを行います。腫れや痛みがある場合には、先に処置をして症状の緩和を図ります。治療時は、ラバーダムを装着して感染防止に努め、マイクロスコープと湾曲した根管にも追従しやすいニッケルチタンファイルを用いて、徹底的に歯の中の汚染した組織を除去。さらに専用の薬品で根管内を丁寧に洗浄し、痛みや不快感の改善が確認できれば、根管内に生体親和性が高いMTAセメントをすき間なく詰めて治療を終了します。治療時間は1回あたり約60分で、通常3〜4回の通院が必要です。自由診療では大臼歯以外は仮歯を装着するため、見た目や噛み合わせも安心です。
- Q保険と自費の根管治療にはどのような違いがあるのでしょうか?
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A
▲機器や材料にもこだわっている
一つには「治療時間」です。十分な時間をかけて丁寧に清掃ができるかどうかが、治療を左右するといえます。例えば、マイクロスコープを使えば視野が大きく広がるため、治療時間が短いと思われがちですが、実際にはその逆です。細部まで見えることで、今まで見落とされていた箇所にも精密にアプローチできるようになり、結果として多くの箇所を丁寧に診るため、時間がかかるのです。また、海外では根管治療は自費で行うことが一般的であり、その分、時間・機材・材料に制限がなく、成功率にも期待が持てます。一方で、日本の保険診療には使用できる医療器具や薬剤、治療法に制限があるため、どうしても医療の質に差が生じてしまうのが現実です。
- Q根管治療後もメンテナンスが大切だと伺いました。
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A
▲先進機器を使い、患者一人ひとりに合った治療の提供を行う
根管治療が完了した後は、かぶせ物を装着しなければ噛むことができません。治療後の再感染は、このかぶせ物の精度によって大きく影響を受けます。適合が不十分だと、すき間から細菌が侵入し、再び歯の根に炎症を起こす可能性があるためです。そのため、精密なかぶせ物と同時に、お口の中を常に清潔にキープしていくことがとても重要です。日々のセルフケアに加え、歯科医院での定期的なメンテナンスにも通ってほしいですね。患者さんの状態にもよりますが、安定していれば3ヵ月に1回の通院をお勧めします。「一生、自分の歯で過ごしたい」という患者さまの希望に沿えるよう、スタッフとともに力を合わせて、きめ細かくサポートしています。
自由診療費用の目安
自由診療とは根管治療/13万2000円(前歯、小臼歯)、19万8000円(大臼歯)