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宮崎 大輔 院長の独自取材記事

みやざきメンタルクリニック

(西条市/伊予西条駅)

最終更新日:2021/10/12

宮崎大輔院長 みやざきメンタルクリニック main

西条紺屋町商店街の建物2階にある「みやざきメンタルクリニック」。院長の宮崎大輔先生が、愛媛大学医学部附属病院や四国中央病院などで研鑽を積んだ後、2020年5月に開業したクリニックだ。通いやすい雰囲気と居心地の良さにこだわり、白衣を着ずに親しみやすいカジュアルな服装で患者を迎える。白い壁に黒や茶のインテリアが映える院内は、クリニックとは思えないほどおしゃれで落ち着いた空間だ。患者が安心して話せるよう性格によって話すテンポを変えるなど、患者の心に寄り添う医療を提供する宮崎院長に、クリニックの特徴とこれからの展望について聞いた。

(取材日2020年7月30日)

重い心の病気が着実に回復していく様子を見て精神科へ

医師をめざした理由とこの科を選ばれたのは?

宮崎大輔院長 みやざきメンタルクリニック1

僕自身はあまり覚えていないのですが、子どもの頃に大病を患いその時お世話になった医師がすごく良かったらしいんです。それで「先生のように人の役に立つような仕事がいいね」と周囲から言われていたのが医学部へ入った理由です。科は研修医としていろいろ回って決めました。精神科って見えない病気を扱うので、そこに興味が湧いたんです。外科では悪いところがあれば切る、内科では血圧が高ければ下げる。では精神科は何をやってるんだろうと。最初に担当した人が、幻覚もあり非常に悪い状態の統合失調症の患者さまだったのですが、薬や電気などで治療していく中で患者さまのQOLがすごく変わるんだと非常に感動して、精神科を専門に選びました。

こちらに開業された経緯と医院づくりでこだわったことは?

この辺は心療内科が少なく困っていると聞いて決めました。精神科というのはどうしても通いにくいイメージがありますから、一番こだわったのは入りやすく通いやすい雰囲気と居心地の良さ。いかにもクリニックという感じになる真っ白な内装は避け、茶や黒なども使って落ち着ける雰囲気にしました。私自身白衣を着ないのも「いかにも」を避けたかったからです。

精神科には珍しく処置室があるそうですね。

宮崎大輔院長 みやざきメンタルクリニック2

うつ病や認知症の症状で来られた方が、実は体のほうの病気が原因だったということがあるんです。総合病院にいる時にはそういった経験が多くありました。電解質のバランスや肝機能が悪くなっているとか、低血糖や甲状腺だとか。それを見逃さないよう、処置室をつくって採血などを行っています。薬物の血中濃度を計測する場合や、統合失調症の患者さまで注射剤を希望される場合には安全に処置ができるように環境を整えています。

これまで特に印象に残る患者さんはおられましたか?

以前の勤務先の病院で、食事もとれないほど酷い抑うつ状態の高齢男性患者さまが来院し、数ヵ月を要する入院となりました。一度は退院されましたが、約半年後、今度は幻覚妄想を伴う酷い躁状態に。外来で大暴れするほどで、自宅療養が困難となり再度入院となりました。生活歴を洗い直すと、学生時代は代表選手になるほどスポーツに打ち込んでおり、中年期には毎日スポーツジムに通うなど、躁状態を疑う活動性の亢進があり、結局その患者さまは双極性障害(躁うつ病)だったのです。双極性障害の抑うつ状態と、うつ病の症状はよく似ていますが使用する薬が異なります。双極性障害の抑うつ状態とうつ病の鑑別は困難であるといわれていますが、改めて診断の難しさを痛感し、また病歴のわずかな違和感に気づく必要があると考えさせられた出来事でした。

統合失調症やうつ病、認知症、発達障害など幅広く対応

こちらではどういった症状の患者さまを診られているのですか?

宮崎大輔院長 みやざきメンタルクリニック3

認知症やうつ病、統合失調症、不安障害など精神疾患全般ですね。自閉症スペクトラム障害(発達障害)や注意欠陥多動性障害といったものも診ています。ただ当院は高校生以上が対象です。最近多い主訴は「落ち込む」ですね。落ち込みはどんなところからくるかといえば、やはり会社での対人関係というのが多いです。仕事の業務についていけないという人もいますし、寝れないなどの相談もあります。印象的には病院勤めの時より症状が軽い人が多い気はします。あとは、自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動性障害を疑って来られる方ですね。最近「大人の発達障害」という言葉を結構聞くと思うのですが、大人になってからなるわけではないんですね。重いと子どもの頃にわかるのですが、軽症だとそのまま適応できていって、大学生や社会人になり、自分で段取りをしないといけないことが増えてくるとその性質が顕著になるんです。

ご自身から「発達障害かも」と相談に来られるのですか?

それもありますが最初は「うつ」の症状で来られて、これまでの生い立ちや経過などを聞くと、自閉症スペクトラム障害がありそうだなということがあります。自閉症スペクトラム障害といっても、学校生活のようにやることがある程度決まっていたり周囲の配慮がある場合には適応でき、症状が目立たないこともあります。しかし社会人になり自分で生活のプランを立てたり、仕事でさまざまな状況に合わせた行動を取る必要が出てきた際にそれらを適切に行えず、周囲との関係が悪化するなどでストレスが増加した結果、抑うつや不眠などの精神症状を発症してしまいます。自閉症スペクトラム障害の中でも特に軽症の方はそういったパターンが多く、当院でも最初はうつ症状を訴えて来院される方が多いです。

診療の際に気をつけておられることは?

宮崎大輔院長 みやざきメンタルクリニック4

先ほども述べましたが、とにかく入りやすくて相談しやすいクリニックでありたいと思っています。話す時は矢継ぎ早に質問するのではなく、患者さまのペースに合わせて「間」を大切にするようにしています。患者さまが話してくれたときにこちらが返事するタイミングに気をつけたり、ゆっくり話したり。もちろん人によってはこちらからも質問しますが、話す元気もないような人の場合はご本人が話し出すまでちょっと待ちます。そのためにも初診の時間は1時間確保しています。またスタッフには、患者さまに「困っていないですか?」「体調どうですか?」「お水飲んでくださいね」など問いかけるようお願いしています。

気負わず気楽に相談に行けるクリニックをめざして

物忘れ相談も行っていますが、来られるのはどのような方ですか? また認知症のリスクが高い方は?

宮崎大輔院長 みやざきメンタルクリニック5

大事なものをなくす、同じことを何度も言う、物忘れが多いなどの症状をご家族が心配して受診するケースが多いです。当院では最初に聞き取りと簡単な認知機能検査を行い、認知症の疑いがあれば後日連携病院で画像検査、当院で少し複雑な認知機能検査、必要に応じて血液検査を行い、それらの結果から認知症かどうか確定診断を行います。物忘れといっても加齢による正常なもの、治る可能性のある軽度認知機能障害もありますし、認知症の中にもアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、血管性認証などがあり、疾患に応じて治療方針が異なります。また、うつ病やビタミン異常、水頭症などの身体疾患が原因の場合もあり、源疾患の治療をすることで認知症症状も改善につながることも。アルツハイマー型認知症に関しては加齢がリスク因子で80代後半からは特に発症リスクが高まりますが、認知症も一様ではないので気になる症状があれば早めにご相談ください。

認知症は家族への影響もありますよね。

ご家族がまだ若くて症状を受け入れられなかったり、病気の知識がなかったりしてトラブルになり、患者さまの精神症状がすごく悪くなるパターンが結構あるんです。暴れるなど入院が必要になるくらいの認知症になってしまうのは、だいたいそういうケースです。周りが理解してくれないことに、患者さまが腹を立てるといったことが多いと感じます。家族やケアする人にも、病気の知識や対応の仕方がすごく大事になるんですね。なので、ご家族にはそのあたりのお話もしています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

宮崎大輔院長 みやざきメンタルクリニック6

1人で抱え込むのは苦しいことですから、何かあれば気楽に話しに来てください。薬を嫌がる方もおられますが、最初は薬を出さずに、患者さまの話を聞いてアドバイスするだけで終わることもあります。帰り際に「話して楽になった」という人も結構います。来院された時に比べ、帰る時には「表情が良くなった」と受付スタッフから言われることも多いです。この後症状に対してどうすればいいかということもお話しできますので、考え込まずに相談に来てほしいですね。

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