井野 正幸 院長の独自取材記事
しじみデンタルクリニック立川
(立川市/立川駅)
最終更新日:2024/05/24
立川市柴崎町の「しじみデンタルクリニック立川」は、2020年開業。調布市にある本院「しじみデンタルクリニック」の分院で、本院で副院長を任されていた井野正幸先生が院長を務める「患者一人ひとりに寄り添った治療」をコンセプトに、虫歯治療、予防歯科、歯周病治療、口腔外科、根管治療、小児歯科など幅広い歯科治療を提供する。知的障害や運動機能障害のある患者の治療も積極的に対応している。この他、訪問歯科診療にも力を入れ、往診には即日対応できるよう体制を整えているという。穏やかで優しい語り口が印象的な井野院長に、一般診療、訪問診療の特徴について聞いた。
(取材日2024年4月3日)
立川エリアを中心に訪問診療に力を入れる
こちらの地に新規開業されたきっかけを教えてください。
当院は、調布市布田にあり訪問歯科診療や障害者の歯科診療に力を入れている「しじみデンタルクリニック調布」の分院として2020年7月に開業しました。私は、当院を開業する前は、「しじみデンタルクリニック調布」の副院長を務めていたのですが、訪問診療の患者さんが、調布近辺だけでなく立川エリアにも多くいらっしゃったんです。患者さんにもっと親身に寄り添った診療を提供するにはどうすれば良いか考えたとき、立川エリアに分院があれば、応急の対応もしやすいということで、院長としてこの地に新規開業することになりました。訪問診療においては、加齢や持病の悪化に伴い通院できなくなってしまった患者さんに対し、同じ歯科医師が訪問診療に伺うことで安心して治療を受けていただけるよう、体制を整えています。もちろん、訪問診療だけではなく一般診療にも幅広く対応しています。
訪問診療にはどのように対応されているのでしょうか。
歯科医師、歯科衛生士の計7人が訪問診療スタッフとしてチームを組み、平日はもちろんのこと、土・日曜も17時30分まで対応しています。立川エリアを中心に、近隣の日野市、昭島市を多く診療しています。日本全体で高齢化が進んでいますが、訪問歯科の認知度は、まだまだ低いと感じています。例えば、歩行が困難な高齢者の方が、入れ歯のトラブルなどがあると、食事がしっかり取れなくなることもあります。そんなとき、歯科医師が迅速にご自宅を訪問して修理や治療を行うことができれば、食事もしっかり取れるでしょう。また、訪問歯科はチーム医療で、地域のケアマネジャーさんとも連携しています。歯科医療では、飲み込みの状態なども確認しながら治療を進めていくことが必要です。患者さんやご家族と相談を密にしながら、お口の健康をサポートさせていただきますので、まずはお電話でご相談ください。
こちらのクリニックの訪問診療の特徴はどんなところにありますか?
嚥下専門の歯科医師が、患者さんの舌の機能や飲み込む機能を確認し、必要に応じて喉や頬の筋力をつける訓練や食べ物を飲み込むトレーニングを指導しています。また、当院では嚥下内視鏡検査にも注力しています。嚥下内視鏡検査は、鼻腔から細いファイバースコープを喉に挿入し、喉の形や動きの状態を観察することができます。患者さんに実際に飲食物を嚥下していただき、喉を食物が通過していく状況を観察し、気管に入りやすいか、残留しやすいかを調べることで、誤嚥性肺炎のリスクがどの程度かを調べます。また、当院ではご高齢の患者さんだけではなく、持病のあるお子さん、知的障害や運動機能障害のあるお子さんに対しても訪問診療を行っています。立川エリアは障害者歯科に対応するところが少なく、これまで遠方の歯科医院に通われていた患者さんのご家族から「近くに障害者歯科を見つけることができて良かった」というお言葉をいただくこともあります。
丁寧な対話とわかりやすい説明を
診療の際に心がけていることや、障害がある方の診療の特色について伺います。
治療への不安を少しでも払拭していただけるよう、患者さんとのコミュニケーションを第一に考え丁寧な対話を心がけています。また、治療の内容や期間などについてもわかりやすい説明を心がけ、患者さん一人ひとりに寄り添った診療をモットーとしています。障害のある患者さんに対しては、口頭の説明だけでは理解しづらい点もありますので、必要に応じて絵カードを用いて「これからこういう治療をします」と、治療の内容について理解してもらうようにしています。本院院長の岩崎先生が、障害のある患者さんを多く診ていましたので、岩崎先生の診療を見て勉強させていただきました。患者さんによっては、じっとすることが苦手ですぐには診療にかかれないこともありますが、なるべくリラックスして治療を受けてもらうようになるまで、焦らずじっくり時間をかけて取り組むようにしています。
訪問診療と外来診療の割合はどのくらいでしょうか。外来ではどのような診療に対応していますか?
訪問診療と外来診療の割合は、今のところ半々くらいです。訪問診療は、主に先ほど申し上げた訪問診療チームが担当し、外来診療は主に私が担当しています。私自身、患者さんのさまざまなニーズにお応えできるよう、一つの分野にこだわらず、幅広い治療について学んできましたので、当院の外来でも、一般歯科から予防歯科、歯周病治療、小児歯科、根管治療、入れ歯の作製、詰め物やかぶせ物の治療まで、幅広く対応しています。ただし、親知らずの抜歯で難症例の場合は、口腔外科専門の先生が担当します。口腔外科専門の先生は月に2回、矯正歯科も専門の先生が月に2回来て診療を行っています。
外来診療にはどのような患者さんがいらっしゃいますか?
地域にお住まいの方が中心で、小さいお子さんからご高齢の方まで幅広い年齢層の患者さんがいらっしゃいます。虫歯など一般歯科で来られる方もいらっしゃいますが、予防歯科で受診される方も多く、このエリアはお口の健康への意識が高い患者さんが多いという印象です。このような患者さんに対しては、歯周病にならないよう定期的な検診をお勧めしています。当院には歯科衛生士がおりますので、メンテナンスやブラッシングの指導を丁寧に行っています。ただ、しっかり予防しても、虫歯になったり歯を抜かなくてはいけなくなったりすることはあります。そうした場合は適した治療について患者さんに説明し、相談しながら進めていきます。
地域の人々から信頼されるクリニックを
小児歯科で多い主訴は何ですか? また、お子さんを診療する際に心がけていることを教えてください。
お子さんは、定期検診でいらっしゃるケース、保育園などの歯科検診で虫歯の指摘を受けていらっしゃるケースが多いです。「歯科医院は怖い場所」というイメージを持っているお子さんが多いので、なるべく怖い思いをさせないよう優しく接するようにしています。保護者の方には、口腔内カメラで撮った治療前と治療後の画像をモニターでお見せしながら、治療の内容を詳しくお伝えしています。必要に応じて染め出し液を使って磨き残しの有無をチェックし、仕上げ磨きのアドバイスをさせていただくこともあります。昔に比べると顎が小さいお子さんが多く、乳歯が適切に並びきれず、歯が部分的に重なっている叢生(そうせい)のお子さんもお見受けします。その場合は矯正専門の先生におつなぎしています。矯正では無料相談に応じていますので、お気軽にお声がけください。
先生が歯科医師をめざしたきっかけは何ですか? 休日の過ごし方についても教えてください。
医師である父の姿を小さい頃から見てきて、医学の道を志したいと思うようになり、歯学部受験を決めました。車の運転が好きなので、休日はドライブを楽しんでいます。それから、自宅で犬を飼っていて、犬と一緒に過ごす時間もリフレッシュになりますね。
クリニックの今後の展望について教えてください。
地域住民の方々に信頼されるクリニックをめざしていきたいですね。当院は一般診療と訪問診療の両方に力を入れています。外来診療に通えなくなった患者さんに対しても、訪問診療でお口の健康のサポートを通じて、一人ひとりの患者さんを長く診させていただけることにやりがいを感じています。丁寧で親身な施術を行って患者さんと信頼関係を築き、訪問診療が必要な方やそのご家族の力になりたいと考えております。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/38万5000円~
成人矯正/71万5000円~