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河野 稔広 先生の独自取材記事

クルミ歯科

(久留米市/犬塚駅)

最終更新日:2025/04/24

河野稔広先生 クルミ歯科 main

西鉄バスの城島中町停留所から徒歩1分の場所にある「クルミ歯科」。院長の河野稔広(かわの・としひろ)先生は、補綴を専門とし、大学病院で義歯や噛み合わせの治療に長年携わってきた経験を持つ。2018年に久留米市城島にて開業し、現在は一般歯科を中心に、歯周病治療や不正咬合の予防にも力を入れている。「どんな方でも、きちんと診断し、適切な治療を提供することを大切にしています」と語る河野先生。「歯が痛くなってからではなく、気軽に相談に来てほしい」との思いを込めて、院内は木のぬくもりを生かしたデザインで、歯科医院らしくない落ち着いた雰囲気が特徴だ。地域の人々の健康を支えるべく奮闘する河野院長に、開業の経緯や診療方針、地域への想いなどを聞いた。

(取材日2025年2月20日)

大学院、大学教員の経験を経て、久留米で開業へ

歯科医師を志したきっかけを教えてください。

河野稔広先生 クルミ歯科1

幼い頃から歯科医療が身近な環境で育ちました。叔父が歯科医師をしており、父は歯科技工士、母も叔父の歯科クリニックで医療事務に携わっていたためです。ただ、その影響で自然と歯科医師をめざしたわけではなく、小児科の医師になりたいと考えたこともありました。しかし、進学を考え始めた頃、改めて歯科医療への関心が強まり、特に噛み合わせの分野に興味を持つようになりました。口の状態が全身に影響を及ぼすことなども知ったこと、そして身近に歯科医療に携わる人がいたこともあり、九州歯科大学へ進学。もともと、家族の仕事を通じて歯科が身近な環境ではありましたが、学びを進めるうちに「自分のやりたいこと」として意識が固まっていきました。

大学や大学院時代のご経験について教えてください。

大学時代は義歯やかぶせ物といった補綴治療の分野に関心があり、特に、噛み合わせや顎関節症の研究に興味を持つようになりました。また、学業の傍ら、ジャズのビッグバンド部に所属し、ドラムに打ち込んだのも良い思い出です。大学院に進学したのも、部活動で出会った先生の影響が大きく、その先生が補綴を専門とする先生だったことが、さらにこの分野への関心を深めたきっかけでした。当時の大学院では、一般的な症例だけでなく、他院で治療が難しいとされた患者さんを診ることも多く、重度の症例を数多く経験しました。特に、義歯や噛み合わせの調整が難しいケースに向き合う中で、「歯科治療には絶対的な正解があるわけではない」と実感しました。大学を卒業してすぐに臨床に出るのではなく、こうした症例にじっくり取り組めたことは、大きな学びとなりました。

大学院修了後の大学教員時代の経験から開業までの経緯を教えてください。

河野稔広先生 クルミ歯科2

大学院を修了後そのまま大学に残り、助教として9年間勤務しました。補綴治療を専門としながら、臨床実習で学生の指導に関わることも多くありました。学生とともに一般歯科診療に携わるうちに、より幅広い分野の治療に興味を持つようになったんです。その中で、次第に「自分の歯科クリニックを持ち、より多くの患者さんと直接向き合いたい」と考えるようになります。大学に残る道もありましたが、より実践的な環境で診療をしたいという思いが強まり、2018年3月に退職を決意。同年8月に当院を開業しました。大学病院では重度の症例を診ることが多かった一方で、開業後は地域の方々のさまざまな悩みに向き合う必要があります。大学教員時代の経験が、現在の診療スタイルの基盤になっていると感じています。

歯科医院が減る地域で必要とされる歯科医療を届けたい

開業にあたり、この場所を選んだ経緯を教えてください。

河野稔広先生 クルミ歯科3

開業を考え始めた時、まず大事にしたのは「自分がどんな場所で診療をしたいか」という点でした。もともと、のどかな環境が好きで、落ち着いた場所で患者さんと向き合いたいという思いがあったんです。地元の北九州をはじめ、いくつかの地域を見て回りましたが、どこもすでに歯科医院が多く、わざわざ自分が開業する必要性を感じにくい状況でした。そんな時、大学でお世話になっていた先生のつながりで、この地域の歯科事情を知る機会がありました。「このエリアでは歯科医院が減少していて、困っている患者さんが多い」という話を聞き、それなら自分がここで力になれるのではないかと考えたんです。地域の方々の健康を支える歯科医院として、しっかりと根を張りながら診療を続けていきたいと思っています。

こちらではどのような診療に力を入れていますか?

特に、歯周病治療と子どもの不正咬合の予防に力を入れています。成人の患者さんでは、歯周病の進行に気づかず放置してしまうケースが多く、適切な診断と治療が欠かせません。歯周病は単なる口の病気ではなく、全身の健康にも影響を及ぼすため、定期的なケアが重要です。一方、子どもの患者さんについては、不正咬合の原因となる口呼吸や舌の癖の改善を図り、正常な成長発育へ導くことをめざしています。また、クリニックの雰囲気にもこだわり、「歯科医院に通うのが怖い」と感じている患者さんでもリラックスできるよう、木のぬくもりを生かしたデザインを採用しました。待合室から診療室へ向かう動線も開放的な空間にすることで、緊張を和らげてもらえるよう工夫しています。治療だけでなく、気軽に相談できる場所であることも大切にしたい。そんな思いを込めて、日々の診療に向き合っています。

患者さんと向き合う際に心がけていることを教えてください。

河野稔広先生 クルミ歯科4

丁寧な診断と説明を行うことを心がけています。わかりやすい言葉でしっかりと伝え、一人ひとりに合った治療をご提案することで、患者さんが安心して通える環境を整えることも、私たちの大事な役割だと思うからです。具体的に治療のご提案をする際は、こちらの考えを押しつけずに、患者さんの思いやニーズをしっかりと受け止めて、その中で一緒に着地点を見つけることを大切にしています。その際、お仕事などそれぞれの生活スタイルも伺いながら、無理なく来院できる頻度を探り、治療回数をすり合わせるようにしています。実際に最後まで通院いただくことが重要ですからね。

小さな違和感でも、気軽に相談できる歯科医院に

どのようなお悩みの患者さんが多いですか?

河野稔広先生 クルミ歯科5

現在、当院には幅広い年代の患者さんが来院されていて、中でも歯周病が進行している方や虫歯の患者さんが多いです。一般的に虫歯の患者さんは減っているといわれますが、実際にはまだ多くの方が悩んでいるのが現状ですね。また、お子さんの不正咬合を気にされる親御さんが多く、口呼吸などの影響を考慮しながら対応することが増えています。そうした中で、特に「今まで歯科医院に通う習慣がなかった方」にも、気軽に来てほしいと考えています。痛みが出てからではなく、違和感があれば早めに相談することで、大がかりな治療を避けられるケースもありますからね。日々の診療を通じて、地域の皆さんの口の健康を支えていきたいと思っています。

この地域で開業して、気づいたことや感じることはありますか?

大学病院では専門的な治療を求める患者さんが多かったのですが、開業してからはより地域に根差した診療の大切さを実感するようになりました。この地域の患者さんは穏やかで温かい方が多く、日々の診療を通じて少しずつ関係を構築できていることにやりがいを感じています。現在、お子さんからご高齢の方まで幅広い年代の患者さんが来院しています。人口が減少傾向にある地域ですが、これからも安心して足を運んでもらえるよう、患者さん一人ひとりの健康を長く支え続ける歯科医院でありたいです。歯周病の治療をしっかり行うことが、地域の皆さんの健康維持にもつながると思います。今後もより良い診療を提供し、地域の皆さんに貢献していきたいですね。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

河野稔広先生 クルミ歯科6

当院では、患者さんの悩みにできる限り寄り添い、適切な診断と治療を行うことを大切にしています。専門は補綴なので、義歯やかぶせ物については特に細かく診ることができますし、現在は歯周病治療に力を入れ、その他ホワイトニングなど患者さんからご要望の多い治療も取り入れるなど幅を広げ治療を行っています。また、歯の痛みがある時だけでなく、「入れ歯が合わない」「なんとなく違和感がある」といった小さな悩みでも、気軽に相談してほしいです。どんな些細なことでも相談できる、そんな歯科医院として地域に根づいていけたらうれしいですね。今後も、患者さんが安心して通える歯科医院をめざしていきます。

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