高コレステロールは肝臓からの警告か
健康な未来のため早期検査を
たいら内科・消化器内科クリニック
(大津市/瀬田駅)
最終更新日:2025/12/15
- 保険診療
健康診断で必ず目にするコレステロール値。血管の異常と思われがちだが、実は脂肪肝・肝臓や膵臓のがん・高血圧症・糖尿病といった多くの病気とも深く関わっている。それにもかかわらず、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど自覚症状が出にくく、気づかず病気が進行してしまっていることも少なくないという。「たいら内科・消化器内科クリニック」院長の平良薫先生は、日本肝臓学会肝臓専門医として数多くの肝臓移植を経験し、早期発見の重要性を痛感。現在はクリニックに肝臓の検査ができる汎用超音波画像診断装置を導入し、脂肪肝などの早期発見と生活改善に重点を置いた診療を実施している。今回は、見落とされやすい肝臓のサインや治療法について、詳しい話を聞いた。
(取材日2025年12月1日)
目次
高コレステロールは肝機能低下の可能性も、精密な超音波検査で状態を調べて早期対策を
- Q健康診断にあるコレステロール値とは、何なのでしょうか?
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A
▲コレステロール値のバランスが、健康状態を左右する
コレステロールは血中に存在する脂質で、体にとって欠かせないエネルギー源の一つです。ただ、エネルギー源と聞くと良いものというイメージがありますが、実際には糖分のほうがエネルギーになりやすいため優先的に使われ、現代人はコレステロールが余りがちです。その結果、余ったコレステロールが体にたまりすぎ、健康に悪影響を及ぼすことがあります。また、コレステロールには LDL(悪玉コレステロール) と HDL(善玉コレステロール) の2種類があり、ほかに血中に存在する脂質として中性脂肪があります。健康診断では、これら3つの数値のバランスを見て、健康状態を判断することが大切です。
- Qコレステロール値が高くなる原因は何ですか?
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A
▲数値が高い人は、早めにクリニックの受診を
食べすぎや間食の多さなど生活習慣が大きく影響しますが、見落とされがちなのが肝臓の働きです。コレステロールは尿では排泄できず、肝臓を通り、便として排出されます。そのため肝臓に負担がかかると処理が追いつかず、数値が高くなることがあります。健康診断でコレステロール異常が見つかり、検査すると脂肪肝や肝臓がん(肝がん)の前段階が見つかることも少なくありません。また余分なコレステロールは血管にたまりやすく、高血圧症や糖尿病の悪化、膵臓がん(膵がん)や心筋梗塞など重大な病気のリスクにもつながります。コレステロール異常は肝臓からのSOSの可能性もありますので、数値が高い方は早めにクリニックを受診してください。
- Qどのような治療方法があるのでしょうか?
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A
▲運動と食事管理が、脂肪肝の治療の基盤となる
基本的には生活習慣の見直しが中心になります。ウイルス性肝炎や自己免疫性肝炎のように、肝臓そのものが病気で傷んでいるケースとは異なり、脂肪肝は「脂肪をため込まない生活」に戻すことで改善をめざします。その柱になるのが運動と食事管理です。どれだけ運動しても、それ以上に食べれば脂肪は減りません。日常の誘惑と上手に付き合いながら、食べる量と質を整えていくことが重要です。また、当院では治療開始から1年間は原則として薬を使いません。どんな薬もまず肝臓で処理されるため、脂肪肝の状態ではかえって負担や副作用につながる可能性があるからです。まずは生活改善をめざし、その上で必要な治療を検討していきます。
- Qこちらには肝臓の数値を出せる超音波機器があるそうですね。
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A
▲肝臓の健康が気になる人は、気軽に相談を
当院では、肝臓の脂肪量や硬さを体の外から測定できる汎用超音波画像診断装置を導入しています。従来、この情報を得るには入院して麻酔をかけ、肝臓に針を刺す生検が必要でした。ですが、この専用装置を用いることで痛みもリスクも抑えながら、3〜5分ほどで評価できます。しかも保険診療で受けられるので、患者さんの負担も少ないです。肝臓の状態を数値として直接見ることができ、検査結果もその場ですぐ出るため、2〜3ヵ月ごとの定期的なチェックで、食事や運動など生活改善のモチベーションにつなげていきます。日本ではまだ導入しているクリニックは限られますが、肝臓の健康が気になる方にぜひ受けていただきたい検査です。
- Qこちらのクリニックで行う治療の特徴を教えてください。
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A
▲無理なく続けられる治療で、病の根本から解決を
当院の特徴は、患者さん一人ひとりの生活に寄り添いながら、無理なく続けられるよう治療を提案している点です。例えば、体重は原則として最初から細かく確認せず、治療効果は超音波検査の数値で評価します。体重の増減に一喜一憂するとストレスで続かなくなる方も多いため、2〜3ヵ月に1度の検査で経過を確認する方法を取っています。生活指導では否定的な言葉を使わず「10年後もおいしく食べて飲むために、今どうするか」を一緒に考えるスタイルです。患者さんの年齢やこれまでの運動習慣、おやつの内容や量を伺い、どこまでなら我慢できるか、どんな運動なら頑張れそうか一緒に決めながら、その方に合った方法を提案しています。

