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三好 眞知子 院長の独自取材記事

みよし歯科

(新宿区/高田馬場駅)

最終更新日:2023/03/02

三好眞知子院長 みよし歯科 main

JR山手線・高田馬場駅より徒歩3分、東京メトロ東西線、東京メトロ副都心線からのアクセスにも恵まれた「みよし歯科」。学生が多くにぎやかなイメージのある高田馬場だが、同院は閑静な住宅街にあって落ち着いたたたずまいだ。三好眞知子院長が大学を卒業したのは1977年、女性の就労がそう多くはない時代に勤務医を経て開業したのは、初めての出産の翌年だったというから驚きである。東京医科歯科大学歯学部附属病院や、国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)で先端医療に携わりながらも、患者と密に接する歯科診療を希望し、それを実現させた三好院長。そんな院長こだわりの診療理念や長年の診療経験におけるエピソード、そして愛犬との生活に至るまで、インタビュー中はずっと魅力的な笑顔で話してくれた。

(取材日2022年12月23日)

「自分のやりたい診療」を実現すべく出産の翌年に開業

歯学部に在籍された1970年代は、女子生徒も少なかったのではありませんか。

三好眞知子院長 みよし歯科1

そうですね。東京医科歯科大学に入学した当初、医学部・歯学部合わせた生徒160人中、女子生徒はたった1割でした。女性が男性と肩を並べて働くのは珍しい時代で、卒業してすぐ家庭に入る女子生徒も多かったですね。私は小さい頃から文系より理系の科目が好きで、さらに人の役に立つ仕事がしたかったので「将来は医師か歯科医師になる」という明確な目標があったんです。当時の医学部は卒後臨床研修が大変で歯学部を選んだのですが、親を説得するのは大変でした。説得というより、結果的にはほぼ「強行」でしたね(笑)。無謀だったかもしれませんが、当時を振り返って、自分の決断は間違っていなかったと思います。

実際に歯科医師になられて、どのようなことが印象に残っていますか?

卒業後は大学病院を経て、国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)の歯科口腔外科に勤務し、入院患者さんへの対応や外来診療を行っていました。当時の一般的な歯科診療というと、治療が済めばそれでおしまいで、数年後に「また痛くなった」と来られる、その繰り返しでした。そこで私は、「治療が終了した患者さんに対するフォローが大切なのではないか」と考えるようになったんです。また、国立病院医療センターに来られる患者さんは「突然歯を抜かれた」「義歯を作ったら高額だった」など、かかりつけでの治療に不満を訴える方が多いのも気がかりでした。インフォームドコンセントという言葉などない時代で、患者さんも「お任せします」という姿勢でしたし、歯科医師との間に意識のズレが生じやすかったのでしょう。「いずれ開業するならコミュニケーションを徹底し、患者さんの不満や不安を解消したい」という目標が見え始めていました。

開業のきっかけを教えてください。

三好眞知子院長 みよし歯科2

直接的なきっかけは、長男の出産ですね。国立の医療機関なので産休や育児休暇の制度は整っていたのですが、周囲はみんな、男性の医師、歯科医師でしたし、自分の中で「権利だから休んで当然」と割りきれないところがあって退職しました。専業主婦になることも考えましたが、すぐに自分には不向きと気づいて(笑)。そこで、勤務医時代に思い描いていた「自分のやりたい診療」を実現しようと思い立ち、出産の翌年に開業に踏みきりました。1990年のことです。ここ高田馬場を選んだのは国立病院医療センターに近く、当院で対応が難しい患者さんを紹介しやすいという利点があるからです。また、新宿区でありながら古くからの住宅地も存在する土地柄で、お子さんから高齢の方まで幅広く診療できるのも魅力でしたね。

治療から予防まで、将来を見据えたトータルケアを

開業されてから現在まで、感じられる変化はありましたか?

三好眞知子院長 みよし歯科3

昔の患者さんは歯科医師に対しどこか恐縮されて、常に受け身の方が多かったのが、今はご自身の疑問や要望をはっきりと伝え、納得いく診療を受けようとする方が増えていますね。特に若いお母さんたちは、お子さんの歯の状態に関する情報をインターネットで集めていらっしゃいます。歯に対する意識の高い親御さんが増えたことから、今は初診で虫歯があるお子さんがほとんどいません。また、年齢問わず、今は虫歯治療だけでなく、歯周病や歯肉炎の治療が大切という認識が社会一般に浸透しているのではないでしょうか。開業して32年ですが、患者さんの意識は大きく変化してきたと感じます。しかし、高齢者の口腔ケアについては課題も。お子さんとは違い、ご家族からのサポートに抵抗のある方も少なくないことから、誤嚥性肺炎を防ぐためにも、どのように改善していくかというのが今後の課題ですね。

患者さんとの接し方で、重要と感じられるのはどんなことでしょうか。

当院でこだわりを持って実施している治療に「根管治療」があります。これは、細菌に感染してしまった神経などを取り除き、歯の根の病気を治療・予防するものです。細菌を取り残したまま詰め物やかぶせ物をすると、後から細菌が増殖して抜歯が必要となるケースもあるため、根管治療は徹底して行う必要があります。ですが、この点を説明しないと患者さんは「ずっと同じことをやっている」「早くかぶせてほしい」と思われるでしょう。そのため当院では、根管治療に限らず症状別の治療計画チャートを用いて、治療の目的やスケジュール、将来的に期待できる効果などを詳しく説明しています。スタッフによって説明内容や患者さんへの接し方が異なるといけませんので、週に1回スタッフ全員が共通の意識、姿勢で患者さんに向き合うことを目標とする勉強会も行っています。

患者さんに本当に納得していただくのは難しいのですね。

三好眞知子院長 みよし歯科4

国立病院医療センターに勤務していた時、国立ならではの事業として職員の歯科診療も手がけていました。同じ職場で働く人を診るわけですから、治療した箇所が5年、10年後にどう変化するかを間近に確認できたんです。その経験から私は、将来的な予測も踏まえ、患者さんに最適な治療とは何かを考えるようになりました。これを「ポイント」でなく「ライン」での治療といって重視していることなのですが、患者さんの中には「抜歯はしないで」「とにかく見た目をきれいに」と、一時的な機能や美を求める方がおられます。そんな時は過去の同じような事例を挙げて将来的な予測を説明し、患者さんの要望に反する提案をすることもあります。それで納得していただいて、数年後に「あの時の治療法で良かった」と振り返ってもらえたらうれしいですね。

「こんな歯科医院があったらいいな」を実現するために

患者さんごとに担当歯科衛生士がつく「担当歯科衛生士」制を導入されているとか。

三好眞知子院長 みよし歯科5

担当制にすると、歯科衛生士は患者さんの歯の形態や磨き残しやすい部位、性格まできめ細かに把握できるという利点があります。患者さんにとってもいつも同じスタッフなら安心感も得られて、不安やストレスも和らぐのではないでしょうか。初めて来院された方には初診担当の歯科衛生士がつき、その後にご家族の方がおみえになった場合は家族単位で同じ歯科衛生士が対応するシステムです。というのも、口の中の問題は遺伝的な要素が少なからず影響するため、親御さんを担当すればお子さんの将来予測もつきやすく、その問題に合わせた指導が可能になるからです。家族ぐるみのお付き合いになるので、担当の歯科衛生士はしょっちゅう、患者さんとご家族の話題で盛り上がっていますよ。

休日はどのように過ごされていますか?

わが家には犬が3頭いまして、1歳半のゴールデン・レトリーバーの兄弟と13歳のキャバリアなのですが、ゴールデン・レトリーバーの子たちは油断するとあちこち引っ張られますので、もう命がけで散歩しています(笑)。これは危ないということで、兄弟同時ではなく、主人がまず1頭だけ連れて行こうとすると、引き離されるのがつらいのか、お互い悲しい声で大騒ぎするんですよ。それで、急に引っ張られてほかの方にご迷惑をかけないよう、人通りがなくなる終電後に兄弟一緒に連れて行くことも。今はそれが休日の楽しみですね。

今後の展望についてお聞かせください。

三好眞知子院長 みよし歯科6

今後はコンサルティングルームを設けて、より丁寧に、よりきめ細かな診療を行いたいと考えています。それを実現するためにスタッフたちも秘書検定に取り組むなど、接遇面の向上に向け頑張ってくれています。このように、各方向から患者さんが気持ち良く安心して治療が受けられる体制を構築し、感染症防止についても消毒の徹底や待合室の密回避・患者さんの予約制限などできる限りの対策をしています。安心してご来院ください。

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