野上 以織 院長、長田 宗一郎 先生の独自取材記事
新日本歯科
(新宿区/早稲田駅)
最終更新日:2026/06/01
学生の街として知られる一方で、社会人やファミリー層も多く暮らす早稲田に根差す「新日本歯科」。幅広い年代の患者が通う同院では、「人を診ること」を出発点とした診療が行われている。4代続く歯科医師の家系に生まれた野上以織(いおり)院長は、従来の診療に疑問を抱いた経験から海外での学びを経て、現在の診療方針を確立。スウェーデンで実践されているエビデンスに基づく歯科医療を軸に、患者が自らの健康に主体的に向き合える環境づくりを進めている。2025年には新たに長田宗一郎先生も加わり、理念を共有するチームとして「正しく、誠実な医療」をめざしている。野上院長と長田先生に、同院の特徴や診療で重視している点、今後の展望について聞いた。
(取材日2026年4月28日)
バイク世界一周の旅を通して学んだ歯科医療の本質
院長が歯科医師を志した背景と、開業までの経緯を教えてください。

【野上院長】私は歯科医師家系の4代目で、曽祖父が世田谷区、祖父が横浜、父が台東区、母がこの早稲田で歯科クリニックを営んでいました。もともと私は自衛官に憧れていましたが、家族の強い思いに動かされ、歯科医師になりました。ストレートな道のりではありませんでしたが、今では天職だと思っています。大学卒業後、大学病院などで研鑽を積み、母の歯科クリニックを継承する形で開業しました。私自身もこの街で生まれ育ったので、縁を感じています。その際に変更した「新日本歯科」という院名には、「学んできた新しい歯科医療を社会に広めたい」という思いを込めました。
院長が学ばれた「新しい歯科医療」についてお聞かせください。
【野上院長】若い頃は幅広い症例で経験を積むことができた一方で、理想と現実の間に葛藤を感じていました。保険診療中心の現場では、時間をかけて丁寧に診療したいと思ってもできず、悩むあまり夜になると涙が止まらなくなることも……。思い詰めていっそ歯科医師を辞めようかと思っていた頃、宮下裕志先生と出会いました。スウェーデン王立イエーテボリ大学で学び、スウェーデンの歯科医学を習得された宮下先生の歯科クリニックは完全自由診療で、しっかり時間を取りクオリティーを追求した診療を実践しています。自分が求めていたのはこういう医療だと気づき、弟子入りして3年ほどご指導いただきました。その後、海外の歯科事情を学ぶためにバイクで世界一周の旅に出ました。ドイツやイギリスではすでに保険システムの課題を解決していて、患者さんが自ら予防に取り組みやすい環境ができており、衝撃を受けましたね。
2022年には移転されたそうですね。

【野上院長】場所は以前の近くで、地域とのつながりを大切にしながら新たなスタートを切りました。移転前はほぼ私1人で診療しており、人員やスペースに限界がありました。しかし、宮下先生から学んだ診療をより多くの歯科医師に伝えたいと感じるようになり、教育の場としての機能も持たせようと考えたんです。現在はユニットを4台に増やし、診療の質を維持しながら体制を拡充しています。
長田先生の入職理由と、院長が長田先生を採用した理由を教えてください。
【長田先生】見学した際に、ここなら自分の考える「正しい医療」が実践できると感じました。例えば歯周病の処置一つとっても「こうすればよい」というロジックが確立されているので、自信を持って治療できます。顕微鏡などの設備も整っていて、一つ一つの治療に丁寧に向き合える環境が整っていると感じました。また、アポイントの取り方も無理がなく、自分の裁量で患者さんと向き合い、必要な医療を提供できます。相手の話を遮らず、必ず最後まで聞いてくださる野上先生の人柄が決め手となりました。
【野上院長】長田先生は「正しい医療を提供したい」という思いを持つ誠実な歯科医師で、患者さんにも真摯に向き合えると感じました。理念を共有できる歯科医師とともに、学んできた歯科医療を広めていきたいです。
2人の歯科医師が追い求める「正しい医療」
クリニックの診療方針について教えてください。

【野上院長】歯科先進国といわれるスウェーデンで実践されている、エビデンスに基づいた診療を軸としています。膨大な研究データや統計に裏付けられた治療方法を採用することで、「繰り返さない治療」と「病気の根本的な原因追究と改善」をめざします。また、患者さんの要望に応じて、自由診療も保険診療も選べるようにしています。自由診療では時間と費用をかけられる分、精密な処置が可能となり、より質の高い医療を提供できます。一方で、保険適用の診療も行っていないわけではなく、それぞれのメリットや限界を丁寧に説明した上で、ご本人に選んでいただくことを大切にしています。歯科医師の言うとおりに受診するのではなく、医療を受ける側が主体的に選び、考え、治療に関わることが、結果的により良い治療につながると考えています。
特に問診を重視されていると伺いました。
【野上院長】診療は来院前、電話予約の時点からすでに始まっていると考えています。お話の仕方からその方のパーソナリティーや歯科医療に対する姿勢をある程度判断することができます。例えば、普段歯科に通う習慣はないけれど、急に歯が痛んでのお電話なのか、予防歯科の意識を持ってのご相談なのかといった情報は、診断において非常に重要です。これも宮下先生の「診断学」の授業で学んだことです。そのため初診でいきなり椅子を倒して口の中を診ることはなく、問診に30分以上かけることもあります。まずは患者さんの背景や生活習慣、価値観を伺い、「患者の理解」「口の診断」「歯の診断」という順で進めていきます。プロセスを丁寧に踏むことで、症状の根本原因にたどり着きやすくなり、適切な治療方針を立てることができるのです。
長田先生が診療で大切にされていることは何ですか?

【長田先生】私は一般歯科から歯科口腔外科まで、お口の中のお悩みには一通り対応していますが、どんな診療においても野上先生が重視される「人の診断」を常に意識しています。例えば同じ症状でも、患者さんによって受け止め方や、背景が異なりますから、まずはしっかりお話を聞きます。野上先生は「人の診断」のプロで、患者さんとのやりとりを側で見ていると、「頭の中をのぞけたらいいのに」と思うほどです。でも実際にのぞくことはできないので、私なりに「歯科医師の思う正解が患者さんにとっての正解とは限らない」と念頭に置いて、誠実に患者さんと向き合おうと心がけています。
新日本歯科の今後の展望とめざす医療
どのような患者さんが多く来院されますか?

【野上院長】早稲田という立地柄、大学生がボリュームゾーンですが、地域には社会人やファミリー層も多く住んでいます。大学を卒業してそのまま住み続ける方も多いようです。そのため、若い世代から中高年層まで幅広い年代の患者さんに来院いただいています。地域に根差した歯科クリニックとして、多様なニーズに応えられる体制を整えています。
お二人の「理想の歯科医師像」を教えてください。
【野上院長】患者さんに対する誠実さを土台に、社会のために何ができるかを考えて物事を組み立てられる歯科医師です。当院では「スタッフ第一主義」を掲げており、自分のやるべきことをやっていれば、長期休暇を取ったり遅く出勤したりしても良いシステムになっています。スタッフが理不尽な思いをすることなく、安心して働き、やりがいを持てる環境を整えることが、結果的に患者さんへの良質な医療提供につながると考えています。
【長田先生】自分の治療に責任を持って診られる歯科医師でありたいと思います。その意味では、例えば将来的に救急対応などもできるようになりたいですね。受け持つ患者さんが万が一夜間に歯の痛みを訴えた場合にも、私自身が対応できるのが理想の姿です。
最後に、近い将来の目標をお聞かせください。

【野上院長】長田先生という心強いパートナーを迎えることができたので、学んできた診療をより多くの歯科医師に広めていきたいと思います。同じ志を持つ仲間を増やし、歯科医療全体の質を高めていくことが目標です。
【長田先生】診療時間の確保の仕方一つをとっても、患者さんのためを思う本質的な診療にこだわれる環境で働けることをありがたく思っています。野上院長から学べる環境を最大限に生かし、技術と知識の両面で成長していきたいです。歯科医師側の考えを押しつけるのではなく、患者さんの価値観を尊重しながら適切な選択を一緒に見つけられる歯科医師になれるよう、これからも学んでいきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミック治療/3万3000円~

