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飯森 俊介 院長、渡部 勇太 先生の独自取材記事

いろはホームケアクリニック

(松山市/平井駅)

最終更新日:2023/11/09

飯森俊介院長、渡部勇太先生 いろはホームケアクリニック main

2023年7月に松山市南久米町から同市の平井町へと移転した、在宅医療を柱に据える「いろはホームケアクリニック」。院長の飯森俊介先生は「地域全体を真の意味で幸せにする医療」を掲げ、訪問診療を中心としつつ、さまざまな関係機関と連携を取りながら大勢の患者に向き合ってきた。移転に先駆けるタイミングで渡部勇太先生が入職。飯森院長と同じ愛媛大学のソフトテニス部出身であったり、共通する病院での勤務経歴があったりと浅からぬ縁のある渡部先生も、院長の掲げる方針に共鳴するスタッフの一人だ。心機一転新たなスタートを切った医院の特徴や、医療にかける思いについて、2人に話を聞いた。

(取材日2023年9月22日)

多様な患者を診る在宅医療で包括的に地域を支える

2023年7月に今の場所へ移転されたそうですね。

飯森俊介院長、渡部勇太先生 いろはホームケアクリニック1

【飯森院長】今年4月に入職した渡部先生をはじめ、一緒に働く職員も増えてやや手狭になってきたので今回移転を決意しました。当初の開院目的として松山市内南東部に訪問診療を行う医療機関、特に重症度の高い患者や小児患者を診られるようなところが少なく、そういった面で地域医療を支えたいという思いがあったので、移転先も元の場所の近隣エリアを選んでいます。
【渡部先生】当院は職員が適宜交代しつつ、原則24時間体制で稼働します。それに伴いスタッフもリラックスして過ごせる場所となるよう、内装にも院長のこだわりが細部にまで詰まっています。「多くの人を幸せにする」というモットーに感銘を受けて私自身もここで働くことを決めたのですが、新しい施設そのものからも院長の思いが伝わってくる気がしますね。

お二人が医師をめざされたきっかけは何だったのでしょうか?

【飯森院長】家族が病気を患っていたことがきっかけです。当時私の地元では必要な治療ができず松山まで通っていたんです。治療が進むうちに家族みんなの雰囲気も明るくなり、お医者さんってすごいなと思い、医師をめざしました。
【渡部先生】私は中学の頃バスケットボールをやっていたんですが、ケガが多くてよく整体に通っていたんです。はじめは整体師や接骨院の先生に憧れていたんですが、当時お世話になっていた整体の先生に「なれるなら医師になったほうが幅広いことができるようになるよ」と助言をもらったのです。そのアドバイスから医師をめざそうと思いました。

これまでの経歴についてお聞かせいただけますか。

飯森俊介院長、渡部勇太先生 いろはホームケアクリニック2

【飯森院長】愛媛大学医学部卒業後は県内の病院で約5年間勤務してから、京都大学医学部附属病院で呼吸器外科を専門に研鑽を積みました。さらに関西各地の病院で約10年ほど勤務し、愛媛に戻ったのが今から約8年前のことです。ご縁があって複数の個人クリニックで勤務させていただいた後、2019年に当院を開院しました。
【渡部先生】私も愛媛大学を卒業後、松山市民病院で研鑽し、循環器領域で経験を重ねました。そして市立宇和島病院でカテーテル治療を専門にした後、愛媛大学大学院に進んだのです。ただ研究生活を送るうち、「このままでいいのか」という違和感が徐々に大きくなりました。そんな中院長とのご縁があり、一緒に働かせていただきたいという思いが募り、大学院を辞めて当院の常勤医師になった次第です。

一人ひとりに合う臨機応変な患者ファーストの医療を

在宅医療を中心に据えられていますね。

飯森俊介院長、渡部勇太先生 いろはホームケアクリニック3

【飯森院長】大規模病院で勤務していた頃、延命装置がついた重症患者さんやがん終末期の方などが在宅医療を希望した際、家に帰るサポートが難しいということをとても歯がゆく感じていたんです。在宅では当然、何かあっても医療スタッフによる即時対応ができません。それでも住み慣れた家で過ごしたい、最期を自宅で迎えさせてあげたい、と考える方も大勢います。残り少ない人生で患者さんが本当に望むことの力になりたい、と思った経験が当院の方針の原点にもなっています。
【渡部先生】私も院長も時期こそ異なるものの、ともに市立宇和島病院での勤務経験があります。人口の少ない地域では医師の数も少なく、場合によっては専門外の診療をしなければいけないケースも往々にしてありました。そうした経験を現在在宅医療の現場で大いに生かせていると感じます。

在宅医療において特に重要な、関連機関との連携に関する見解をお聞かせください。

【飯森院長】在宅医療では薬局や基幹病院、訪問看護ステーションにリハビリテーション施設など、多岐にわたる関連機関との連携が重要です。当院の職員は医師、看護師、内部スタッフ含めわずか14人です。そのため広域の患者さんを診るために、外部の方の協力は欠かせません。例えば、松山市には訪問看護ステーションが100ヵ所以上あり医療資源が充実している一方で、それが十分適切に活用されているかというと、まだまだ改善の余地はあると考えています。自院で関連施設を開設・運営する選択肢もありましたが、すでに各地域に根づいている施設や、小児患者やがん患者の受け入れが得意といった強みや特性を持つ施設もたくさんあります。そういった方々の力をお借りして包括的に地域の患者さんを診るほうが、本当の意味での地域医療が実現できると考えています。

医院開設の際、こだわられた部分はどういった点でしょうか?

飯森俊介院長、渡部勇太先生 いろはホームケアクリニック4

【飯森院長】先ほどの地域医療連携の話とも関連しますが、門前薬局をあえて置かなかった点はこだわりの一つです。さまざまな場所を回る在宅医療がメインで外来診療がそもそも少ないですし、皆さんそれぞれ普段足を運ぶ「かかりつけ薬局」がある場合も多いだろうと考えました。医院に近いけれど行き慣れていない薬局より、医院から離れた場所でも使いやすい薬局に行ってもらうほうが患者さんの負担軽減にもつながりますからね。当院が在宅医療という選択肢を取った方針にも通じますが、一番は患者さんが幅広い選択肢を持てるように、一人ひとりに合った医療サービスを提供できるようにと思っています。それを医療を提供する側のさまざまな工夫で実現していきたいですね。

垣根なく地域の医療を真の意味で支える医院に

やりがいを感じるのはどんな瞬間ですか?

飯森俊介院長、渡部勇太先生 いろはホームケアクリニック5

【飯森院長】やはり一番は感謝の言葉です。今までいろいろな理由で在宅医療を受けられなかった方からお声をいただけると、喜びもひとしおですね。加えてありがたいのは、知り合いの方からのご紹介もあることでしょうか。大事な方の診療を任せていただけるのは素直にうれしいです。
【渡部先生】やりがいといえば、患者さんと向き合う時間の長さです。忙しい大規模病院ではお一人と対峙する時間は長くても十数分程度ですが、訪問診療ではまず患者さんのおうちの様子を観察するところから始まります。庭の手入れがされていなかったり、呼び鈴を押しても出て来られず奥からどうぞ、と返事が来たりすることで「調子が悪いのかな」とも考えます。病気だけでなく患者さんの私生活や死生観、家庭環境にふれる機会も多いです。そういったお付き合いができることは純粋にうれしく、自分も人として学べることがとても多いと感じています。

お休みの日はどのように過ごしているのでしょう。

【飯森院長】ドライブをすることが多いですね。あとは、マラソン大会のランナー抽選に当選したので、久しぶりに参加する予定です。来年2024年春の本番に向けて、体力づくりをしていきたいと思っているところです。
【渡部先生】休みの日は飯森院長同様、ランニングもしているのですが、最近はもっぱら娘と過ごす時間が休日の癒やしですね。かわいい盛りの年齢なので、買い物に行ったり、外遊びをしたり、カフェで過ごしたりと、あちこちへのお出かけを一緒に楽しんでいます。

最後に、今後の抱負についても教えてください。

飯森俊介院長、渡部勇太先生 いろはホームケアクリニック6

【飯森院長】今までどおり、患者さんの診療や、近隣の医療機関など関連する各機関との連携を継続しつつ、より地域ぐるみで人々の生活を支える体制をしっかり整えたいと考えています。同時に在宅医療の現場は人手の問題を常に抱えているので、地域の医療スタッフが長く定着し続けられるよう、無理のない診療形式も模索していきたいです。地域の方にとって垣根なく相談や連携しやすい医院となっていけたらと思っています。
【渡部先生】私はまだ入職してそれほどたっていませんが、純粋に院長が整えてくださっている今の環境がとても幸せで……。目に見える部分だけでなく社会全体のことを考える院長の方針を私自身も大事にしながら、その思いをより広げていくために自分のできることを精いっぱい務めていきたいと思います。

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