王 大光 院長の独自取材記事
ミント歯科・矯正歯科 大塚
(豊島区/大塚駅)
最終更新日:2025/05/02

大塚駅前にある「ミント歯科・矯正歯科 大塚」を訪ねた。院長を務めるのは、中国出身の王大光(おう・だいこう)先生だ。日本での生活は約20年という王院長。日本語は母国語並みの流ちょうさで、さまざまな言語にも幅広く対応。自身を「慎重なタイプ」と評価し、しっかりとした診断をするために精密な検査を行うことを重視している。同院が属する法人に入職してから学んだという小児歯科についても力を入れ、小児から高齢者まで幅広く対応できるクリニックをめざす。そんな王院長に、日本で歯科医師となった理由や、診療で大切にしていることなどを聞いた。
(取材日2025年4月18日)
父の影響を受け、中国から来日し歯科医師に
まず最初に、先生のご経歴について教えてください。

私は中国の瀋陽(しんよう)市出身です。瀋陽市は中国の東北部に位置する遼寧(りょうねん)省の省都で、人口約900万人が生活しています。北海道とほぼ同じ緯度にあるので、冬はマイナス20度くらいまで寒くなります。ただ、夏はあまり涼しくないんです。東京とさほど変わらないくらい暑くなります。私は、2004年に大学受験のために来日し、京都で半年ほど生活しました。2005年に九州大学歯学部に入学してから13年間福岡に住み、2年間大分のクリニックに勤めたのち、2020年に上京しました。初期研修後に大小それぞれの個人クリニックで経験を積めたことは、現在の治療の基礎となっています。現職の前は、ミント歯科江古田の院長として、開院にも携わりました。
なぜ日本で歯科医師になろうと思われたのですか?

もともと私の父が中国で医師をしていたこともあり、将来は医療関係の仕事がしたいと思っていました。日本に興味を持ったのは、中学生の頃です。私が入学した中学校は、地元でも有数の進学校で、入学すると英語か日本語のクラスが割り当てられます。そこで私が割り振られたのが日本語クラスでした。日本語クラスの生徒は、将来日本に関係する仕事に就くのが自然な流れとなっていて、私もその中で日本に留学することを決めたのです。歯科医師の道に進む決意をしたのは、大学入学を決めるときでした。大学入学試験は医学部と歯学部どちらも合格していたのですが、将来の働き方などを考えて歯学部を選びました。今はその決断は間違っていなかったと思います。歯科は誰にでも必要な分野ですし、私の知識を生かして多くの人の役に立てていることにやりがいを感じています。
精密な検査に基づいた診断を重視
クリニックの特徴について教えてください。

当院の患者さんは小児から高齢者まで幅広い年代の方がいらっしゃいます。その中でも多いのは、30〜50代の虫歯や歯周病の患者さんです。当院でまず行うのは、精密な検査です。通常のエックス線よりも被ばく量が少なく、3D画像で撮影可能な歯科用CTや、口腔内スキャナーを使用し、詳しく診査をします。当院で最も重視しているのは、診査をもとにした診断です。しっかりとした診断ができてこそ、治療計画が立てられます。治療の特徴は、痛みを抑えた精密な治療です。電動麻酔注射器を使用して注射の痛みを和らげたり、患部を20倍まで拡大できる歯科用顕微鏡を用いて、肉眼では見えない領域まで精密な治療を行ったりしています。また、最近は歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせでお悩みの患者さんも増えてきました。噛み合わせについては、顎のバランスが問題であることも少なくありません。顎の治療が必要な場合は、大学病院を紹介しています。
先生が診療で気をつけていることは何でしょうか。
どんなに忙しくても、手を抜かずに、できるだけきれいな治療を行いたいと思っています。きれいな治療とは、歯を削るときに形を整えたり、詰め物やかぶせ物といった義歯がしっかり合うように歯を削ったりといったことです。歯科技工士さんが義歯を作りやすくなるように歯を削ることも、こだわりの一つです。きれいに仕上がれば、患者さんが得られるメリットも多くあります。また、初期研修の頃に根管治療を得意とする先生に教わった経験もあり、歯の根っこの治療にも力を入れています。この点、当院ではマイクロスコープを活用した精密な治療が行えるので、極力歯を保存することにつなげたいと考えています。
小児歯科にも力を入れているそうですね。

はい。小児歯科も、成人と同様に虫歯の訴えがほとんどです。ただし、小児の場合は将来の成長も考え、歯並びや顎のバランスを診ることも大事にしています。必要な場合は、小児矯正の対応も可能です。小児矯正では専用の器具を作ることがあります。当法人の理事長は小児矯正の経験が豊富なため、矯正に用いる器具の作製について相談することも少なくありません。高度な技術を要する際には、理事長が作製することもあります。私は当法人に入職するまで、小児歯科の経験が多くありませんでした。しかし、当法人には経験豊富な歯科医師が多数在籍しているので、わからないことはすぐに相談できます。さらに、小児矯正の講習会があったり、院内で職種別の勉強会も月に1回あったりと、技術や知識を高める機会も多く設けられています。そのおかげで、小児歯科についても研鑽を積むことができました。歯科衛生士もとても優しい人ばかりです。
将来の状態にも関わる小児の治療や予防にも注力
小児と成人の歯の違いや、小児の診療で心がけていることについて教えてください。

まず、小児の歯、とりわけ乳歯は、成人の歯に比べて水分を多く含んでいるという違いがあります。水分が多い分、やわらかく虫歯にもなりやすい状態です。治療においても、小児の歯はやわらかく小さいので、削る範囲をより慎重に吟味しなければなりません。また、小児の治療においては、親御さんのご協力が不可欠です。いくら治療をしても、毎日の歯磨きが不十分ではまた虫歯になってしまいます。そのため、まだ自分でしっかり歯磨きできない小児の場合は、親御さんによるケアが必要なのです。そこで、当院では、お子さんの歯磨き指導時に、親御さんも一緒に聞いてもらいます。親御さんがお子さんの歯を磨く際のやり方や、お子さんが磨いた後のチェック方法なども細かくお伝えし、自宅でも十分なケアができるようにサポートすることを心がけています。
患者さん自身のメンテナンスも重視しているのですね。
そうですね。歯科医師が患者さんの口の中を診るのは、多くても数ヵ月に1回です。しかし、お口の健康を保つためのケアは、毎日行わなければなりません。ですので、歯科医院に頼りっきりではなく、患者さん自身が口腔環境を保つ努力を行うことが大切です。そのため、患者さんができるだけ長く健康的な口腔環境を維持できるよう、治療時やクリーニング時に、毎日の歯磨きで気をつけてほしいポイントを伝えるようにしています。例えば、歯並びによって歯と歯が重なっている部分では、歯磨きだけでなくフロスを使うようにアドバイスするなどです。自分では磨けているつもりでも、磨けていない部分は少なくありません。そうした箇所を口腔内スキャナーで撮影した画像を用いて説明します。口の中はよく見えないので、画像を使って説明することで、ご自分の歯の状態がどうなっているのかより理解していただきやすくなると思っています。
今後の展望についてお聞かせください。

まだまだ勉強が必要なことも多いので、これからも知識をつけて、診療できる範囲を広げていきたいと思っています。また、ここ大塚は外国の方も多く暮らしています。私は中国語と英語も話せますので、外国の方にも多く利用していただきたいですね。以前院長を務めていた江古田院から、当院に継続して来てくれている中国人の患者さんもいらっしゃいます。中国語が通じることがうれしいようで、ほとんど世間話のこともあるほどです。治療に国籍は関係ありません。お口のことでお困りの方が、気軽に頼ってくれるようなクリニックにしていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/55万円~、矯正/19万8000円~、インプラント治療/25万8500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。