村井正彦院長の独自取材記事

むらい歯科医院

(新宿区／落合南長崎駅)

最終更新日：2024/10/04

都営大江戸線の落合南長崎駅から徒歩5分の場所に位置する「むらい歯科医院」。1998年の開院以来、地域に根差した治療を長年にわたり続けているクリニックだ。温かなまなざしが印象的な院長の村井正彦先生は、口腔外科を専門にインプラント治療をはじめとする高度な治療から虫歯治療や口内炎のレーザー治療まで幅広い診療を手がけている。長年の経験をもつ村井院長は「患者に納得してもらった上で、本格的な治療に進む」ことを大切にしており、患者に対する真摯な姿勢や、時代の変化に合わせた対応が垣間見える。今回は最近の診療傾向や大事にしている患者さんとのコミュニケーション、そして長年の診療を通じて感じた地域医療のことなどについて詳しく聞いた。

（取材日2024年9月9日）

めざすのは患者が納得できる治療の提案
長年の実績が支える技術と患者第一の姿勢
患者との信頼関係を築くための丁寧な説明と治療

めざすのは患者が納得できる治療の提案

最近の診察で増えてきたと感じる診療などはありますか？

最近は特に入れ歯やインプラント治療が増えてきたと感じます。やっぱり、患者さんの希望として入れ歯ではない方法でしっかり噛んで、おいしく食べられるようになりたいという方が多いんです。そういったご要望が増えてきているので、インプラントを選ばれる方が結構いらっしゃいますね。あとは、ホワイトニングのご要望も増えてきています。幅広い年齢層から需要があって、当院では主婦の方や働いている方など、男女問わず多いんですが、だいたい20代から50代くらいの方々からのご要望があります。

具体的にはどのように提案されているのでしょうか？

当院では、治療する際に丁寧に説明して、患者さんが納得してから治療を進めるようにしています。例えば、どんなにインプラント治療が有用だとしても、患者さん自身が納得しなければやらないようにしています。インプラントが本当に必要な場合には、その理由をしっかりお伝えし、治療のメリットやデメリットを詳しく説明します。ですが、無理には勧めません。というのも、インプラントは保険が適用されないので、どうしても費用が高額になるんです。それから、患者さんそれぞれのライフスタイルや状況もあります。そういったことを考慮しながら提案するようにして、決して急がせたりはしません。場合によっては1ヵ月とか2ヵ月とか、そういった時間をかけてじっくり検討してもらうこともあります。やっぱり、患者さんに納得してもらうことが何より大切だと思っています。

ネット情報が増えた今、どのように対応されているのでしょうか？

最近はネットの情報がすごく増えているので、こちらが良いと思う治療を提案しても、ネットに書かれている方法と違ったりすると、患者さんが納得されない場合もあります。それから、「家族はこう言っているけど実際どうなんでしょうか？」とご家族からの質問を受けることもあるんです。ネットの情報は便利ですが、必ずしも患者さんの状況に合っているわけではありません。ですので、治療のことだけでなく、患者さんとのコミュニケーションにも気を配っています。少し時間がかかっても、やっぱりしっかりとお話をして、患者さんの疑問や不安を解消していくことが大切だと思っています。

長年の実績が支える技術と患者第一の姿勢

インプラント治療について詳しく教えてください。

インプラント治療については口腔外科の経験を生かし、これまでたくさんの症例に携わってきました。今でも母校で兼任講師として学生たちに教えていて先進の技術も学べるので、新しい知見を診療にも取り入れるようにしています。それから、当院の治療の特徴の一つに、大学病院に準ずるような形でやっていることがあります。具体的には、手術前の検査だったり、インプラントを入れた後の定期検診だったり。手術のときは、患者さんごとに十分な時間を取るようにしています。例えば、午前中いっぱいとり、その患者さん専用の時間を設けて丁寧に治療するようにしています。

長年通われている患者さんが多いと伺いました。

はい、当院では老若男女を問わず、長年通っていただいている患者さんが非常に多いです。最近では患者さんが私の年齢を気にかけてくれることもあります。「無理しないでください」とか、「長く続けてくださいね」といった言葉をかけてくれるんですよ。ここは住宅街で最近はアパートも増えてきていますが、昔から通ってくださる方がたくさんいらっしゃいます。患者さんとは最近あった出来事とか治療以外のことについてもお話しすることがあって、何げない会話の中でコミュニケーションを取っています。

休日はどのように過ごされていますか？

休日はゴルフをすることが好きで、だいたい30年ほどやってます。あと、家族で出かけることもありますね。ごく一般的な過ごし方ですけど、そういった時間も大切にしています。ゴルフはあまりハードではありませんが、体を動かすことができるので、楽しみながら長く続けています。

患者との信頼関係を築くための丁寧な説明と治療

患者さんとの印象に残るエピソードはありますか？

長く診療していると、患者さんの成長を見守れることですね。例えば、幼稚園生の時から通ってくれていたお子さんが今ではもう立派な成人になって、社会人になって。会社勤めで地方に転勤になったり、忙しい毎日を送っているにもかかわらず、痛い時にわざわざ当院に来てくれたりするんです。そういう時に、自分も年を取ったなとしみじみ思いますね（笑）。でも、帰ってきたら来てくれるというのは、本当にありがたいことだと思います。

患者さんへの対応で心がけていらっしゃることは何ですか？

一番心がけているのはやっぱりコミュニケーションです。今も昔も、その大切さは変わりません。どんなに優れた治療をしても、患者さん自身が納得してくれなければいけないと思っています。治療の前後でしっかりとお話をし、患者さんが感じている不安や疑問に丁寧に答えるようにしています。実際に、もう何年も前から当院に通っていただいている方が多いんですが、特に初診の患者さんには最初に時間をかけて、じっくりとコミュニケーションを取ることを心がけています。治療を始める前にしっかりとお話をし、患者さんが抱える不安や心配事に対してわかりやすく説明します。患者さんに納得していただいた上で、本格的な治療に進むようにしています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

大切なのは、信頼できる先生のところに通い続けることです。その際に、すぐに結果を求めるのではなくて、長い目で見て治療を進めていくことが重要だと考えています。特に働いている方は予約を取るのが大変だというのはよくわかります。ただ、どうしても時間がかかってしまう治療もあるんですよね。だから、結果を急がずに、じっくりと治療を続けることが必要になることもあります。それから、私がこのクリニックを閉院するのは、まだ十数年先の話ですが、その時期が来たときに、患者さんが他の歯科医院で治療を受けても問題ないようにしておきたいと思っています。後のことも考えながら、一人ひとりの治療に向き合っていますので、何か気になることがあればいつでもお気軽にご来院ください。