西田 敬司 院長、西田 聖子 副院長の独自取材記事
さん歯科こども・おとな歯科
(糟屋郡新宮町/福工大前駅)
最終更新日:2025/05/15

福岡県新宮町にある「さん歯科こども・おとな歯科」は、小児から大人まで家族で通える歯科医院として、地域に寄り添った診療を行っている。歯科口腔外科を専門とする西田敬司院長と、小児歯科を専門とする西田聖子副院長が、それぞれの専門性を生かしながら連携して行う診療が特徴。子どもが安心して通えるよう段階的なアプローチを重視し、予防から治療、矯正まで幅広く対応する一方で、大人の患者にも丁寧なカウンセリングと確かな技術で応えている。院内には家族で入りやすい広々とした診療スペースやキッズスペースの設置、洗口コーナーなど、通いやすさへの配慮が随所に光る。子どもも大人も自然と笑顔になれる、温かな同院の方針や考え方などについて、敬司院長と聖子副院長に話を聞いた。
(取材日2025年4月14日)
子どもから大人まで家族で通える地域のクリニック
開業までのご経歴や、そのきっかけを教えてください。

【敬司院長】医療全般に興味があったのですが、その中で歯科を選びました。最初は歯周病や全身疾患との関わりを深く学び、より深く患者さんの健康に関与していきたいという想いから、特に歯科口腔外科の分野で研鑽を積んできました。そして、小さなお子さんから大人まで幅広く診療したいという考えに至り、当院をこの地で開業しました。
【聖子副院長】父が歯科医師だったこともあり、自然と医療の道に関心を持ちました。ただ、子どもの頃に歯科医院で嫌な思いをした経験もあり、「怖くない歯医者さんになりたい」と思うようになったんです。小児歯科を中心に経験を積み、出産や育児の経験も経て、子どもや親御さんの気持ちに寄り添える診療をめざしています。
現在の診療体制と、注力されている治療についてお聞きします。
【敬司院長】当院では、小児から大人の方まで幅広い年代の患者さんに対応できるよう、私と聖子副院長の2人で診療を行っています。特に小児歯科や小児の矯正の相談が増えていて、聖子副院長が専門性を生かして対応する一方で、私は大人の診療と、専門である歯科口腔外科の視点から、全身の健康状態を踏まえた診療を担当しています。例えば、病気の方の治療や、抜歯などの外科処置を含む症例についても、安心して受けていただけるよう努めています。小児から始まり、成長とともに大人になっても引き続き診ていく、そんな長く寄り添える診療体制をめざしています。
家族で通えるクリニックとして、どのような取り組みを行っていますか?

【聖子副院長】「歯が生えたら通う場所」ではなく、0歳からでも安心して来院できる場所をめざしています。小さいうちは、まずは歯磨きの練習をしたり、親御さんの膝に寝てもらってケアしたりと、段階を踏んで慣れてもらうよう工夫しています。お子さんの不安を取り除くことが、結果的にご家族全体の信頼にもつながりますからね。
【敬司院長】当院では、親子が同じ空間で診療を受けられるよう、ユニット周辺のスペースにゆとりを持たせています。お子さんと親御さんが隣同士のユニットに並んで治療を受けたり、順番に診療を受けたりする中で、ご家族で通っていただくスタイルが自然と根づいてきたように思います。虫歯や歯並びなど、お子さんをきっかけに歯への意識が高まることでご家族の健康維持にもつながると思います。家庭ごとの背景やペースを尊重しながら、無理のない形で口腔ケアの習慣が身につくよう支援しています。
小児歯科の治療と小児矯正の普及にも注力
小児歯科の治療で意識していることはありますか?

【聖子副院長】小児歯科においては、初診時からすぐに治療を始めるのではなく、まずはお子さんと信頼関係を築くことが第一歩です。道具を触ってもらったり、音に慣れてもらったり、少しずつ「できること」を増やしていくプロセスを大切にしています。「うまくできなかった」とマイナスの言葉ではなく、「今日はここまでできたね」と前向きな声かけを心がけているのも、その一環です。保護者の方にもその頑張りをきちんと伝えるようにしています。治療を通して、小さな成功体験を積み重ねることで、子どもたちが歯科医院を「安心できる場所」と感じてくれるよう願っています。
小児歯科の診療では、どのようなことを保護者に伝え、共有していますか?
【聖子副院長】小さなお子さんの診療では、お子さんご本人だけでなく、保護者の方とのコミュニケーションもとても大切です。特に0歳~1歳では、虫歯リスクを下げるための生活習慣について伝える機会が多いです。例えば、おやつの与え方や食事のタイミング、水分の取り方、離乳食の工夫などですね。実際に私自身も子育てを経験していますので、「うちの子もそうでしたよ」などの言葉も交えつつ、歯磨きに慣れない時期のアドバイスをするようにしています。泣いて歯磨きができないときにどうすればいいか・磨き残しをどう防ぐかといった日常的な悩みも、気軽に相談してもらえるよう心がけています。虫歯を治すのではなく、虫歯にならない環境を一緒に整えていくことについて、保護者の方と共有できる関係づくりを大切にしたいですね。
小児矯正の進め方や、保護者への説明の工夫について教えてください。

【聖子副院長】小児の矯正に取り組む際にまず大切にしているのが、「お子さんの今の成長にとって、どんなアプローチが必要か」を一緒に整理することです。歯並びだけでなく、日常の食事の仕方や姿勢、口呼吸なども含めた生活面まで視野に入れ、お子さん一人ひとりの状態を丁寧に把握します。矯正を進める場合、家庭ごとに通院やケアのペースも異なりますので、無理なく続けられる方法を一緒に考えていきます。矯正する・しないではなく、今の時点でどうしたらいいのかを見極めるお手伝いができればと思っています。
「ここに来て良かった」と言ってもらえることをめざす
一般歯科ではどのようなお悩みが多いですか?

【敬司院長】お子さんの治療をきっかけに、親御さんやご家族の方が通い始めるケースが多いですね。中でも多くの方に相談いただくのは、歯周病や知覚過敏に関するお悩みです。歯茎の腫れや出血、歯がしみるといった症状で受診される方が増えており、まずはご自身の口の中の状態を知っていただくことから始めています。歯周病のケアには日々の歯磨きが不可欠ですが、「磨いているつもりでも実は磨けていない」という方も少なくありません。例えば、毎日3分磨いていても実際には汚れが残っていた、というケースも多いです。当院では日常の歯磨きを見直す機会として、歯ブラシの使い方や磨く時間帯、力の加減などを具体的にお伝えしています。気軽なきっかけからでも、ご自身のケアを見直す機会になるといいなと思います。
院内の設計や設備のこだわりについて教えてください。
【敬司院長】お子さんが通いやすい雰囲気を大切にし、温かみのある色合いや開放感のあるレイアウトを採用しました。キッズスペースは広めに設け、保護者の方からも目が届きやすいよう配慮しています。洗口スペースを設置してお子さんが自分で歯磨きする習慣を身につけられるようにしたり、矯正ではCTや頭部エックス線を活用して成長の記録を残したりなど、年齢や目的に応じた設備を整えました。通うことが前向きな気持ちになれるような習慣になればと、院内全体でサポートしていきたいです。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

【敬司院長】開業当初から大切にしてきたのは「ここに来て良かった」と思ってもらえる歯科医院であることです。治療内容を押しつけるのではなく、まずは患者さんの声に耳を傾ける。私たちができることと患者さんが求めることの接点を見極めながら、その方にとってちょうど良い歯科診療を届けていきたいです。今後も「家族皆で安心して通える歯医者さん」として、より良い環境づくりに努めます。
【聖子副院長】小児歯科の現場では、虫歯になってから来るのではなく、虫歯にならないために通う場所であるという意識が、もっと広がっていってほしいと感じています。0歳から気軽に来てもらって、「歯磨きができない」「食べ方が気になる」など、どんな些細なお悩みでもご相談していただければと思います。お子さんと一緒に、歯の健康について前向きに取り組んでいける場をこれからも大切にしていきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正(マウスピース型装置)/5万5000円~、矯正(ワイヤー矯正)/33万円~