江本 正樹 院長の独自取材記事
グレーススキンクリニック
(岡山市北区/柳川駅)
最終更新日:2025/08/22

患者一人ひとりにとって「適切な医療」とは何か。その答えを日々の診療の中で追求し続けているのが、岡山県岡山市にある「グレーススキンクリニック」の江本正樹院長だ。形成外科・美容医療・保険診療・自由診療、それぞれの現場で培った豊富な経験をもとに、機能と美しさの両立をめざした医療を提供している。カウンセラーを介さず、医師自らが最初から最後まで丁寧に向き合う診療スタイルも特徴の一つ。症状の本質を見極め、その人にとって本当に必要な治療だけを適切に提案することを大切にしている。落ち着いた空間づくりから施術時のこまやかな配慮まで、すべては「安心して通える場所」であるために。そんな江本院長の思いと実践に迫った。
(取材日2025年7月6日)
機能と美しさを兼ねた「患者主語」のクリニック
まずは先生のご経歴から教えてください。

川崎医科大学を卒業後、川崎医科大学附属川崎病院(現・川崎医科大学総合医療センター)、岡山医療センター、川崎医科大附属病院などで形成外科医として経験を積みました。その後、美容外科に関心を持ち、東京や大阪の美容外科クリニックで院長を務め、自由診療を中心とした医療機関でも勤務をしてきました。いったん形成外科に戻ったのですが、やはり美容医療の道に進みたいと2019年に「グレーススキンクリニック」を開業しました。
開業を決められたきっかけは何だったのでしょう。
自由診療と保険診療、両方の現場でさまざまな症例を経験し「どちらか一方の診療だけでは患者さんのニーズに応えきれない」という思いが長くありました。それぞれの分野だけで診療することの限界を感じていたことが開業を決めた理由の一つです。例えばニキビで困っている方の場合、保険診療だと塗り薬や飲み薬が主になります。一方で自由診療だとピーリングなども提案できます。当院では薬である程度症状を抑えて、その後、さらにきれいになりたい方に自由診療をお勧めするのが理想だと考えています。自由診療と保険診療の「いいとこ取り」をした、自分の理想とする医療をかたちにしたかったんです。「患者さんにとって最善の医療を選べる場をつくろう」と思い、開業に至りました。
開業にあたっては「駅近・通いやすさ・心地良さ」を重視されたとか。

クリニックは岡山駅から徒歩圏内にと考えていました。倉敷ではなく岡山を選んだのは「どこからでも来やすい立地」だから。診療後もそのまま用事が済ませられたり、買い物に行くことができたりと、地域の皆さんの普段の生活エリアの中に開業することを重視しました。キーワードは「駅近」「通いやすさ」、そして「心地良さ」です。ですから、院内のインテリアにもこだわりました。圧迫感を感じずに落ち着いていただけることを第一に、例えば、待合室は椅子が横並びではなく、好きな場所に座っていただけるようにしています。処置室は5部屋、手術室1部屋、カウンセリングルーム2部屋と、ほかの患者さんと極力顔を合わせずに済むようにプライバシーに配慮した設計にしました。落ち着いた空間でこそ、患者さんがリラックスして本音や悩みをちゃんと話していただけると考えています。
医療は接客業。注射一つにもこまやかな気配りを
こちらでは先生がすべての診療工程に対応する方針だそうですが、その理由は?

「親切丁寧に皆さまの美しさを引き出すお手伝い」。これは、クリニックのホームページにも記している当院のモットーです。そして、開業以来心がけているのは、その人に本当に必要なレベルの治療を必要な分だけ提供すること。患者さんにとって「本当に意味のある選択」をしていただくために、当院ではカウンセリングをとても大切にしています。あえてカウンセラーを置かず、最初から最後まで医師が責任を持って対応をするシステムを採用し、患者さんと一緒に治療方針を決めています。カウンセリングで大切にしていることは、できるだけ専門用語を使わず、わかりやすい言葉で伝えること。患者さんが一番気にされるのは「ダウンタイム」と「腫れ」と「痛み」ですから、インターネットの動画共有サービスやSNSを見て来院された方にも、メリットだけでなく、不安材料に関してもしっかり説明し、納得して治療に臨んでもらえるようにしています。
診察をする上で心がけていることを教えてください。
形成外科医としての経験を生かし、美容医療においても「見た目」だけでなく医学的な観点からのアプローチを大切にしています。また、丁寧にわかりやすく納得をしていただけるまで説明をすることはもちろんですが「医療は接客業である」という意識を忘れないようにスタッフにも常に伝えています。患者さんと接するすべてのスタッフが、思いやりのある対応を心がけ、来られた方が安心して過ごせる空気感をつくること。それは治療の質そのものにも直結すると思っています。「患者さんとはより丁寧に向き合う」という方針をクリニック全体で共有し、ほっとリラックスできる空間になるよう努力をしています。それと、私自身、痛いのが本当に苦手なんです。だからこそ、患者さんにもなるべく痛い思いはさせたくないなと思っていますね。注射一つにしても、麻酔の仕方を工夫したり、声かけを丁寧にしたり、少しでも不安が和らぐように心がけています。
現在、力を入れている治療は何ですか?

夏になると多汗症やわきがを気にされる方が多くなります。当院では多汗症の治療に用いられる先進のマイクロ波治療器を導入しています。この治療器は汗や臭いのもとになる汗腺にマイクロ波を照射して破壊する仕組みなのですが、一番のメリットは皮膚を切らずに治療ができるため、体への負担が少ないことです。従来は切開して汗腺を取り除く手術が主流だったので、ダウンタイムもあって痛みも大きく、悩んでいても一歩を踏み出せない方が多かったように思います。その点、このマイクロ波治療器は麻酔で痛みの軽減を図るため体への負担も少なく、治療後もすぐに日常生活に戻っていただけます。この機器を使って治療を行っているクリニックは、全国的にもまだ少ないため、県外など遠方にお住まいの方にも、ぜひお試しいただきたいですね。治療時間は60分ほど、準備時間を入れても90分ほどで完了することもメリットといえると思います。
「医療は患者のためにある」という信念
どのような患者さんが来られていますか?

本当に幅広い年齢層の患者さんに来院いただいています。保険治療の範囲でいうと、10代のニキビに悩む子から、粉瘤、ほくろ、イボ、眼瞼下垂症など来院目的はさまざまです。SNSやインターネットの動画共有サービスを見て、「この機械の施術を受けたい」と来られる方も多いです。私が医師をめざした原点は、「社会や人の役に立つ仕事がしたい」という思いです。最初に形成外科を選んだのも、見た目の回復を図り、患者さんを笑顔に、元気にできたらと考えたから。その思いは、美容医療に携わる今も変わりません。皆さんに頼っていただける医師、クリニックになれるよう、これからも力を尽くしていきたいです。
これからはどんな方に来ていただきたいですか?
特にこんな方にというのはありません。悩みをお持ちであればカウンセリングだけでも足を運んでいただきたいと思っています。ですが、「他院で治療を受けたけれど、ちょっと納得がいかなかった」とか、「もう少し別の方法を試してみたい」という方には、ぜひ一度相談に来ていただけたらと思います。形成外科と美容医療の分野で長く経験を積み、幅広く診られるのが、私たちの一番の強みだと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

初めての美容医療は不安なことばかりだと思います。しかし、当院では医師が最初から最後までしっかりお話を聞いて、一人ひとりに合った無理のない治療だけを提案しています。「こうなりたいけど、どうしたらいいかわからない」「ずっとコンプレックスを抱えている」という方こそ、ご相談いただきたいと思います。きちんとリスクを説明し、不必要な治療は勧めません。理想を共有しながら患者さんにとって「ベストな治療」を一緒に見つけられればと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはピーリング/5500円、マイクロ波による原発性腋窩多汗症の治療/20万円~