藤岡 直也 院長の独自取材記事
ふじおか歯科・矯正歯科
(岡山市北区/岡山駅)
最終更新日:2024/10/23

岡山駅西口から大通りに沿って北へ9分ほど歩くと、看護専門学校のあるビルの1階に「ふじおか歯科・矯正歯科」がある。隣接する岡山済生会総合病院の駐車場が使用できるので、自家用車での通院にも便利だ。2016年5月に同院を開業した藤岡直也院長は、虫歯・歯周病などの一般歯科、定期検診、クリーニングといった保険診療から、矯正、インプラント、審美歯科などの自由診療まで幅広くカバー。先進的な医療設備を駆使し、徹底した滅菌消毒を心がけながら「一口腔一単位」をモットーとする診療を実践している。治療の傍ら、最新の知識と技術を追求するため、勉強会やセミナーに参加し、歯科医師に向けた講演なども行っている藤岡院長。クリニックの取り組みや診療理念について語ってもらった。
(取材日2024年9月17日)
地域貢献がしたいという思いから地元で開業
歯科医師をめざしたきっかけと、開業に至った理由をお聞かせください。

自分が将来何になりたいかと考えた時、自己のスキルアップ次第で可能性が広がっていくような職業に就きたいと思いました。その中で歯科医師が良いかな、と思うように。といっても家族や身内に歯科医師がいたわけではありません。ちょうど自分の進路について考えていた時期に、歯科医師が主人公のテレビドラマが放映されていて、主役の俳優が格好良かったせいかもしれません(笑)。大学を卒業後は、大阪府内で勤務医をしていましたが、自分で裁量や責任を持ち患者さんに関わっていきたいという思いから、いずれは開業しようと思っていました。開業にあたっては、地域貢献がしたいと強く思っていたので、生まれ育った地元を選びました。
内装がとてもきれいで歯科医院らしくない雰囲気ですが、設計や内装でこだわった部分はありますか?
カフェや美容院のような、その場にいてくつろげるような印象にしたいと思い、設計士さんと相談しながらデザインを決めました。歯科医院というのは不安や緊張を感じてしまう場所だと思うので、そういった気持ちを少しでも和らげられるような雰囲気にしたいと思いました。その一方で、診察室がオープンスペースだと、開放感はありますが患者さんへの説明がほかの方にも聞こえてしまうので、そうならないように、診察室は個室にしました。カウンセリング・ルームも設けていますが、診察室が個室ならその場で説明ができますから。診察室は6室あり、歯科医師は僕を含めて常勤4人、非常勤1人という体制で診療を行っています。
どのような患者さんが多いですか?

場所柄もあるのか、年齢層に偏りはないですね。乳幼児から学生さん、働いている世代からご高齢の方まで、幅広く来られています。お父さんお母さんと一緒に、乳歯が生え始めたばかりのお子さんが定期検診でいらっしゃることもあります。診療内容としては、数ヵ月に1度の定期検診のほかに、矯正治療とインプラント治療が多いですね。オープンしたばかりの頃はそうでもありませんでしたが、ここ4〜5年で増えてきました。新型コロナウイルス感染症の流行でマスクをつける期間が長かったので、その間に矯正しておきたいとか、旅行や外食を控えたために空いた時間や浮いた費用を健康や美容のために使おうという方が増えたのかもしれません。
生涯で通う最後の歯科医院でありたい
初診の方はどのような流れで診察するのですか?

まず患者さんが訴えている症状、痛い所の処置を優先的に行います。その上でほかにも何か問題があるような場合は、患者さんにご説明して、もし望まれるようであればその治療をするという流れですね。治療に際しては、いきなり歯を削ったりするようなことはありません。あらかじめ必要な説明を行い、了承を得てから治療を開始します。またカウンセリングや説明については、できるだけわかりやすい言葉遣いで、不明点や気になることを患者さん側から質問しやすい雰囲気をつくるようにしています。また言葉の説明だけでなく、口の中の写真やエックス線画像などを診療台に設置したモニターでご覧いただき、視覚的にもわかりやすい説明を心がけています。
クリニックとしての理念や方針はありますか?
多くの方にとって、生涯で通う最後の歯科医院でありたいと思っています。きっかけとなる治療に関しては、再治療の必要が極力ないように治療し、その後は定期検診を通してお付き合いをしながら、生涯を通じて患者さんの健康を見守っていきたいですね。若い方であれば、将来歯を失ったりしないように、そしてすでに何本か失ってしまったという高齢の方であれば、ちゃんと食事ができて、しかも見た目も良くなるような治療をしていきたいです。ただ悪いところを治療するだけでなく、見た目の印象も大事ですから。そういった期待に応えられるような治療をめざしています。スタッフとも同じ思いを持ちながら、日々の診療にあたっています。
医療スタンスとして「一口腔一単位」を掲げていらっしゃいますが、どのような意味ですか?

これは欧米の歯科医療では昔からある考え方で「症状のある部分だけを治療するのではなく、口の中全体の健康を保ちながら治療する」という意味です。例えば1本の歯が痛いという場合、その歯だけを治療すれば済むケースもありますが、ほかの虫歯や口の中全体の歯周病が原因としてある場合、そちらの治療をしないとまた別の歯が痛くなる可能性もあります。そういった口の中全体の状態を見ながら、総合的な治療を行うことが「一口腔一単位」です。建築に例えれば、無計画な建て増しを繰り返してツギハギの建物を作ってしまうのではなく、最初から全体を見渡して、連続性があり機能的にもバランスの良い建物を事前に計画して完成させるようなイメージです。
歯を治すのは手段。目的は健康な食生活を送ること
医療設備にもこだわっているところはありますか?

歯科診療の分野でもデジタル化が進んでいて、例えばかぶせ物なども昔は歯型を採って作っていましたが、現在は口の中をスキャンしたデータから作ることができます。そういった先進的な治療を実現するためには、やはり新しい機器の導入が不可欠です。また、当院の歯科医師は全員歯科用ルーペを常に使用しています。肉眼では確認しづらい細かい部分もはっきり見えるので、より精度の高い治療が可能になります。さらに高倍率で見る必要がある場合はマイクロスコープを使用しますが、普段の治療ではルーペで十分です。滅菌消毒にもこだわり、使い捨てでないものはすべて消毒しています。世界基準の高圧滅菌機に加えて、その前段階での洗浄にはジェットウォッシャーという機械を使用し、乾燥した上で滅菌器に入れているので、よりしっかりと滅菌できていると思います。
体成分分析装置も導入されているそうですが、どんなときに使用しているんですか?
ご高齢の方の場合、歯を失ったためにあまり食事が取れなかったり、高齢だから肉や魚はあまり食べなくても良いだろうという思い込みから栄養のバランスが崩れ、その結果筋肉量が減ってしまったりすることがあります。筋肉量が減ると、転倒時などに骨折もしやすくなるので、高齢になってもタンパク質を十分に接種する必要があるんです。そういったことを言葉で説明するだけでなく、数値化して提示するために、高精度体成分分析装置を導入し、治療の前後や定期検診の際などに体の組成を測定しています。歯科医院に通うのは「歯を治すのが目的」だと思われがちですが、歯を治すのはあくまで手段であり、目的は「ちゃんと食事ができて健康な食生活を送れるようにすること」なんです。当院ではそのことを何より大切に考えています。
それでは最後に、クリニックとしての今後の展望と、読者に向けたメッセージをお願いします。

基本的には、今後も現在のスタンスでの診療を続けながら、よりクオリティーや満足度の高い治療をめざしていきたいです。歯科治療は基本的に1回で完結することは少ないので、距離的に通いやすいところを探すことが多いと思うのですが、当院で治療したいと、少し離れたところからも通っていただけるようなクリニックでありたいと思っています。中でも矯正とインプラント治療に関しては、これまでに多様な症例の治療を経験し、全国の歯科医師向けの勉強会やセミナーでの発表も数多く行っていますので、ぜひ安心して任せていただければと思っています。これからも信頼される診療の実現をめざしていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/30万円~、インプラント治療/40万円~、審美歯科(ホワイトニング)/3回コース4万円