笠原 洋史 院長の独自取材記事
かさはら歯科医院
(宇都宮市/宇都宮駅)
最終更新日:2024/11/26

宇都宮駅より車で約5分のところに位置する「かさはら歯科医院」。院内は清潔感のある白とベージュを基調としており、窓からは心地良い自然光がたっぷりと差し込んでいる。同院を率いる笠原洋史院長は、大学卒業後にインプラント治療に注力しているさいたま市の波多野歯科医院で約8年研鑽を積んだ後、自身が生まれ育ったこの町で、2005年に開業。歯内治療にも注力し、現在は「歯を残すための治療」を心がけている。「最初はインプラント治療が専門でしたが、今では歯を残すための治療がメインなので、立場が逆転しました」と話す笠原院長。しかし、歯科治療にかける想いは揺らぐことなく、現在でも定期的にセミナーや講習を受講し、新しい技術の習得に余念がない。仕事が趣味と語る笠原院長に、歯内治療に対する考え方や患者への思いを聞いた。
(取材日2024年10月16日)
インプラントから、歯を残すための治療まで幅広く診察
まずはクリニックの特徴を教えてください。

当院は、宇都宮駅から車で5分ほどの場所にあり、中高年の方をメインに、3歳から90代の方まで幅広い年齢層の患者さんにご来院いただいています。生まれ育ったこの地で地域に根差した診療を行うことを決め、2005年に開業しました。最初はインプラント治療をメインにしていましたが、現在はマイクロスコープを用いた歯内治療、つまり「歯を残すための治療」に力を入れています。実際に患者さんからお話を伺うと、歯の根の治療に悩んでいる方が多くいらっしゃるんです。できる限り自分の歯を残していただきたいと思っているので、そのために最大限の努力を尽くします。それでも治療が難しい場合には、インプラント治療を提案するようにしていますね。歯の根の治療で困っている方は、抜歯せざるを得ない状況になる前に、ぜひ一度当院に足を運んでいただきたいです。
なぜマイクロスコープ治療に興味を持ったのでしょうか。
インプラント治療も優れた治療方法ですが、やはり自分の歯を残すことが患者さんにとっては一番だと思ったからです。最初からインプラント治療ありきではなく、歯を残せなかったときの一つの方法としてインプラント治療があると考えています。これまでは経験と勘に頼って治療することが多かったのですが、マイクロスコープを使用することで、より正確な診断と精密な治療を追求することが可能となりました。また、マイクロスコープを用いて診察すると、歯の根の状態や治療の状況を高倍率で確認し、記録することが可能です。記録した画像は患者さんも確認できるため、問題点や認識を共有しながら、安心して治療に臨んでいただくことができます。
衛生面にも非常に気を使っているそうですね。

新型コロナウイルス感染症が流行する前から、患者さん一人ひとりに専用の器具を使うなど、徹底した対策を行っていました。これは、私自身が子どもの頃、歯科医院に対してマイナスなイメージを持っていたからです。衛生面に気を使うことで、安心しながら治療に臨める環境を整えたいと思っています。現在は、高性能な滅菌器を導入しているほか、治療に使用するもの以外は診察台に並べない、根の治療器具は指定のケースに入れて滅菌後使用する、などのルールを徹底。まだまだ改善の余地はありますが、患者さんが安心して治療を受けられるよう、できる限りのことをしています。
患者が納得した上で治療を開始するプロセスを重要視
患者さんと接する際に大切にしていることは何でしょうか。

治療方針を決定する際に複数の選択肢を提示し、患者さんが納得できる治療法を選べるようにサポートしています。また、私は歯科医師と患者さんの関係性を大切にしており、「患者さま」ではなく「患者さん」として向き合っています。歯科医療をサービス業として捉え、患者さんの希望に応えるケースもありますが、当院では必ずしもすべての希望を実現できるわけではありません。もちろん患者さんの希望はすべてお伺いしますが、私は歯科医師として医学的な視点から最適な選択肢をアドバイスしたいと考えています。そのため、私を信頼して任せられる部分はお任せいただきたいのです。ただし、最終的な治療方針の決定は患者さん自身に委ねますので、じっくり話し合いながら進めていきたいですね。
大切にされているお考えの一つである「インフォームドコンセント」について、ご説明いただけますか?
「インフォームドコンセント」とは、患者さんの困り事や既往歴、現病歴を丁寧にお伺いし、それをもとにいくつかの治療法を提示し、患者さんが納得した上で治療を開始するプロセスを指します。私は一人ひとりの患者さんとじっくり向き合いたいと考えているため、当院は完全予約制。初診は1時間、通常は30分ほどの診療時間を設けているため、ゆったりとした気持ちで治療を受けていただけます。
クリニック内の設備も充実していますね。

診断、説明、手術、治療と、それぞれのフェーズで必要な設備を導入しています。インプラント治療に関する設備を充実させているほか、歯内治療ではマイクロスコープを活用することで、より精密で質の高い治療が可能になりました。患者さんにより良い治療を施したいという理由ももちろんありますが、自分自身のスキルアップのための“武器”としても導入しています。設備を整えることで、安全性と正確さを追求するのみならず、医療の充実を通じて患者さんにもメリットを還元していきたいですね。
歯の生え方は人それぞれ。だからこそ、学び続ける
歯科医師をめざしたきっかけと、開業までのご経歴を教えてください。

私は小学生の頃から将来は医学関連の職に就きたいと考えていました。幼少期はおじいちゃん・おばあちゃんっ子で、ずっと一緒にいたのですが、その祖父母から「将来はお医者さんになりなさい」と刷り込まれていたんです。また、祖父母が病気で苦労している姿を間近で見ていたこともあり、それがきっかけとなり、医学の道に進むことを決意しました。日本歯科大学新潟歯学部を卒業した後、さいたま市にある波多野歯科医院に入職。約8年間勤務したのですが、そこでインプラント治療と出合いました。波多野歯科医院はインプラント治療にとても力を入れているクリニックで、経験豊富な先生方の施術を間近で見て、私も「こうなりたい!」と強く感じ、置いていかれないように日々勉強に励みました。ここでの経験が、積極的な設備投資やセミナーへの定期的な参加につながっているのだと思います。
今のお話にもありましたが、現在もさまざまなセミナーや講習に参加されていますね。
新しい知識を学ぶことは大切だと考えているからです。一人ひとり歯の生え方は異なりますよね。だからこそ画一的な治療方針ではどうにもならず、引き出しがたくさんないとカバーできないのです。そのため日々勉強を続け、新しい情報をキャッチアップしなければならないと思っています。モチベーション高く続けられるのは、「仕事=趣味」だからです。純粋に歯科医師としての仕事が楽しいですし、満足いく治療ができた時は、心の中で喜びます。また、臨床の姿勢として「樽(たる)いっぱいのワインに一滴の泥水を入れれば、それは、樽いっぱいの泥水になる」という言葉を掲げています。このメッセージをおっしゃっていた先生は、歯科治療を突き詰め続けており、いわば歯科医師というより職人に近い存在です。私自身も職人気質があるため、この言葉には非常に感銘を受けましたね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯科医院を選ぶ際には、やはり「人と人との関係」が大切だと私は思っています。SNSや看板だけで判断するのではなく、実際に話をして、先生との信頼関係を築けるかを見極めてから選んでほしいですね。八方美人すぎる先生ではなく、ある時には厳しいことを言ってくれる先生のほうが信頼できるのではないでしょうか。当院では、患者さん一人ひとりに丁寧に向き合うことを大切にしています。歯科医師としてしっかりアドバイスさせていただきますので、最善の治療方法を一緒に見つけていきましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/埋入手術1本:33万円~、上部構造(かぶせ物)1本:5万5000円 ※症例により異なります