早期発見と治療継続が肝要な生活習慣病
経験豊富な医師に相談を
川口クリニック
(生駒市/学研奈良登美ヶ丘駅)
最終更新日:2025/09/29


- 保険診療
日本人の死因の上位を占めるがん、心疾患、脳血管疾患。これらを三大生活習慣病と呼ぶ一方で、患者数が非常に多いといわれている生活習慣病が、高血圧症、高脂血症、糖尿病だ。生活習慣病の患者が手術を受ける際には、合併症に細心の注意を払う必要がある。また、手術前後には食事や服薬が制限されるため、医師による適切なコントロールやケアが必要不可欠となる。「川口クリニック」の川口雄才(かわぐち・ゆうさい)院長は、外科の医師として40年以上のキャリアを持つベテラン医師。生活習慣病患者のがん手術も数多く手がけ、そのコントロールに精通している川口院長に、生活習慣病の治療や検査、注意点について詳しく聞いた。
(取材日2025年8月27日)
目次
早期発見と、医師との密な連携による生活習慣の改善で、投薬不要な状態をめざす
- Q生活習慣病には、どのような疾病がありますか?
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A
▲「一期一会」を大切に、穏やかな物腰で、患者に真摯に向きあう
生活習慣病の中でも患者数が多いのが、高血圧症、高脂血症、糖尿病です。また、飲酒や喫煙習慣、メタボリック症候群と関係した、脂肪肝や肺気腫なども生活習慣病です。高血圧症、高脂血症、糖尿病は、ご高齢の方の多くが罹患しやすいものになっています。また、そういう方はがんになりやすいと私は考えています。原因には遺伝的要素もありますし、食生活も関係しています。ほとんどのものが初期段階では自覚症状がなく、気づいたら病気が進行してしまっているということも少なくありません。健康診断などで数値が少しでも気になるようであれば、症状が出る前に受診していただくことをお勧めします。
- Q生活習慣病は、合併症の発症リスクも高いとお聞きしました。
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A
▲40年以上の外科医としてのキャリアの中で、生活習慣病にも精通
私は外科医ですが、なぜ生活習慣病に詳しいかというと、がんなどの手術の際に生活習慣病の合併症に注意する必要があるからです。例えば、高血圧症があるのに手術をすると、脳出血や心筋梗塞などを起こす恐れがあります。また、手術前後は絶食しますので、生活習慣病の薬も飲めません。糖尿病をうまくコントロールできないままに手術をすると、絶食や食事の再開時に、インシュリンの傾向が変わってしまいます。ですから、手術前からそれらをコントロールしていくことが医師に求められるのです。肝硬変の場合でも同じことがいえます。一方で、緊急手術の場合は、こうした事前のコントロールができないという点で救命率が下がってしまいます。
- Qこちらでは生活習慣病に対しどんなアプローチをされていますか?
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A
▲数値に異常など気になることは気軽に相談できる雰囲気づくりも
高脂血症、糖尿病の患者さんや血圧が高い人には肥満の方が多いので、一番気にしなければならないのは体重のコントロールです。アプローチとしてはまず、体重を落とすための食事管理と運動の指導を行います。とはいえ、治療において肉を食べてはいけないとか、あれは駄目これも駄目というと、患者さんのストレスになって逆効果になることもあります。ストレスは病状に影響してきますから、患者さんに寄り添いながら、100%禁止するのではなく量を少しだけ減らすなどして改善をめざします。投薬についても基準はありますが、患者さんの症状を診て、生活習慣の見直しと併せて投与を判断しています。
- Q検査・治療はどのように進むのでしょうか。
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A
▲内科的知識と外科的手技を駆使できるところが診療の大きな特徴
一般的には3ヵ月までの長期処方は可能ですが、私としてはあまり間を空けると状態がわからなくなるので、1ヵ月に1度は受診してもらいたいと思っています。体重のコントロールをメインにした投薬に加えて、生活習慣を変えてもらうための指導を行い、投薬が不要になるのが最終目標です。当院では、採血、心電図、エックス線、エコーなどの検査が実施可能です。CTやMRIが必要な人は、画像診断クリニックと連携し、画像を撮ってきてもらい診断します。コレステロール値が高い人は、頸動脈エコーを使ってプラークの確認も行います。
- Q健康診断の結果を受けて受診される方が多いのでしょうか。
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A
▲豊富な経験から緊急性の有無を触診などで素早く判断
はい。要再検査と指摘されて受診する人がほとんどだと思います。とはいえ、ただ血糖値やコレステロール値、血圧が標準より高かったからというだけで受診する人は、まだ少ない印象です。体がだるいとか、尿が濁るとかの自覚症状が出てきてから慌てて来る方はいらっしゃいますね。受診した時はまだ軽症だったけれど、後に症状が進んで戻ってくる方もおられます。そうなる前に、少しでも数値に異常がある方が来てくださったらうれしいのですが。そのための健診ですし、年に1回は受けていただき、数値に異常があればすぐに受診していただくということをお勧めしています。