政次健院長、政次朝子副院長の独自取材記事

まさつぐクリニック

(寝屋川市／香里園駅)

最終更新日：2025/06/10

新旧入り混じった街並みが魅力の香里園駅すぐにある「まさつぐクリニック」は、内科・糖尿病内科・甲状腺内科・内分泌内科・皮膚科・美容皮膚科を診療し、内科担当の政次健院長と皮膚科担当の政次朝子副院長が力を合わせて地域医療への貢献をめざすクリニック。美しいブルーのカラーリングが施された院内には、パソコンで作業するスペースが設けられるなど、患者の時間を無駄にしないための配慮が光る。開業まで京都大学附属病院や関連病院で研鑽を積んできた2人だからこその高い専門性に加え、地域に暮らす人々の心に寄り添う温かな対応が特徴の同院。患者の不安や悩みに耳を傾ける2人に、クリニック開業の経緯や診療について詳しく話を聞いた。

（取材日2025年5月21日）

専門分野を生かし、質の高い内科診療を提供
内科とも連携し、患者の願いをかなえる皮膚科診療を
対話を大切に、誰かの力になることをめざして

専門分野を生かし、質の高い内科診療を提供

まずは、開院の経緯から聞かせてください。

【健院長】開業は、副院長である妻が「一緒に開業しよう」と誘ってくれたことがきっかけです。私は大学卒業後、京都大学の大学院で高血圧を中心に内分泌疾患の臨床と研究に従事し、その後は関連病院で糖尿病、甲状腺、副甲状腺、下垂体疾患、副腎疾患などの内分泌疾患の臨床を主に行ってきました。仕事にはやりがいがあり、充実した毎日でしたが、将来のことを考えた時に「自分が働く背中をわが子に見せたい」という気持ちが芽生えていました。そこで思いきって開業し、副院長と2人で頑張ろうと決断しました。
【朝子副院長】私は大学を卒業後、京都大学病院皮膚科医局に入局し、関連病院で研鑽を積んできました。経験を積むほどに、患者さんの悩みにより近い場所で診療をしたいという思いが強くなり、開業を決意。院長を誘ったのは、1人よりもやはり心強いと思ったからです。実際に診察で協力できることも多く、この決断は正解だったなと思っています。

それでは、まず内科について聞かせてください。

【健院長】内科ではインフルエンザや新型コロナウイルス感染症などの感染症治療、風邪症状、高血圧、高脂血症、糖尿病等の生活習慣病に関する診断と治療を中心に行っています。先ほどお話ししたとおり、高血圧については大学院で専門的に研究していましたので得意としており、より専門的な治療が可能です。また、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医なども取得していますので、バセドウ病や内分泌疾患の相談にも対応しています。原因がわからない体調不良が続いている場合、内分泌ホルモンの異常によって引き起こされていることもあります。薬物治療や手術で症状の改善が図れることもあるので「おかしいな？」と感じることがあれば、まずは相談していただければと思います。

内分泌疾患について、詳しく聞かせてください。

【健院長】人間の体は、体内で分泌されるホルモンによってさまざまな機能が調整されています。ホルモンは、多すぎても少なすぎても問題で、少なければうまく働かず、多ければ過剰に作用してしまいます。通常は体内でうまくバランスを保っていますが、疾患やストレスの影響でその調整機能が乱れることもあります。内分泌内科の役割は、ホルモンが正常に分泌されているかを診断し、その量を適正な範囲に整えることだと思っています。ホルモンは全身のさまざまな器官から分泌されるため、全身の疾患や多様な症状と深く関係しており、しばしば診断が困難です。当院では、病院勤務で培った質の高い診療経験と、クリニックならではの相談しやすさの両立をめざしています。

内科とも連携し、患者の願いをかなえる皮膚科診療を

診療の際に心がけていることはありますか？

【健院長】患者さんが自覚している症状や実際に困っていることについて丁寧に聞き取ることはもちろんですが、それ以外にも患者さんとはよく話すようにしています。医療とは単なる知識や技術ではなく、その人が持つ背景を含めてしっかりと聞き取ってこそ、初めて意味のあるものではないかと思います。病気には必ず原因があり、その原因が何なのかをひもとくためには、やはり話をすることが大切だと思います。診療時間には限りがありますから、毎回十分にとはいかないかもしれませんが、できる限り患者さんのお話を丁寧に聞き、気になることは質問して患者さん自身を理解するように努めています。病院ではすべての診療が細分化されているので、患者さんとゆっくり話す機会はほとんどありませんでした。ですから今、患者さんと話せることが喜びの一つでもあるのですよ。

皮膚科についてはいかがですか？

【朝子副院長】皮膚科では小さなお子さんから高齢の方まで、幅広い皮膚のお悩みに対応しています。アトピー性皮膚炎やニキビの相談も多く、中高生の患者さんも多いですね。最近では症状が軽いうちに受診してくださる親子が多い印象ですね。悪化する前にいらしていただくことで、治療も簡単なものからスタートできると思います。また、立位型ナローバンドを導入していますので、全身照射可能です。アトピー性皮膚炎はもちろんですが、尋常性乾癬の皮疹や尋常性白斑、掌蹠膿疱症などでお悩みの方は一度ご相談ください。また必要に応じて血液検査や皮膚生検にも対応しています。アレルギー検査では甲状腺の数値も確認するなど、内科疾患が皮膚症状に出ている可能性も気をつけて診ています。

副院長は、診療ではどのようなことを心がけていますか？

【朝子副院長】患者さんのニーズを丁寧にすくいあげていくことです。皮膚は目に見える部分ですから、治療経過は患者さんの心とリンクしているものだと思います。医学的根拠に基づいた治療を行うことがまずは大切ですが、同時に日々のスキンケアの方法を丁寧にお伝えしたり、自費診療の美容皮膚科でできることを説明したりしながら、患者さんの気持ちがパッと晴れるような治療をめざしたいと思っています。私自身も幼少期からアトピー性皮膚炎に悩んできましたので、肌のコンディションが整わない時どのような気持ちになるかはよくわかります。すぐに治らない疾患でもあっても、今よりもいい状態にできるように心を尽くしていきたいです。

対話を大切に、誰かの力になることをめざして

ともに診療をしていて改めて気づく、お互いの良いところはどのようなところですか？

【朝子副院長】院長はとにかく患者さんのことをよく覚えていて、家族構成や趣味など「いつの間にそのようなことまで聞いていたの？」と思うほどです。皮膚科と内科の両方を受診される方も多く、そうした情報が皮膚科の診療に役立つこともあります。院長の傾聴力には、私もいつも感心しています。
【健院長】内科と皮膚科の疾患は関連していることが多く、例えば糖尿病や甲状腺ホルモンの異常が原因で、乾燥やかゆみといった皮膚症状が出ることがあります。一般的な内科では保湿剤を処方する程度ですが、副院長がいることでより丁寧な対応が可能です。声かけも明るく前向きなので、内科治療中のつらさも和らぐのではと感じています。

実際に開業して、やりがいや喜びを感じるのはどのようなときですか？

【健院長】大学病院では自分の専門分野以外の患者さんを診ることはほとんどなく、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症のような一般的な感染症の診療を行う機会はありませんでした。これらは検査や治療法が確立された疾患ですが、実際に診察し、患者さんが安心された様子を見ることができれば、お役に立てたことを実感できるのかなと思っています。また、専門的な知識を生かして早期発見につなげられたら、やりがいを感じるでしょうね。
【朝子副院長】継続して通ってくださる患者さんとの間に、少しずつ信頼関係が築けたと感じる瞬間がとてもうれしいです。長くお付き合いのある方の中には、それまで言えなかった悩みや本音を話してくださることもあり、そうしたときには「もっと力になりたい」と強く思います。

それでは最後に、地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

【朝子副院長】当院はビルの中にあり、実は待合室にはパソコンが使えるスペースや無線LANも用意されています。自由にお使いいただけますので、仕事の合間や勉強の合間に気軽に来院いただき、必要な治療を受けていただければと思います。
【健院長】今はスマートフォンで検索ができる時代ですので、ご自身の病気について調べてから来院される方がほとんどです。だからこそ、私たちはより心を込めて安心できる検査・診断・治療を提供しなければと思っています。当院での治療が難しい場合には専門病院へご紹介いたしますので、まずは体調を整えるための場所として、気軽にご来院いただければうれしいです。