奈良 嘉峰 理事長の独自取材記事
茅ケ崎駅前 奈良デンタルクリニック
(茅ヶ崎市/茅ケ崎駅)
最終更新日:2025/08/20

茅ケ崎駅から徒歩約1分の好立地に構える「茅ケ崎駅前 奈良デンタルクリニック」。全面ガラス張りの開放的な入り口が印象的な同院で、2019年の開業以来、地域の歯科医療を支えているのが奈良嘉峰(なら・よしたか)理事長だ。日本歯周病学会歯周病専門医として、歯周病治療について専門的な技術を持つ奈良理事長。「ちゃんと治療すれば改善が望めますよ」という言葉で、希望を失いかけた患者にも寄り添う姿勢が印象的だ。勤務医経験を経て、「患者さんを最初から最後まで責任を持って診たい」という思いから開業を決意。全国の歯科医師とのネットワークを生かし診療につなげている。歯周病専門医をめざした理由や、予防歯科への取り組み、患者への思いなどについて話を聞いた。
(取材日2025年7月9日)
患者を最後まで診る責任感から開業を決意
先生のご経歴と開業に至るまでの経緯を教えてください。

2007年に日本大学を卒業後、大学病院で1年間勤務しさまざまなことを学びました。その後、2008年から藤沢市にある歯科医院で勤務を始め、歯周病を専門とする先生のもとで研鑽を積んだんです。2013年には院長に就任し、2019年の当院開業まで約10年お世話になりました。実は当初は開業願望は特になく、勤務先では自分がやりたい治療ができていたので不満もありませんでした。ただ、歯周病治療は患者さんと長いお付き合いが必要なことが多い治療です。年齢を重ねる中でこれから先のことを考えたときに、治療途中で患者さんを後輩に引き継ぐことに違和感を覚えるようになりました。最終的には「自分のクリニックをつくって、患者さんを最初から最後まで責任を持って診る」というスタイルしかないと考え、開業を決意しました。
なぜ茅ヶ崎という地を選ばれたのですか?
出身は川崎なんですが、藤沢で10年以上働いていたので、湘南地域の雰囲気がとても好きになっていました。開業するならこの辺りでと考えていて、茅ヶ崎を中心に探しているうちに現在の場所にたどりつきました。駅から徒歩1分という立地も魅力的でした。現在は地元の方をメインに診療していますが、静岡や東京など遠方からの紹介の患者さんも来院されています。
診療方針として大切にされていることは何ですか?

一番大切にしているのは、患者さんへの丁寧な説明です。保険診療と自由診療の両方を含めて、あらゆる選択肢を提示するようにしています。患者さんにもそれぞれ治療に関してご要望があると思いますし、こちらがきちんと情報を伝えれば、患者さんは適切な治療を選択してくれると考えているんです。もちろん、私たちとしてベストと思う治療プランは提案しますが、最終的に選ぶのは患者さん自身です。また、歯周病で悩んでいる方の中には何年もクリニックに通っているけれど症状が改善しなかったり、他のクリニックでの診療を通して「治らない」と悲観的になっている方も多くいらっしゃいます。そういう患者さんには「ちゃんと治療すれば改善が望めますよ」と伝えるようにしています。希望を持ってもらうことも、治療の第一歩だと考えているからです。この姿勢はスタッフ全員で共有し、クリニック全体の方針としています。
歯周病の専門家として多様な治療を網羅
先生が歯周病専門医をめざされた理由を教えてください。

学生時代にお世話になった歯周病科の先生の影響が大きかったですね。歯周病の患者さんを治療するには、実はあらゆる治療ができないといけないんです。虫歯の治療はもちろん、根管治療も必要ですし、欠損があれば入れ歯やインプラントも扱います。その上で歯周病の専門的な治療もできなければなりません。つまり、歯周病は歯科治療を網羅的にできないと治療が難しい分野なんです。一つの狭い領域を突き詰めるのも悪くはありませんが、私は歯周病専門医をめざして何でもできるようになることが一番いいと考えました。実際、虫歯の治療においても、歯周病の患者さんに対してはより精密で丁寧な治療が求められますし、歯磨きしやすいようにかぶせ物をするなどさまざまな配慮が必要です。高いレベルでの対応が重要になる、それが歯周病治療の魅力でもあります。
特に力を入れている治療について教えてください。
歯周病治療の中でも、特に手術が必要な症例に力を入れています。手術が必要な症例には、大きく分けて2つのパターンがあります。1つは重度の歯周病で、通常の治療では対応が難しい方への手術です。もう1つは歯周形成といって、下がってしまった歯茎や、痩せてしまった歯茎のボリュームを回復させるための手術です。処置を行う際にはマイクロスコープなどの機器を使用して、より精密な治療を行っています。機器を使用することで症状が再発する可能性を減らし、歯を長持ちさせることにもつながります。また、これまで歯周病やインプラントについて海外での勉強会にも積極的に参加してきました。世界で活躍されている先生から直接学ぶ機会を得て、先進の技術を身につけてきました。
予防歯科についてはどのようにお考えですか?

予防は本当に大切です。病気は早い段階で対応できたほうが、患者さんにとってもメリットになりますから。理想は病気になる前にきちんとお手入れして、悪くならないことです。当院では4人の歯科衛生士が担当制で患者さんを診ており、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせてオーダーメイドのケア方法やケア用品をご紹介しています。定期メンテナンスの頻度は、問題のない若い方なら半年に1回、歯周病の既往がある方は3ヵ月に1回を基本にしています。歯周病は自覚症状が出にくい病気です。患者さんが「歯がぐらつく」と感じる時は、実はもう相当進行している状態なんです。だからこそ、症状がなくても定期的に歯科医院を受診することが大切です。早期発見・早期治療が、結果的に患者さんの負担を軽くすることにつながります。
地域と歯科医療の発展に貢献していきたい
全国の歯科医師とのネットワークをお持ちだとお聞きしました。

はい。歯科医師向けの講演やセミナーを行っているので、全国に知り合いの先生がいるんです。そこでできた歯科医師とのネットワークを大切にしています。例えば、患者さんが引っ越しされる時は、その地域の信頼できる先生を紹介するなどもできます。逆に、地方の先生から「関東に引っ越すから」と紹介していただくことも多いですね。インターネットの情報だけでは良い歯科医院を見つけるのは難しいと思いますので、こうした歯科医師同士で紹介ができると患者さんにとっても安心だと思います。歯周病とインプラントの分野では特につながりが強く、お互いに得意分野を生かして患者さんをサポートしています。
今後の展望についてお聞かせください。
地域には、歯周病で困っている患者さんがまだたくさんいると思います。歯周病は自覚しにくい病気なので、啓発活動も含めて、そうした方々の力になりたいです。また、近隣の先生方からもより一層信頼されて、歯周病の患者さんの力になれるよう精進していきたいと思います。一方で、学術的な活動も続けていきたいと考えています。歯周病の手術について講演したり、論文を発表したりすることで、より多くの歯科医師に知識を広めたい。歯周病分野に興味がない先生方にも、歯周病治療の魅力やさまざまな治療法があることを知ってもらいたいんです。自分自身ももっと認知されるように活動を頑張っていきたいと思っています。
読者へのメッセージをお願いします。

歯周病は自覚症状が出た時には、かなり進行していることが多い病気です。だからこそ何も症状がなくても、定期的に歯科医院を受診することをお勧めします。悪いところが見つからなければそれでラッキーですし、メンテナンスだけしてもらえばいい。もし問題が見つかっても、早期に発見できれば治療や負担も少なくなります。まだかかりつけの歯科医院がない方は、ぜひ信頼できる歯科医院を見つけてください。その際は、歯周病をきちんと診てくれる歯科医院を選ぶことが大切です。当院では、常勤・非常勤合わせて6人の歯科医師がチームで診療にあたり、患者さんに適した治療を提供できる体制を整えています。歯のことで少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周病治療/22万円~、インプラント1本/25万8500円~、矯正治療/77万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。