大塚 寛樹 院長の独自取材記事
あいら中央眼科
(姶良市/帖佐駅)
最終更新日:2025/03/26

イオンタウン姶良から程近い「あいら中央眼科」。外観も内装もスタイリッシュにしつらえた同院。広々したガラス張りの待合室からは植栽が見え、四季折々の風景を楽しめる。院長の大塚寛樹先生は眼科の医師として、網膜剥離や加齢黄斑変性症といった網膜硝子体疾患の治療や手術を中心に研鑽。同院では眼科疾患全般に広く対応するとともに、小児の眼疾患の治療や白内障手術に力を入れている。また、患者とのコミュニケーションを重視し、やわらかな物腰で丁寧に患者と向き合い、診療にあたっているという。「まずは患者さんのお話をしっかりとお聞きしてから、病状や治療方法について丁寧に説明するよう心がけています」と優しく語る大塚院長に、医師をめざしたきっかけから今後の展望まで聞いてみた。
(取材日2025年1月6日)
地域に貢献したい。その思いで姶良の地に開業。
医師をめざしたきっかけや眼科を選んだ理由をお聞かせください。

小学生の頃、私の地元に医療過疎地域で活躍されている先生が講演にいらっしゃいました。医療への取り組みについてのお話に感銘を受け、「医師になりたい」という思いが芽生えました。眼科を選んだのは、内科的な治療にも外科的な治療にも幅広く対応できるところに魅力を感じたからです。開業も視野に入れていたので、一人の患者さんに日常的なフォローから手術や術後の管理まで幅広く関われる診療科であることも決め手の一つでした。鹿児島大学病院の眼科に入局後は、網膜剥離や加齢黄斑変性症といった網膜硝子体疾患の治療を中心に研鑽。手術が欠かせない分野で、手術を精密にかつスピーディーに行うことに情熱を注ぎました。当時の経験は今日の診療に大いに役立っています。
開業にあたってこの地を選ばれたのはなぜですか?
私は鹿児島で生まれ、小さな頃より地元鹿児島で働きたいと思っていましたので、鹿児島大学医学部に進学し、卒業後も鹿児島大学病院の眼科に入局しました。勤務医時代には、姶良市の青雲会病院や霧島市にある病院でも勤務し、この地域にお住まいの患者さんも多く担当しました。患者さんと距離の近い開業医になりたいと考えていましたので、なじみもあり医療的ニーズも高いこの地域に貢献したい、と選びました。姶良市は近年人口も増加し、著しい発展を遂げています。青雲会病院に勤務していた頃はこの辺りにもまだ田畑が広がっていたのですが、建物が増え、街並みも随分と変わりました。
主にどんな患者さんが来院されていますか?

小さなお子さんからご年配の方まで、幅広い年齢層の患者さんに来ていただいています。お子さんでは、近視や弱視のご相談が多いですね。近年、小さな子どもの近視や乱視を調べるレフラクトメーターという検眼装置が普及し、3歳児健診の際などに早期発見されるケースも増えています。3歳前のお子さんでも「顔を傾けて物を見ている」「上目遣いに物を見ている」などの様子から、ご家族がお子さんを連れて来られることもあります。ご年配の方では、白内障や加齢黄斑変性症の患者さんが多いです。加齢黄斑変性症の場合、薬剤を眼内に入れる硝子体内注射やレーザーによる治療を主に行っています。また、冬の終わりから春にかけては、花粉症による目のかゆみや充血を訴えて来られる方も多いですね。点眼薬を処方するとともに、アレルギー検査で原因物質を特定するなど、患者さんの症状改善に向け、サポートするよう努めています。
子どもの斜視・弱視の治療や白内障の日帰り手術に注力
診療についてお聞かせください。

お子さんの斜視・弱視の治療や、白内障手術に力を入れています。小さなお子さんの場合、待ち時間が長くなると集中力が切れ、検査できなくなってしまうこともあります。そこで予約優先制を採用し、待ち時間を短縮することで無理なく検査を受けられるよう努めています。また今後大人の白内障手術に関しては、患者さんの生活状況を把握し、術後の見え方や日程などを相談の上、できる限り患者さんのご希望に沿うよう調整しています。勤務医時代に多くの手術を経験したことから、「瞳孔の開きが悪い」「水晶体が硬い」など一般的には手術が難しいケースでも、当院で白内障手術を行う場合もあります。また、目の疾患は糖尿病などの全身疾患とも深く関わっているため、他の医療機関と連携して、安心して治療に臨んでいただけるように体制を整えています。
診療機器も充実しているようですね。
網膜硝子体疾患を専門にしていることから、網膜疾患や緑内障の診断に使う光干渉断層計(OCT)を導入しています。先端的な広角眼底カメラも早くから取り入れました。一般的なものよりも広範囲の撮影が可能で、眼底や血管の状態をより詳しく観察するために用います。瞳孔を開く目薬を使う従来の眼底検査の場合、目が見えにくくなるため、検査後は車の運転などを控えていただかなくてはなりませんが、このカメラであれば瞳孔を開くことなく検査が可能なので、患者さんの負担も少なくて済みます。病状によっては従来の眼底検査を行う必要がありますが、広角眼底カメラを使うことでその頻度を減らすことができます。また、白内障手術においては、検査機器が手術の精度を左右します。そこで、精度の高く新しい検査機器を取り入れることで、より適した治療を提供しようと日々改善に努めています。
非常勤の先生も多数応援に来られているとか。

近隣の大学病院の先生を中心とした応援の先生にも来ていただいています。眼科といえども行う治療は多種多様なので、私が専門としていない分野であっても、地域の患者さんがきちんとした診療を受けられるよう先生方にサポートしていただいています。特に眼球の外側である外眼部の手術については専門の先生が少ないという実情もあり、積極的に来ていただいています。この体制づくりにより、硝子体手術、眼瞼下垂手術など、幅広く対応できるようになりました。また、私だけの診療ではなく、複数の先生の意見や考えが入ることで、より多面的な診療ができるという私の考えにも適っていると思います。サポートしていただく先生やスタッフと一緒に、より良い診療を提供していきます。
患者一人ひとりに寄り添う、丁寧な診療を心がける
診療で心がけていることは何ですか?

最も大切にしているのは、患者さんと十分にコミュニケーションを取ることです。また、患者さんの立場に立って診療するようにも努めています。地域のかかりつけ医として、一人ひとりの患者さんとじっくりと向き合い、長くお付き合いさせていただきたいです。また、もっと気を楽にして来ていただきたいという思いから、病院らしくない雰囲気の内装や外観をめざしました。周りに植栽を施し、春には色とりどりの花々、秋には紅葉と、待合室から四季折々の風景を楽しめる造りになっています。また、目の病気を抱えた患者さんが来院されますので、内装は落ち着いた色合いにし、椅子もシックなデザインでありながら消毒しやすいものを選ぶなど素材からこだわりました。患者さんからの評判も上々です。
目の健康を保つにために気をつけるべきことはありますか?
若い方をはじめ、多くの年代で、デジタルデバイスを使う機会が増えています。そうした機器を長時間使うと目に負担がかかります。研究段階ではありますが、視力の低下につながる可能性も示唆されており、特にお子さんの使い方には注意が必要です。ご年配の方に気をつけていただきたいのは、緑内障や加齢黄斑変性症といった病気ですね。眼圧が高いと緑内障のリスクが高まるのですが、自覚症状はあまり見られないため、年に1回は眼圧検査や眼底検査などを受けていただきたいです。また、加齢黄斑変性症による物のゆがみや緑内障による視野の欠損などは両目で見るときは保管し合っていて気づきにくいので、時折片目で物を見るなどして、見え方をチェックすることをお勧めします。
今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

私のモットーは、お一人お一人丁寧に手術を行うこと。そのため、一日の手術件数を制限するようにしています。手術の日程なども含め、できる限り皆さんのご希望に合わせられる体制を整えていきたいと思っていますので、ご都合など遠慮なくお申しつけください。これからも医療というお仕事、患者さんに真摯に向き合って取り組んでいきます。また、専門とする網膜硝子体疾患に限らず、地域のかかりつけ医として幅広い眼科疾患に対応するため、常に新しい知識や技術を学び、それを患者さんに還元していくことをめざしています。目に関するお困り事があれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。