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松田 圭二 院長の独自取材記事

まつだ耳鼻咽喉科宮崎サージクリニック

(宮崎市/蓮ケ池駅)

最終更新日:2025/03/14

松田圭二院長 まつだ耳鼻咽喉科宮崎サージクリニック main

宮崎市中心部から北へ車で15分ほど、住宅地として開発が進む地域に位置する「まつだ耳鼻咽喉科宮崎サージクリニック」。昭和町交差点から佐土原方面へと抜ける大島通線沿いにある。一般的な耳鼻咽喉科治療を希望する患者に加え、手術が必要な患者が遠くからも来院する同院は道路から入りやすく駐車場も広々。エントランスには屋根があり、雨天時の車の乗り降りに配慮されている。院長の松田圭二先生は、執刀医として豊富な症例を持つ耳鼻咽喉科のエキスパート。特に聴力に関する手術、副鼻腔炎や鼻詰まりに対する手術を得意とする。どんなに患者が多くても一人ひとりの患者を丁寧に診察するスタンスは変わらないという松田院長に、医師をめざしたきっかけ、大学時代の恩師、米国留学の思い出、局所麻酔での手術や補聴器のことなどの話を聞いた。

(取材日2022年6月21日)

手術もできる耳鼻咽喉科として地域医療に貢献

サージクリニックとはどのような意味でしょうか。

松田圭二院長 まつだ耳鼻咽喉科宮崎サージクリニック1

サージクリニックとは手術のできる診療所という意味です。耳鼻咽喉科の病気の中には薬で治らない病気があり、その完治には手術が必要になります。以前は、手術となると1、2週間ほどの入院が必要となることが多かったのです。患者さんの中には長期入院ができない事情があり、手術を諦めていた患者さんのニーズに応える形で日帰り手術を行っています。使用するお薬の発達、局所麻酔法の精度向上、内視鏡・ナビゲーションシステムなど医療機器の進歩によって、痛みが少なく、入院を必要とする手術と遜色のない精度の高い手術を提供できます。それでも病気の性質や諸事情で入院が必要な方には近くの地域連携病院への入院を勧めています。

最近増えている疾患などありますか?

好酸球性副鼻腔炎が増えています。これは、成人後に喘息を発症した人に多く見られ、嗅覚障害や頑固な鼻閉が特徴です。難治性のため、適切に診断して治療につなげていくことが大切になります。好酸球性副鼻腔炎は抗生物質が効きませんので、手術や生物学的製剤などを用いながら治療を進めていきます。生物学的製剤は新薬ですが、術後再発の方や副作用などの関係でステロイドを使えない方にお勧めしています。長期間、副鼻腔炎が治癒せず、抗生剤を用いても期待される変化を感じられない方は、ぜひ一度診察を受けていただきたいと思います。お一人お一人の症状をしっかりと確認して最適と思える対処法をご提案していきます。

補聴器専門の時間枠を設けているのですね。

松田圭二院長 まつだ耳鼻咽喉科宮崎サージクリニック2

補聴器を含めた聴力の改善にはまず原因を探っていくことが大事です。加齢に伴う神経の障害が主体の感音難聴があれば、手術ではなく、いかに補聴器の調整をしていくかが大切になります。「聞こえ」は、正しく診断していくことが大事ですので、補聴器も一人ひとりに応じた合わせ方をします。補聴器を購入して、いきなり使用すると脳が対応しきれず、逆効果になってしまうこともあります。装用3ヵ月を目安にゆっくり、しっかりと耳と脳に聞こえを慣れさせていくことが必要です。粘り強く合わせながら脳が慣れてくると、補聴器はとても役に立つ道具になります。

充実した恩師との日々、そして米国留学

大学時代や勤務医時代の思い出などありましたらお聞かせください。

松田圭二院長 まつだ耳鼻咽喉科宮崎サージクリニック3

宮崎医科大学耳鼻咽喉科の森満保教授との出会いが、私の一生を決めたと言っても過言ではありません。森満教授から1982年1月青島に119頭ものイルカが集団座礁したことを聞かされました。イルカの集団座礁は古代ギリシャ時代アリストテレスの記述が最古のようですが、現在も世界各地で報告され原因はわかっていません。森満先生は集団座礁したイルカの内耳標本を調べた結果、寄生虫が見つかり、よくよく考えるとこの寄生虫による前庭神経の損傷がめまいを引き起こし、溺れまいと上陸したとの考察へ至ったのです。重いメニエール病、または前庭神経炎のような状態になっていたのです。イルカの集団座礁の原因を病気とする説で耳鼻咽喉科医ならではの発見でした。私は大学卒業後、迷わず聴力改善手術で知られた森満先生の耳鼻咽喉科教室に入局しました。後に宮崎大学学長に就任した森満先生の薫陶を受けた8年間はまさに貴重な時間でした。

学生時代はラグビーに打ち込まれていたそうですね。

私は小学校から軟式野球をしておりましたが、大学に入り一転、6年間ラグビーをしました。当時は痩せていて足が早く、14番ウイングをしていました。ラグビー部の先輩や後輩が現在、医師となり多方面で活躍しているため、手軽に他科とコンタクトが取れるというのが、現在まで続く大きな収穫です。また、現在私は、ラグビー部監督の美原恒(みはら・ひさし)教授が発見したミミズの線溶活性物質、ルンブルクスルベルスの耳鳴に対する効果を調べています。これは、森満先生が長年苦しんでいた耳鳴・頭鳴にルベルスを取り入れていたという話を受けてのものでした。現在も検証を続けています。

2001年から米国の大学に留学されていますね。

松田圭二院長 まつだ耳鼻咽喉科宮崎サージクリニック4

森満先生の次に指導を受けた小宗静男教授から「人生の中で一度は国外から日本を見なさい」と言われ、2001年4月米国ノースウェスタン大学へ留学しました。聴覚生理学教室のピーター・ダロス教授は2000年に内耳の音増強システムを担う外有毛細胞からモータータンパクを特定しプレスチンと名づけていました。私はプレスチン機能を探る研究に組みし、2年間パッチクランプを続けました。この間に2001年9月11日の事件が起こり、アメリカ社会を一夜にして戒厳令下に変えました。その後も私自身は研究漬けの日々でしたが、娘2人は小学校3年生と4年生で現地校に入ることになり、言葉・風習・人種差別などの問題に直面しました。子どもを守るために一番英語を勉強し強くなったのは妻で本当に感謝で頭が上がりません。米国では休暇中はほぼ全米中を旅しました。米国留学は自分の研究を深められただけでなく、家族の絆を深める素晴らしい経験でした。

一人ひとりに寄り添い、適切な治療法を提案

思い入れのある病気を教えてください。

松田圭二院長 まつだ耳鼻咽喉科宮崎サージクリニック5

中耳真珠腫です。へこんだ鼓膜上皮が中耳内で増殖し周囲を破壊していく進行性の病気です。軽症から重症まで症状は多岐で扱いが難しい疾患です。中耳真珠腫に対する臨床は宮崎大学開学以来のテーマで、森満先生、小宗先生、東野哲也教授まで一貫して取り組んできました。この治療に取り組む医師は世界中にいるにもかかわらず手術法や予後に関する討論が噛み合わないことが頻発していました。これは扱う真珠腫の重症度が異なることに起因していたのです。私はこれまでの手術症例を整理し中耳真珠腫の進展度と予後の関係を調べ上げました。その結果、進展度と予後には関連性があるとの目処が立ち国内6施設との共同研究を行い、真珠腫性中耳炎の進展度と手術法と予後との関係を調べ、やはり同じ結論に達しました。日本の進展度分類をもとに、国際分類の制定まで持っていった東野教授の英語力、交渉力は、特筆すべき功績であったと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

松田圭二院長 まつだ耳鼻咽喉科宮崎サージクリニック6

「耳が聞こえない」「耳から汁が出る」「鼻がずっと詰まっている」「抗生剤を飲み続けているが治らない」などの症状がありましたら、何かしら手立てがあると思います。中耳炎は子どもだけの病気ではなく大人でも慢性中耳炎に悩んでいる方がおられます。中耳に関することは手術で改善がめざせますし、時間的・金銭的負担も最小にできる方法です。当院では日帰り手術を含め、患者さんお一人お一人に合った最適と思える方法を提案しますし、患者さんに寄り添った治療を心がけていますので、安心して受診してください。

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