三浦 晶子 院長の独自取材記事
二条駅前 三浦内科クリニック
(京都市中京区/二条駅)
最終更新日:2025/06/13

二条駅から徒歩4分の好立地にあるビルの3階に「二条駅前 三浦内科クリニック」はある。同クリニックを率いる三浦晶子院長は、京都大学大学院での研究や教育、同大学附属病院での臨床経験を踏まえ、2014年からは総合病院の内分泌内科で部長を務めた豊富なキャリアの持ち主だ。開業後は、自身の専門分野である甲状腺疾患や糖尿病、骨粗しょう症など内分泌疾患の診療を柱に、地域のかかりつけ医として幅広い内科診療を提供している。専門性の高い診療はもちろん、三浦院長の相手を想う気持ちや聞き上手で朗らかな人柄も、多くの患者から信頼される理由だろう。「女性のトータルヘルスケアに貢献したい」と、ほほ笑みながら語る三浦院長に、クリニックの強みや医療にかける思いを聞いた。
(取材日2019年12月4日/再取材日2025年5月22日)
甲状腺疾患や糖尿病、骨粗しょう症の専門的な診療
開業の経緯や開業を決意した理由をお聞かせください。

京都府立医科大学を卒業後、研修を経て京都大学大学院に進み内分泌学を専攻しました。大学スタッフ時代は研究、臨床、教育の3つの業務を兼任していましたが、臨床が一番向いていると感じていました。その後は、山科の洛和会音羽病院に勤務。病診連携を積極的に進めている病院でしたので、学ぶことがたくさんありました。一番感じたことは、患者さんが病院からクリニックに移ると今までどおりの医療が受けられないのではと心配したり、そもそもどこへ行ったらいいのかわからないと悩んだり、多くの不安を抱えておられるということ。音羽病院時代に、医療機関が持つ役割分担の重要性を実感しました。そこで、専門である甲状腺分野について、病院で診るレベルの診療をクリニックで実現できたら、患者さんの選択肢の一つになれるのではと考えるようになり、2019年11月に開業いたしました。
クリニックの強みを教えていただけますか?
私の専門である甲状腺疾患をはじめとするホルモンに関する病気や、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病、骨粗しょう症を柱に診療を行っています。こうした自分の得意分野を生かすためにも、検査設備にこだわり、高性能のエコー検査機器や大きな病院で採用され、骨粗しょう症の診断のゴールドスタンダードになっているDXA法の骨密度測定機器を導入しています。忙しい方でも通いやすいように、甲状腺ホルモン値やHbA1c、血糖値の測定結果をその日のうちに出せるようにしています。
患者層の特徴を教えてください。

10代から90代まで、女性が圧倒的に多く、9割ほどを占めています。健康診断や人間ドックで甲状腺疾患の異常を指摘された方や、ご自身で症状について調べたところ内分泌疾患に該当するのではないかと考えて来られる方、糖尿病の治療や、他院からのご紹介で骨密度検査を受けに来られる方などが多いです。発熱や風邪、感染症が疑われる方の診療も行っておりますが、全体の割合としては少ないですね。今の時代、患者さんの専門的な診療に対するニーズが非常に高く、「専門の医師にかかりたいから」とホームページをご覧になって来てくださる方がすごく多いんです。近隣にお住まいの方はもちろん、遠方からもご来院いただいているため、交通の便が良い立地にクリニックを構えて良かったと感じています。働かれている患者さんも多いので平日夜の時間帯や土曜日も診療を行っており、うまく活用いただけているのではないかと思います。
カフェのような、温かみのある内装もすてきですね。
ありがとうございます。あまり無味乾燥にならないように、クリニックらしくない雰囲気にしているんです。3階ですので、窓からの景色を見てくつろいでいただけるよう待合室には外に向いたカウンターを用意したり、一部の壁にはタイルをあしらったり、木の椅子を置いてみたり。「また来たいな」と思っていただけるような空間づくりを心がけました。蝶をモチーフにしたロゴマークは、甲状腺が蝶の形に似ているからです。
女性が体の悩みを相談する”入り口”でありたい
女性特有の悩みに幅広く対応されているのですね。

私の専門分野は女性の方に多い疾患であり、女性が人生を歩む中でかかることの多い内科的疾患に関して、幅広く対応できているのではないかと自負しています。 女性のトータルヘルスケアに貢献したいという思いのもと、日々の診療にあたっています。もちろん、私が得意でない分野については然るべき方向性でご紹介をして、専門的な治療を受けていただくことは当然のこととして行わせていただきます。女性が体に関するお悩みを相談する“入り口”としての役割を担っていきたいですね。
甲状腺疾患や糖尿病の診療についてお聞かせください。
1時間程度で結果が出る甲状腺ホルモン値の迅速検査により、その結果を見ながらお薬の調整を行っています。甲状腺腫瘍の評価に使用する甲状腺エコー検査や、腫瘍が良性か悪性かを判断するための細胞診などの専門的な検査も行っており、大きな病院と遜色ない診療をご提供できているのではないかと思います。エコー検査も私が行うため、大きな病院のように検査技師さんから届いた検査結果を書面や画像を介して見るよりも、自分の目で見て、自分の手で検査を行っているからこそわかることも多いと思っているところです。糖尿病の治療は、とにかく続けること。そのためにはご本人のモチベーション維持が何よりも大切です。患者さんの毎日に寄り添いながら、続けられる生活習慣改善のためのアドバイスを意識しています。
骨粗しょう症にも力を注がれていますね。

骨粗しょう症は、骨密度がかなり低下しまってから治療を始めても、思うように骨密度が増加するわけではないので、早めに手を打つことが大切です。一方で、自覚症状がないので目を向けていただくことが難しい疾患でもあります。ご自分のお母さまだとか身近な方が骨折したことで初めて、「私も調べたほうがいいのかな?」と、思われる方も多いのではないでしょうか。皆さんに意識を向けていただけたらという思いで、他の疾患の診療時に検査をご案内したり、院内にもポスターも掲示したりするなど、啓発にも取り組んでいます。
患者さんとの接し方で心がけていることはありますか?
女性はご自身の訴えなどさまざまな話を聞いてほしい方が多いと思うんです。実際に会話の中で、生活背景や抱えている問題点が見えてくることも多いので、時間の許す限りしっかりと耳を傾けてお話しするよう心がけています。また、糖尿病や骨粗しょう症は基本的にずっと付き合っていかなければならない疾患です。治療が長くなると、「このまま続けていていいのかな?」と不安を感じる方もいらっしゃいますよね。そのため、治療計画の全体の流れの中で、今どのフェーズにいるのか、良い方向に向かっているのかといったご説明は、毎回の診察時に丁寧にお伝えするようにしています。患者さんのライフスタイルや考え方を尊重しながら、うまく病気と付き合っていけるような方法で、健康管理に寄り添っていけたらと思っています。
専門クリニックとして医療や看護の充実を
医師を志したきっかけや内分泌をご専門とされた理由をお伺いします。

幼い頃から人に興味があり、人を相手にする仕事をしてみたいと思うようになり、医師になろうと決意しました。内分泌代謝学を専門に選んだのは、血液検査や患者さんの身体所見から診断していく学問ですので、非常に内科らしい分野だと思ったからです。また、診断に至る過程が論理的だと感じ、そんなふうに診断できる学問というのは非常に面白いと思ったからでしょうか。この道を選んで良かったと心から思います。
今後の展望をお聞かせください。
現在、たくさんの患者さんにいらしていただき、スタッフの数も増え、クリニックとして良い時期を迎えていることを実感しています。今後も現在のスタイルを変えず、医療や看護のレベルを充実させていきたいです。スタッフも皆さんすてきな方ばかりなんですよ。スタッフ同士の良好な人間関係は、クリニックの雰囲気になんとなく表れるものだと思います。患者さんがいついらしても安定した状態で受診できる環境を提供し続けていけるよう努めてまいります。
読者へのメッセージをお願いします。

疾患に関わらず、丁寧な診療やわかりやすい説明を心がけています。内分泌疾患はあまりなじみのない病気でわかりにくいかもしれませんが、体の不調がもしかしたらそういった病気のサインかもしれません。何か心配なことがありましたら、ぜひお気軽にお電話をくださいね。お待ちしております。