堀内 隆史 院長の独自取材記事
ほりうち整形外科
(大阪市此花区/西九条駅)
最終更新日:2025/07/02

JRゆめ咲線の西九条駅、阪神なんば線の西九条駅から歩いてすぐのテナントビルの4階。ビルのワンフロアとは思えぬほど広々とした待合室やリハビリテーション専用のスペースを備え、幅広い患者層に対して診療を提供しているのが「ほりうち整形外科」だ。院長を務める堀内隆史先生は、奈良県立医科大学の出身。卒業後の14年間は総合病院や市中病院にて膝関節手術をはじめとする整形外科のさまざまな領域の研鑽に励み、そこで培った多彩な知識や経験を生かすべく自身のクリニックを立ち上げた。その真意はどこにあるのか、どのような診療で地域の患者をサポートしているのか、堀内院長の落ち着いた物腰に秘めた熱い思いをじっくりとひもといてみた。
(取材日2021年9月18日)
病院経験で培った豊富な経験を地域の人々に還元したい
まずはクリニックの現在までの状況を教えてください。

2019年の開業以降、おかげさまで周囲の皆さんにご周知いただくようになり、なんとか地域に根づいてこられたのではないかと思っています。開業前、私はいくつかの病院で勤務しましたが、此花区の病院に勤務した時に、この地域には患者さんを送り出せる整形外科のクリニックが少なく、リハビリテーションの場も不足していると感じました。近隣にお住まいの患者さんも少しお困りのようでしたので、開業するならこのエリアでと考えたわけです。この西九条はお年を召された方も多く、関節症や腰痛など、整形外科としてお役に立てる機会が多いと感じています。
開業前は、いくつかの病院に勤められたそうですね。
はい。出身である奈良県立医科大学が積極的にサポートしてくれたおかげで、私も大きな外傷からスポーツ、小児まで、派遣された複数の病院で一通りの経験を積むことができました。勤務先の病院で多くの先生方と一緒に仕事をさせていただいたことも、大きな財産となっています。ただ、手術が中心の医療というのは自分がイメージしていたお医者さんの姿とは違ったんですね。手技を究めていくことよりも、もっと地域の中で皆さんのお役に立ちたい。それが開業の一番の動機です。実際にクリニックで毎日外来診療をしていると、患者さんのご家族の環境や生活背景までよくわかります。そこは病院勤務の時とは大きく違いますね。
クリニックでどのような検査や診断ができますか?

診断によく用いるのは先進のエコー(超音波画像診断装置)で、その場で高精細な超音波画像が得られますので、検査や診断で遠くの病院まで足を運んでいただく必要がありません。もう一つの重要な検査は骨密度測定です。骨粗しょう症になるとちょっとしたきっかけで骨折し、それで寝たきりになってしまうケースがありますから、その予防は私たち整形外科の使命と考えます。当院ではDXA(デキサ)法と呼ばれるエックス線骨密度測定装置で腰椎や大腿骨といった重要な部位の骨密度をしっかり測定し、骨密度の低い方にはお薬を処方したり、改善をめざす方法や生活習慣などの指導をさせていただきます。
元の能力や生活を取り戻すためのリハビリテーション
こちらはリハビリテーションに力を入れているそうですが。

私が開業しようとした動機の一つが、リハビリテーションを行う場の不足です。病院でもリハビリは行っていますが、平日の昼間など時間帯が限られていたり、手術を受けた患者さんに限られていたりで、不自由をされている方が案外多いものです。病院だけではマンパワー的にも限界がありますから、そこをフォローするのが私たちの役割です。当院のリハビリ室をのぞいてもらえればわかりますが、広いスペースや数々の設備を用意し、スタッフも理学療法士が4人常駐していますので、かなり充実したリハビリが提供できると自負しています。近隣にお住まいの方、お勤め帰りに寄りたいという方はもちろん、市内の病院の先生方とも連携を取らせてもらっていますから、手術を受けた病院まで通うのが大変な方はぜひご相談ください。
クリニックならではのリハビリテーションの特徴を教えてください。
リハビリテーションの目的は、病気やケガ、加齢などによる機能障害を改善し、日常生活や社会生活へ早期に復帰していただくこと。つまり、その方にもともとあった能力や日常生活を取り戻すことです。そこで当院ではリハビリ機器に注力し、通常のバイク型有酸素トレーニング機器や移動式平行棒のほか、3次元振動で足の筋力低下を防ぐトレーニングマシン、腰椎と頸椎それぞれのけん引装置、ウォーターベッドタイプのマッサージ器などを豊富にそろえました。さらに重要なのは、リハビリスタッフである理学療法士たちの存在です。みんな若いですが経験は豊富で、手術後の患者さんや関節痛・腰痛のある方に専門家として適切かつ丁寧なサポートが可能です。女性スタッフもいますので、男性に抵抗のある方も安心してご利用いただけると思います。
リハビリテーションには多くのメリットがあるそうですね。

皆さんが整形外科に来られるのは、痛みがあったり社会的に不自由している部分があるからではないでしょうか。手術で解決を図るのも一つですが、リハビリで改善をめざしていくというのが他科ではなかなか見られない整形外科ならではのアプローチだと思います。また、高齢者になっても自分で歩いてしっかり生活できることが何より大切ですから、骨粗しょう症の予防としてリハビリに来ていただき、転んでも骨折しないように筋力や身体機能を維持することは立派なエイジングケアといえるでしょう。当院のリハビリを利用されているご高齢の患者さんは、だいたい午前中と時間帯が決まっていて、患者さん同士の会話を楽しみにされているようです。それはまさしく、私がイメージしていた地域のクリニックの風景ですね。リハビリの場が、そうやって皆さんが前向きになるきっかけになればと思います。
健康長寿をめざし、専門家として適切なアドアバイスを
院長が整形外科の医師になったきっかけは?

私は奈良の出身で、学生時代は野球や陸上競技、ハンドボールなどのスポーツをずっとやっていました。よく肩や膝を痛めて近所の整形外科で診てもらいましたが、たまたま若い先生で話がしやすく、いろんなアドバイスをいただいたことが印象に残り、自分も同じような仕事がしたいと考えるようになりました。ここにもよくスポーツ少年や少女がやってきます。自分の若い頃を思い出しながら、すぐに骨折などをエコーで調べて診断するようにしていますね。ちなみに、私がいた当時の奈良県立医科大学ハンドボール部は強豪で、西日本の医学部対抗の大会では在籍5年間で優勝2回、準優勝2回、3位が1回という好成績でした。その頃のチームメイトとは今も親密に連絡を取り合っています。
今後、さらに力を入れていきたい分野はありますか?
将来的には、やはり得意分野であるスポーツ整形外科領域をさらに充実させていきたいですね。今は健康ブームで運動をする方が増えましたが、健康のためにやっていて体を壊したのでは逆効果です。ジョギング中の思わぬケガを防ぐにはどうすればいいか、足や膝を傷めた場合はどうやって早期回復を図るかなど、専門家としてアドバイスできることはたくさんあります。理学療法士たちもスポーツのことは熟知していますから、リハビリ指導から自宅でのトレーニング法まで安心してお任せいただきたいですね。私自身、現在は特に体を動かしていませんが、学童の野球選手を対象とした野球肘の検診や、バスケットボールやバレーボール、サッカーといったチームの試合への帯同などを通じてスポーツと常に関わっています。こうしたアスリートに対する、より専門的なサポートにも注力していきたいと考えています。
最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。

何かあれば、まずは気軽にお越しください。他の病院やクリニックにかかっていた方も、これまでどこにもかかっておられない方も、気になることがあれば相談だけでも構いません。話を聞きたいというのであれば、ざっくばらんにお話をさせていただき、その方にとって一番適切なことをアドバイスいたします。長く悩んでおられる方もいれば、急なアクシデントで体を痛めてしまった方もいるでしょう。私の知識でお伝えできることがあれば喜んで差し上げますし、逆に患者さんから学ばせてもらえることも多々あると私は考えています。人生は健康に長生きをすることが一番。受診をきっかけに、ぜひ健やかでハッピーな人生を送っていただきたいと思います。