長谷川 雄一 院長の独自取材記事
長谷川みらい歯科・矯正歯科
(宇都宮市/宇都宮駅)
最終更新日:2024/12/12

宇都宮駅よりバス・車で約30分の場所にある「長谷川みらい歯科・矯正歯科」。予防歯科に特化した歯科医院として、2016年に開業した。院長の長谷川雄一先生は、自身の経験から「美しく治療する」ことよりも「美しい歯をそのまま維持する」という予防医療を重要視。クリーニングはもちろんだが、歯を守るための方法を患者に知ってもらおうと啓発にも力を入れている。「歯科医院は、質の良い食事を取るための支援を行う場であるべきだと考えています」との長谷川院長の考えから、同院では食事の指導にも注力。「今後は、すでに始めている医科との連携を、さらに強化していきたいですね」と熱い想いを語る長谷川院長に、予防歯科の重要性や現在感じている課題感、将来の展望についてじっくり話を聞いた。
(取材日2024年11月25日)
予防の重要性を伝えることが歯科医院としての責務
まずは予防歯科に注力されるようになったきっかけを教えてください。

大学卒業後、歯周病の専門施設で2年間働き、治療技術と知識を学びました。歯科医師になって2年目の時に、私自身が虫歯になってしまい1本だけ歯の神経を抜いたんです。歯科医師である自分が虫歯にかかって神経を抜くことになるなんて想像もしていませんでした。非常にショックで、「こんな思いを二度としたくない」と強く感じましたね。この経験を通じて、患者さんにも同じことを経験させたくないと思ったのです。完璧にきれいな歯を入れることはできますが、それはあくまで人工物。やはり、一生自分の歯で過ごすのが理想ですよね。それを私自身が歯を失ったことで実感し、「美しく治療する」ことよりも「美しい歯をそのまま維持する」という予防医療が大切だと考えるようになりました。そこから予防についての知識を徹底的に学習。この理念を実現するために、予防歯科に特化した当院を開業しました。
患者さんへの説明に非常に力を入れているそうですね。
最も大切なことは歯の定期的なクリーニングではなく、歯を守るための方法を正しく理解し知っていただくことだと考えています。診察時には患者さんと話す時間を最優先にし、お口に触れる時間よりもじっくりとお話をすることを大切にしていますね。まずは徹底的に検査を行い、患者さん自身に現在の歯の状態をわかりやすく説明。その上で、どうすれば改善できるのか、その状態を維持するためには何をすべきかをお伝えしています。説明には時間がかかるため、人件費などを考慮すると正直負担は大きいです。しかし、患者さんにとっては必要不可欠なことですので、時間や手間を惜しまず、丁寧にお伝えするようにしています。
「大切な人を通わせたい」というコンセプトに込めた想いを教えてください。

「大切な人には、治療中心ではなく、予防を重視した歯科医院に通わせたい」という想いを込めて、このコンセプトをつくりました。治療が完璧であることはもちろんですが、それ以上に大切なのは、患者さんが自分の歯を守るために必要な知識や習慣を身につけ、実践できるようになることです。私たちの歯科医院は、患者さんがただ治療を受けに来る場所ではなく、自分の歯を守り、健康を維持するための場所として存在したいと考えています。通院するたびに気づけば歯の状態が良くなり、いつの間にか健康的な口腔状態が保たれている、そんな自然なかたちで健康を実現できる場所でありたいと思っています。
「マイナス2歳」からの予防歯科を提唱
「食」の指導にも力を入れていらっしゃるそうですね。

予防歯科で歯を健康に保つことは大切ですが、食事の質が悪ければ体全体の健康は守れません。そのため、歯科衛生士や保育士、管理栄養士などのプロフェッショナルがチームとなり、患者さん一人ひとりに対して適切な食事を取れるようにアドバイスを行っています。また、当院の特徴は「マイナス2歳」からの予防歯科を謳っているところです。マイナス1歳はお母さんのおなかの中、マイナス2歳は妊娠前のお母さんを指します。つまり、お母さんの歯の予防です。赤ちゃんの歯や体がつくられるのは、お母さんのおなかにいる間です。体は食事によってつくられるため、お母さんの栄養状態が赤ちゃんの健康に大きな影響を与えます。そのため当院では、これからお子さんを授かりたいと考えているお母さんに対し、管理栄養士が適切な食事内容やより良い食習慣を詳しくアドバイスし、健康的な身体づくりのサポートを行っています。
幅広い職種のプロフェッショナルがそろっているのですね。
当院には、歯科衛生士、管理栄養士、保育士など、約30人のスタッフが働いています。各職種のプロを集めたというよりは、プロとして育成していくという考え方で、受付スタッフを含む全員が参加する勉強会を毎週実施したり、外部の勉強会にも参加したりして、知識のアップデートを続けてもらっています。院内の勉強会では、業務に必要となる子どもの矯正や栄養学などを学習。基本的に私やスタッフが講師を務めますが、外部から講師を招くこともありますね。私たちの合言葉は「チーム力」です。スタッフ全員が同じ目標に向かって働けるように、ミッションステートメント(理念)を明確にし、全員に浸透させています。そして部署とチームをつくり、それぞれにリーダーを配置。私が細かく口を出さなくても、各部門がしっかりと機能する体制にしています。歯科医院というよりは、会社というイメージのほうが近いかもしれませんね。
今、先生が課題に感じていることは何でしょうか。

子どもの歯並びについて課題を感じていますね。最近、歯並びの悪い子どもが増えており、その原因として食事の影響やアレルギー、口呼吸が挙げられます。原因と対策について正しい知識を持っているかどうかで、子どもの成長や発育に大きな違いが出ます。特にこれからお子さんを授かりたいと考えているお母さんたちにお伝えしたいですね。生まれてからも、離乳食が歯並びに与える影響をお伝えし、どんな食べ物が歯の発育に良いかなど、しっかりサポートしていきます。また、歯並びは見た目だけの問題ではなく、健康にも大きく影響します。子どもの歯並びが悪くなる主な原因は、大きな歯と小さな顎のアンバランスです。なので、小さいうちに適切な矯正を行うことで、骨格の改善を図っていくことが重要です。矯正については、審美的な目的ではなく、健康面に焦点を当てて検討していただきたいですね。
歯科医院は、食事改善を支援する場であるべき
歯科医師をめざしたきっかけと、これまでのご経歴を教えてください。

2007年に明海大学歯学部を卒業後、5~6年ほど勤務医として研鑽を積みました。その後、2016年に「長谷川みらい歯科・矯正歯科」を開業。開業場所としてこの土地を選んだのは、知り合いの先生から場所を紹介されたことがきっかけです。実際に訪れてみて「ここなら理想の歯科医院が開ける」と感じたので、ご縁を大切にし、この地に決めました。私が歯科医師をめざしたきっかけは、家族の影響です。祖父、祖父のおじ、父が歯科医師という家系で、自然とこの道を選びました。小学生の卒業アルバムでは、すでに「将来の夢は歯科医師」と書いていましたね。
将来的に取り組んでみたいことは何ですか?
すでに始めている医科との連携をさらに強化したいと考えています。究極の健康をめざした医療を提供するためには、歯科だけの取り組みでは限界があります。そのため、将来的には医師を雇用し、さらに広範な健康管理を提供していきたいと考えています。具体的には、食事や栄養の改善を通じて、体の内部から栄養状態を整える取り組みを強化できたらと考えています。歯だけでなく全身の健康をサポートしていくことが目標です。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

私が皆さんに一番お伝えしたいのは、「知識が病気を予防する」ということです。虫歯や歯周病は予防できる時代になってきましたが、まだ十分に知られていないのが歯並びの重要性と悪くならないための予防法です。歯並びは見た目だけの話ではなく、体の成長や健康に大きな影響を与えます。また、私が特に重視しているのが食事です。歯科医院は、単に歯を治療する場所ではなく、質の良い食事を取るための支援を行う場であるべきだと考えています。健康の4つの柱は、「食事・睡眠・運動・ストレスコントロール(精神)」です。これらをバランス良く整えることが、病気を予防する第一歩といえるでしょう。こうした生活習慣の課題に対し、これからも当院では質の高い情報の提供に努めていきたいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/44万円~、成人矯正/88万円~