小川 尊明 院長の独自取材記事
おがわ口腔外科クリニック
(木田郡三木町/池戸駅)
最終更新日:2023/09/27

口腔外科専門の「おがわ口腔外科クリニック」。広々とした院内は全面バリアフリー設計のため、車いすやベビーカー利用者も安心だ。院長の小川尊明先生は愛知学院大学歯学部歯学科を卒業後、長年にわたり大学病院や基幹病院の歯科口腔外科で研鑽した口腔外科のスペシャリスト。多くの人々が負担なく専門的な治療を受けられるようにしたいという思いから、開業を決意したという。日本口腔外科学会口腔外科専門医として、親知らずの治療やインプラント治療、顎関節症の治療、外科的矯正治療、口腔がん検診など幅広く対応。「地域の皆さまに専門性の高い口腔外科治療を提供していくことをめざしています」と穏やかな口調で語る小川院長に、開業の経緯から今度の展望まで幅広く聞いた。
(取材日2021年5月13日)
口腔外科に特化。専門性を生かした診療を提供する
まずは開業までの経緯をお聞かせください。

愛知学院大学歯学部歯学科を卒業後、20年以上にわたり大学病院や基幹病院の歯科口腔外科で経験を積みました。大学病院などでは、予約して来院されても待ち時間が長くなりがちです。また、診療が平日の日中に限られていることも多く、一度で治療が終わらない場合、何度も仕事を休まなければならないなど、患者さんの負担が大きいのが現状です。長年そうした診療を続けるうちに、「本当に患者さんに寄り添えているのだろうか?」と疑問を感じるようになりました。「もっと患者さんが負担なく専門的な治療を受けられるようにしたい」と思い、口腔外科に特化したクリニックを開業することを決意したんです。当院では午前も午後も外科的処置を行っていますし、土曜も診療しています。親知らずの治療のために土曜に来院される患者さんも多いです。
口腔外科に特化されているのですね。
「大学病院などでの長年の経験を生かして患者さんをお助けしたい」という思いから、口腔外科に特化したクリニックにしました。親知らずの治療やインプラント治療、外科的矯正治療など幅広く対応しています。私は現在も香川大学医学部附属病院に非常勤で勤務しているため、大学病院と連携して口腔がんの診療を行うことも可能です。また、上顎や下顎のずれが見られる顎変形症の治療も得意としていますし、耳の前にある顎の関節が痛くなったり音がしたりする顎関節症の治療も行っています。さらに、大きく口を開けた際などに顎が外れる顎関節脱臼の治療経験も数多く積んできました。歯の欠損などが原因で顎が外れやすい状態になっている患者さんをお助けしたいと開発に取り組んだ顎関節脱臼の固定装置も使用します。お困りの方はぜひご相談ください。
どんな患者さんがおみえになっていますか?

小さなお子さんからご高齢の方まで幅広く対応していますが、中でも、10代から30代くらいの若い患者さんの割合が多いでしょうか。主訴としては、親知らずに痛みや腫れがあるなど、親知らずの抜歯のためにおみえになる患者さんが多いです。当院では、大学病院で行うような難症例の親知らずにも対応しています。実際、来院される患者さんの7割以上が、親知らずの抜歯に対応していない一般歯科や矯正歯科のクリニックなどからのご紹介でいらっしゃっています。そのような患者さんが来られたら、当院で治療を実施し、治療後再び紹介元のクリニックに戻って、虫歯治療や入れ歯治療、矯正などを継続して行っていただく流れになっています。
豊富な経験をもとに、親知らずの治療に力を入れる
親知らずの抜歯に力を入れていらっしゃるのですね。

口腔外科専門医として、親知らずの治療に関して数多くの経験を積んできました。当院では、状態によっては初診での抜歯も可能です。検査も含めて60分ほどで行うなど、負担の少ない治療を心がけています。もちろん、親知らずがきれいに生えているなら抜く必要はありません。しかし、実際にはそのようなケースは非常にまれで、抜歯を必要とするケースのほうが多いのが現状です。年齢を重ねるとともに、高血圧症や糖尿病などいろいろな病気を患う可能性もありますので、抜歯する必要があるのであれば、健康で傷の治りも早い若い時期に行うほうが良いと思います。また、妊娠中に親知らずが痛くなったり腫れたりした場合、薬や麻酔の使用が制限され、治療が難しくなる可能性もあるため、特に若い女性の方には早めに対処することをお勧めしています。
院内設備にもこだわっていらっしゃるようですね。

口腔外科を専門としていますので、診療室のスペースを広く取ることにはこだわりました。口腔外科では外科的な処置を行うことが多く、私1人だけでなく、複数のスタッフたちと協力して治療を進めなければならないため、広い診療スペースが必要になるのです。当院では、個室・半個室の診療室を設けているのですが、すべての診療ユニットで手術を行えるよう、各診療室とも十分なスペースを確保しています。車いすやベビーカーはもちろん、ストレッチャーに寝た状態で入ることも可能です。今はまだ準備が整っていないのですが、全身麻酔装置を入れて、全身麻酔が必要な手術を行うことも予定しています。さらに診療設備として、デジタルエックス線装置や歯科用3DCTなども導入しています。
患者の立場に立って、負担の少ない治療を心がける
診療の際にはどんなことを大切にしていますか?

患者さんがお困りの症状を取り除いて差し上げることを大切にしています。医療の目的は、「病気を治すこと」です。症状を改善して差し上げられないなら、医療の役割を果たせていないように思えるのです。また、痛みに配慮した治療を心がけたり、治療時間や通院期間が短くて済むようにしたりするなど、患者さんの負担をできる限り少なくするようにも努めています。こうした工夫が患者さんに伝わり、結果、皆さんに喜んでいただけると大きなやりがいを感じます。
休みの日はどのようにお過ごしですか?
休みの日は家族と一緒に過ごすことが多いです。大学病院に勤務していた頃は、診療・教育・研究という3つの職務を果たさなければならなかったため、毎日が忙しく、なかなか家族とゆっくり過ごす時間を持つことができませんでした。今は教育と研究に充てる時間が減った分、時間の余裕ができ、自分の時間や家族との時間を大切にできるようになりました。
今後の展望についてお聞かせください。

当院は口腔外科を専門とするクリニックとして、親知らずの抜歯やインプラント治療、顎関節症の治療、顎変形症の治療、外科手術を伴う外科的矯正治療、口腔がん検診など、幅広く対応しています。今後も、ほかの歯科クリニックや病院から紹介していただいた患者さんも含め、地域の皆さまに専門性の高い口腔外科治療を提供していくことをめざしています。
最後に、読者に向けたメッセージをお願いします。
難症例の親知らずの治療など、ほかの歯科クリニックや病院で「治療が難しい」と言われた場合でも、一度当院にいらしていただければと思います。親知らずの治療に関しては豊富な経験を有していますので、痛みや腫れでお悩みなら、ぜひお気軽にご相談ください。また、口腔がんが疑われるような場合は、できる限り早めに受診していただきたいです。口腔がんは痛みなどの症状があまりなく、口内炎などと区別がつきにくいものです。早く見つかれば簡単な治療で済みますが、進行すると手術など大がかりな治療が必要になりかねません。当院は口腔外科専門のクリニックとして、口腔がんの診療にも対応しています。お口の中に何らかの異変を感じているなら、どうぞお早めにご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント埋入手術(1次手術)/18万9000円~、インプラント埋入同時2本目から/13万9000円、骨造成(GBR)/5万円、サイナスリフト/15万円、上部構造/19万5000円