高橋 美保子 院長の独自取材記事
みこ歯科医院
(北九州市小倉南区/守恒駅)
最終更新日:2021/10/12

北九州モノレール・守恒駅から徒歩10分の場所にある「みこ歯科医院」は、高橋美保子先生が院長を務めるクリニックだ。院長以下、スタッフはすべて女性で、妊婦、乳幼児から高齢者までの幅広い悩みに丁寧に対応している。「治療も人と人との心のやりとりです。わからないことはなんでも聞いてほしいですし、こちらからの心配りも欠かさずにいたいですね」と、明るくはつらつと話す高橋院長。まさにスタッフと一丸となって、家族ぐるみでの歯の悩みに向き合い、地域患者のニーズに耳を澄ませていく。「いつも笑顔と真心で」というモットーを掲げる高橋院長に、小児歯科への取り組みや診療スタイル、今後の展望などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2021年6月28日)
家族ぐるみの付き合いで、地域患者の歯を守っていく
どんな患者さんがいらっしゃっていますか?

地元にもともと長く住んでおられる高齢者の方や、私と同世代のお母さん方、そのお子さんたちがメインだと思います。開業して意外だったのが、男性の方も多いという点です。会社帰りや土曜などにいらしてくださいますね。もしかしたら私やスタッフが女性なので、逆に不安点などもしゃべりやすく感じてくださっているのかもしれません。この場所に開業した理由の一つに、この町の雰囲気がとても好きだったという点があります。また自宅はクリニックから徒歩5分ほど、私自身の子どもたちが通う小学校も近くにあるため、いわゆるママ友さんたちも来てくださいますし、その旦那さんや職場の方へと、クリニックの輪がだんだんと広がっていっている感覚です。
すてきな関係を築いておられますね。相談にはどのようなものが多いのでしょうか?
一般歯科に加え小児歯科もありますので、相談内容はかなり幅広いです。意外と検診を希望される方も多く、どの主訴が最も多い、というような偏りはありませんね。虫歯やメンテナンスといった相談をメインに、妊婦さんの場合はお子さんが生まれた後にお子さんの歯にどう接していくかなども説明しています。子どもがいるスタッフもいますから、お母さんの診察中はスタッフにお子さんを預けることもできます。高齢の方であれば歯周病、学校に通っているお子さんであれば虫歯など、年齢に応じたお悩みもよく伺います。ですから、患者さんたちとは本当に、家族ぐるみのお付き合いをさせていただいていると思います。
先生が診察を行う際に心がけていることは何でしょうか。

小児歯科の場合はお子さんが相手ですから、緊急性がない場合は無理にその日に治療をしないこともあります。痛みがあって眠れない、腫れている、今日しか連れてこれないといった緊急性があれば「今は痛いかもしれないけどごめんね」となだめながら治療を行うのですが、子どもなりに治療の必要性を実感するのか、案外次の診察ではけろりとして来てくれることも多いです(笑)。そうでなければ、まずは診察台に一人で座れるようにする、歯磨きの練習をする、といったところから始めていきます。大事なのは、子どもだからと嘘はつかないことですね。子どもは大人が思っているよりもしっかりしていますから。もちろん治療にはお母さんにも一緒に入っていただきます。おやつの与え方や食事の食べ方、歯磨きの仕方を伝え、「一緒に治していこう」という意識を持ってもらい、協力し合いながら治療を行っていくというスタンスです。
目配り・気配りを大切に、患者の思いをくみ取っていく
では大人の方に対してはいかがでしょうか?

患者さんが何を求めているのかを、しっかり把握することですね。医学的にはこの方法が一番良い、と私たちが考えたとしても、時間的・金銭的な理由でそれが難しいことも往々にしてあります。そこに就職やお子さんの子育てなど、患者さんのバックグラウンドも加味した上で、最もバランスの取れた治療を提案することが大事なのだと思います。そのためにも、患者さんとたくさんお話しするよう心がけていますね。当院で予約制を導入しているのもそのためです。例えば抜歯をするとなれば、次の対処法としてインプラント、ブリッジ、入れ歯がありますが、それぞれのメリット・デメリットをしっかり説明した上で、患者さんとともに解決策を探っていくのが当院のやり方です。
患者さんの年齢を問わず、一緒に治療するという姿勢は変わらないと。
その日の治療の目的や内容は、私だけではなくスタッフからも説明をするように徹底していますし、ほかにも、前回の治療後に体調の変化はないか、今日の体調はどうかといった目配り・気配りは欠かさないようにと、こちらもスタッフにしっかり伝えています。体調が悪いのに大きな治療はできませんし、中にはクリニック側に迷惑をかけてはいけないと思い、我慢されている方もおられます。そういった方が遠慮なくお話ししてくださる雰囲気づくりも大事ですよね。またその日の治療内容に限らず、次回は何をするのか、どういう治療方針になっているのかなども、都度確認しながら進めていきます。
先生やクリニックは、地域の皆さんのお口に関する最初の窓口といった立ち位置に見えますね。

そうかもしれませんね。相談内容も幅広いため、それに対応できるだけの幅広い知識と視野が求められていると自覚しています。もし当院で対応が難しいものがあれば、九州歯科大学附属病院など、信頼できる医療機関にご紹介します。私自身、子どもの頃に矯正を受けるために通ったなじみ深い場所でもあるんです。歯科の治療は本当に奥深く、常に勉強をし続けないと患者さんのニーズには応えていくことは難しいものです。そのためにもセミナーや勉強会には、これからもできる限り参加したいと考えています。
治療も人同士の付き合い。心からの信頼関係を構築する
真新しい雰囲気の院内ですが、こだわった点などありますか?

真っ白だともちろんきれいな印象にはなるのですが、一方で敷居が高い印象にもなるのでは、と考え、暖色系の色味を多く取り入れています。ユニットの仕切りにも布の素材を使うなど、やわらかい雰囲気になっているといいなと思っています。今はまだ開業して間もないため、地固めしながら患者さんとの信頼関係を構築し、さらにそれを強固にしていく段階かと感じていますが、今後は自費診療などのニーズにも対応していきたいと考えています。個室のユニットを増設し、ほかの音を気にしなくていい状態で治療に専念できれば、歯科医院に対する怖さなどを払拭することができるかもしれないですしね。
ほかにはどんな展望を考えておられますか?
訪問診療です。こちらは今すぐにという声があるわけではないのですが、患者さんもクリニックもいずれ年をとっていくものです。私自身、20年、30年と働き続け、この地に骨を埋めるつもりで開業しましたから、訪問診療というかたちであっても患者さんと長くお付き合いしていければと思っています。今診させてもらっている患者さんたちが何らかの理由で通えなくなったとしても、私が歯のメンテナンスの一端を担うことができればと思っています。
今後もスタッフさんとともに、幅広いお悩みに対応していかれるのですね。

スタッフもそれぞれに家庭のことなどをこなしながら、互いに助け合って勤務してくれています。そうなると歯科衛生士については担当制が難しいのですが、その分「今日はここが気になりました」「ここが痛かったそうです」「転勤が決まったそうです」などと必ずメモを残し、全員が共有できるようにしてくれています。また、当院ではシーラントといって、削らなくていいほどのごく初期の虫歯に塗布する治療も行っています。虫歯予防の効果も期待できますし、お子さんに歯科医院の治療に慣れてもらうという点でも活用しています。ですからまずは本当に、小児歯科や一般歯科などにこだわらず、気軽にご相談に来てくださるとうれしいですね。妊婦さんからご高齢の方まで、皆さんが気軽に足を運んでくださる場所にしていきたいです。治療も人と人とのお付き合い。なんでもご質問いただき、心からの信頼関係を築いていければと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/25万円~、ホームホワイトニング/2万2000円~、全顎矯正66万円~88万円、拡大床矯正/8万8000円~