全国のドクター13,967人の想いを取材
クリニック・病院 156,691件の情報を掲載(2025年7月28日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 鹿児島県
  3. 霧島市
  4. 日当山駅
  5. 医療法人青翔会 きくち内科・糖尿病クリニック
  6. 菊池 晃 院長

菊池 晃 院長の独自取材記事

きくち内科・糖尿病クリニック

(霧島市/日当山駅)

最終更新日:2025/07/22

菊池晃院長 きくち内科・糖尿病クリニック main

JR日豊本線・隼人駅から車で約5分。広がる青い空と、心安らぐ田園の緑に包まれた「きくち内科・糖尿病クリニック」は、地域の医師会の病院で糖尿病の外来を約15年間担当してきた日本糖尿病学会糖尿病専門医・菊池晃先生が開いた、糖尿病を含めた生活習慣病を中心に診療しているクリニックだ。「糖尿病の食事のことでも、生活習慣病のことでも、心配なことがあれば気軽に来てください」とニッコリ笑う菊池院長の診療は、いつも世間話から始まる。その理由や開業当初から変わらず大事にしている思いについて、たっぷりと語ってもらった。

(取材日2025年6月4日)

糖尿病に関する無知を減らし、笑顔を増やしたい

まずは先生のご経歴からお話しいただけますか?

菊池晃院長 きくち内科・糖尿病クリニック1

もともと鹿児島の出身で、高校までは鹿児島市におり、大分医科大学に進学。卒業後、鹿児島に戻ってきました。僕が初期研修で入った第二内科は、消化器内科の教授をはじめ、神経内科と心療内科以外はすべての分野で専門家が在籍し、図らずも総合内科研修を受けることができました。その後、糖尿病を専門にしたいと思うようになり、専門の糖尿病診療グループに参加。隼人町にある現・霧島市立医師会医療センターに、非常勤で糖尿病に特化した外来の担当医として着任し、大学病院で診療や研究・教育にもあたりつつ、約15年間担当させていただきました。そのご縁があったので、開業するならやはりこの地域にしたくて、2019年に当院を開業しました。

開業当初から変わらず大事にされている思いがあると聞きました。

ええ。開業時からずっと、糖尿病に対する無知を減らし、笑顔があふれる社会を実現することをめざして頑張っています。糖尿病を持つ方の一番の心配事、問題点というのは、糖尿病に関する知識を提供される場所が少ないこと、糖尿病に関する知識が不足していることだと思います。どんな行動が、病状にどんな影響を与えるのか、を知った上でなら、自分の行動を選ぶことができ、その結果も受け止められるでしょう。しかし、無知な状態では選ぶこともできず、それで病状が悪化すれば後悔の念しかありません。また最近では、糖尿病を持つ方が「自己管理ができない人」という目で見られ、就職や出世で不利になるといったことが、社会問題化している面もあります。糖尿病は、30~40代以上では3~4人に1人はいるといわれ、誰にとっても他人事ではない病気です。正しい知識を知ることは、自分の幸せにも他人の幸せにもつながるので、みんなに知ってほしいんです。

正しい知識を伝えるためにさまざまな取り組みをなさっていますね。

菊池晃院長 きくち内科・糖尿病クリニック2

診療の待ち時間に見ていただけるように、待合室のテレビで糖尿病に関するスライドを流したり、ちょっとした掲示物で簡単にできる運動を紹介したりしています。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で長らくスタッフだけで活動を行っていた糖尿病友の会の勉強会も、患者さんに参加していただき、講演会やウォーキングなどを開いています。知識を得て、「今までこのくらいは食べても大丈夫だと思っていたけど全然違った」という方や「どうすればいいのかわからない不安が解消された」という方は多く、生活習慣を変えて、実際に体の変化を感じられたことが、前向きな行動変容につながることも少なくありません。常勤の管理栄養士も複数人在籍しており、いつでも気軽に相談できることもクリニックの特徴です。将来的には、患者さんだけではなく、地域全体で糖尿病の理解を深めてもらうことをめざし、これからもさまざま方法で知識の提供を続けていくつもりです。

診療は世間話から

診療にあたり大事にしていることは何ですか?

菊池晃院長 きくち内科・糖尿病クリニック3

糖尿病の患者さんを治療する鍵は、普段の生活の中にあるので、患者さんの生活状況を知るためにも、問診は丁寧に行うことを大事にしています。看護師にもしっかり行ってもらいますし、僕もなるべく時間をかけてお話を伺うようにしていますね。同じ方でも、「会社の異動で急に仕事が忙しくなったり、介護や子育てで外食やお弁当が増えたり、食事時間が不規則になった」など、生活が変化することはよくあります。その変化に気づいてあげられることが大切かなと。生活状況を知り、適切なアドバイスをお伝えすることで、異なる状況下でも薬を変えずに血糖値の改善が図れたら良いな、と思っています。それができれば糖尿病専門医としての役目を果たせたかなと思いますし、患者さんの笑顔と「ありがとう」の言葉は何よりのご褒美であり、励みになります。

患者さんとお話しする際に、心がけていることなどはありますか?

「この先生なら話しやすいな」と思っていただきたいので、世間話を大切にしています。生活状況を聞くにしても、いきなり本人に注目するのではなく、「こういうお仕事をされていると、こんなことがありますよね」とか、少し興味を持っていただけそうな世間話から始めますね。もちろん相性もあるので、うまくいかないときもありますが、そうして患者さんとコミュニケーションを取りながら、糖尿病改善の鍵を見つけていくんです。その分時間がかかってしまうところがあり、通院されている患者さんから「ちょっと待ち時間が長すぎる」と言われてしまうこともあります。その点は申し訳ないのですが、それでも通って来てくれているということは、診療方針や話を聞く姿勢そのものについては、評価していただいているのかなと思っています。またメリハリをつけて診察を行うようにも心がけています。

クリニックの基本理念として「自利利他」の精神を掲げられていますが、どのような意味なのでしょう?

菊池晃院長 きくち内科・糖尿病クリニック4

人の幸せや喜びが、そのまま自分の幸せになるという意味です。思いやりを持って患者さんから「ありがとう」と感謝していただけることを、何よりうれしく思う心を言葉で表すには、この「自利利他」が一番かなと。「まさにわが意を得たり!」との思いで、当院の基本理念に選びました。チームとして支え合いながら、患者さんに対して思いやりに満ちた利他の心で接することで、安心と満足いただける医療が提供できると考えています。

まずは知ることから始めよう

今後の展望についても教えてください。

菊池晃院長 きくち内科・糖尿病クリニック5

今は、大学病院から医師を派遣してもらって週3回は医師2人体制での診療ができているのですが、一緒に働いてくれる糖尿病の専門家を見つけて、毎日2人体制にしたいですね。また当院は、クリニックには珍しく複数人の管理栄養士が在籍していますが、食事管理は糖尿病の治療・予防のために一番重要なところだと思うので、こちらも体制を強化していきたいです。また、超音波検査や眼底検査の体制も整えることにより、糖尿病を持つ方で多いがんや合併症に備えたいですね。当院に来ていただければ、糖尿病の治療のだいたいの方向性をつけることができるように、提供できるものを増やしていければとの思いです。そして将来的には、低糖質のお惣菜やお弁当、低糖質料理のレストラン、運動のためのジムなど、健康を保つサポートができるサービスを通じ、糖尿病に限らず、皆さんが健康年齢を延ばすお手伝いができればと考えています。

この地域の中でどんな存在でありたいですか?

糖尿病の治療は、医師に看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士……と、関わるスタッフの幅が非常に広いのが特徴です。そういう糖尿病治療に関わる人たちを育てる場であり、医療機関の連携も取れるつなぎ役のような存在になれればなと思っています。また糖尿病を専門とする医師はまだ少ないですが、徐々に増えてきているので、切磋琢磨してこの分野を盛り立てながら、糖尿病の治療を続けていけたらと考えています。そして、今までの経験をはじめ、医師会病院や大学病院との繋がりを生かしながら、地域の方々に貢献していきたいです。

最後に、地域の皆さんにメッセージをお願いします。

菊池晃院長 きくち内科・糖尿病クリニック6

医師として育てていただいた霧島の地で、糖尿病の治療を届けられる場を設けられて、本当にうれしく思います。生活習慣病を含めた食事のことや不安なこと、心配なことなどありましたら、ぜひお気軽にお越しください。管理栄養士が常勤で複数人在籍しているので、食事のご相談にもいつでも乗ることができます。糖尿病という病名がつくことに負担を感じる方もいらっしゃると思いますが、本格的に投薬が必要となる前段階で治療を受けていただくことで、不自由なく一生を暮らせることも見込めますし、知ることで適切な行動を選択できるようになります。糖尿病は、体に良い行動を取れば、体がしっかり応えてくれる可能性がある病気でもあります。ぜひ、気軽にお立ち寄りください。

Access