長く持つためのインプラント治療
患者に向き合う丁寧な説明が基本
Toki Dental Clinic
(桑名市/桑名駅)
最終更新日:2025/04/11


- 自由診療
歯を失くしたときの選択肢の一つとして広まってきたインプラント治療。自由診療であることから費用に目が行きがちだが、機能的に注目すべき優れた点も多い。「Toki Dental Clinic」の加藤時規院長はインプラント治療に15年以上携わり、難症例を含むさまざまな症例に対応した経験を持つ。多くの患者の経過観察をする中で、優れた治療法といえどもきちんとしたセルフケアなしに良い状態を長く保つことは難しい、と言いきる。また全身疾患がある場合、病状の悪化によって口内に影響が出ることも。「治療について患者さんに理解していただくため、丁寧なカウンセリングを心がけています」と話す加藤院長に、インプラント治療において本当に大切なことを教えてもらった。
(取材日2025年3月11日)
目次
インプラントを長持ちさせるためには、患者自身が知識を持ち、術後しっかりケアをすることが大事
- Qインプラント治療とはどのようなものですか?
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A
▲インプラント治療の経験が豊富な加藤院長
大きな特徴は、歯を失くしたその箇所でしっかり噛むことを目的とした治療ということです。ブリッジや入れ歯は、噛む力を周りの歯が分担するかたちとなるので、歯を失った箇所の噛む力が回復するわけではありません。その点インプラントは人工歯根が顎の骨と結合するため、その歯が単独で自立する構造となります。その結果、天然歯のような噛み心地が期待でき、ブリッジや入れ歯と比較してほかの歯を守ることにもつながるのです。国内でインプラントが誕生して40年以上たち、私は15年以上治療に携わっています。インプラント自体も進化して骨との密着性も良くなってきており、治療期間は短くなっています。手術も低侵襲の技術が進んでいます。
- Q自由診療で高額なので、良いものだと思いますが少し悩みます。
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A
▲術後の継続的なケアが大切
そうですね。歯1本に数十万円かかることにためらう方が多いのは当然だと思います。しかし説明を聞いて良さを感じ、価値があると思って治療を受けられる方も少なくありません。ただ、良い治療ではありますが、患者さんご自身が「歯をきれいに保とう」という意識を持たないと、術後、きれいな状態が長持ちしない恐れがあります。というのは、インプラント自体は人工物なので虫歯になりませんが、ケアを怠れば周囲が歯周病のように炎症を起こすリスクがあるからです。当院ではカウンセリングで、ケアを続ける重要性についてもお話しし、納得いただいてから治療に進むため、「早くしてほしい」という方には向いていないかもしれません。
- Qインプラント治療の際に気をつけておられることは?
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A
▲大学病院と同等レベルの安全・衛生管理を徹底する
20代前半といった若い方にはお勧めしないこともあります。年齢を重ねて歯茎が成熟してくると歯や歯茎の位置が少しずつ変わってきますので、インプラントを入れても将来的に何らかの介入が必要になるかもしれないからです。実際、当院に来られる患者さんは40代以降、60歳前後の方が多いですね。また当院では健康診断表を持参していただくのですが、全身疾患をお持ちの方には気をつけています。特に糖尿病や骨粗しょう症の方などは、病気が進行すると口内にも影響が及び、骨に問題が起きたりインプラント周囲炎を起こしやすくなったりすることも。術後に抗がん剤治療を始めた方も注意が必要です。
- Q治療方法を選ぶ際のポイントはありますか?
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A
▲患者の希望をくみ取り、先の見通しについても伝えるよう心がける
人により、噛む力、見た目など重視されるポイントは違いますが、しっかり噛みたいということであれば、入れ歯は天然歯と比べて噛む力が3割程度といわれています。噛むと入れ歯が沈む、噛み切れないという問題も。ではブリッジはどうかというと、両隣の健康な歯を削るのかという問題が出てきます。過去に根管治療を受けた方は、強い力で噛むと痛みや歯根破折のリスクがあります。そう考えると最初にお話ししたようにインプラントの選択肢が残るのではないかと思います。歯科医師としてはどの治療においても全顎的な観察は大事で、欠損した歯の隣の歯は健康か、将来的にはどうか、見通しを立ててお話しするようにしています。
- Qこちらで行っているインプラント治療の特徴を教えてください。
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A
▲カウンセリングを重視し、事前にしっかりと検査や説明を行う
私は長年大学病院で手術をしてきましたので、患者さんの全身管理や、器具、手術室については同等レベルの安全・衛生管理を徹底しています。歯科用CTを備えているほか、コンピューターガイドシステムを取り入れており、コンピューター上でCTデータをもとに治療計画を立てて、ガイドとなるテンプレートを作製、正確なインプラント埋入に努めています。術中、テンプレートを外して自分の目で見て確認もしています。当院では入れ歯とインプラントを組み合わせたり、ケースによっては難易度の高い前歯にインプラントを入れたりすることも可能です。また抜歯後即時埋入法や2回法など、ご希望や症例に合わせた治療計画を立てることができます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万7000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。