なるべく歯を残すスウェーデン式
歯周病の専門家による歯周病治療
うえだ歯科 小田急藤沢クリニック
(藤沢市/藤沢駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
歯周病は、その原因となる細菌によって歯茎に炎症を起こす感染症で、放置すると歯の根元の歯槽骨を溶かし、最悪の場合は歯が抜けてしまう病気。近年では、歯周病は糖尿病や心臓の病気と因果関係があることもわかってきている。日本では成人のほとんどが歯周病に罹患しているともいわれており、歯を失う原因の上位に入っているが、初期には自覚症状がないため、どうしても発見が遅れがちになる。このような問題に向き合い、歯を失わない治療を求めてスウェーデン式の歯科医療を取り入れ、予防を重視した診療を行う「うえだ歯科 小田急藤沢クリニック」の上田順一理事長に、歯周病の検査方法や歯周病予防の先進国ともいわれるスウェーデン式の歯科診療、実際の歯周病治療やメンテナンスなどについて詳しく聞いた。
(取材日2021年7月8日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qこちらの歯周病検査の特徴を教えてください。
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A
歯周病の検査では歯と歯茎の間の歯周ポケットの深さを測定します。一般的には1本の歯につき1ヵ所を測定しますが、当院では見逃しのないように1本につき6ヵ所の歯周ポケットを測定します。歯石を除去する際は超音波スケーラーを使い、歯や歯茎へのダメージをできるだけ軽減しています。通常の先のとがったスケーラーで削るようにして取り除くと、歯茎から出血したり、歯の表面が傷ついたりして、それらが原因で病気につながることがあるのですが、超音波スケーラーはそうしたダメージを抑えやすいとされています。当院では、歯周病治療の先進国とされるスウェーデンのイエーテボリ大学歯周病科で使用されている機材を導入して治療しています。
- Qスウェーデンの診療スタイルとは、どんなものなのでしょうか?
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A
歯周病予防の先進国としても知られるスウェーデンの歯科医療は、虫歯や歯周病の予防を中心にした患者中心主義の診療スタイルが特徴です。メンテナンスの考え方はスウェーデンでは当たり前のこととして受け入れられています。当院でもスウェーデン式の診療を取り入れ、歯周病治療に力を入れています。予防やメンテナンスに根差した治療ですが、特別な機械や薬を使った治療ではありません。歯周病菌を減らし、歯をなるべく残すための治療を提案しています。歯周病は虫歯よりも歯を失う確率が高いと考えられますが、初期は自覚症状がないため発見が遅れがちになります。健康な歯を保つためには、歯科での定期検診と日々の正しい予防ケアが大切です。
- Qこちらでは重度歯周病の専門的な外科治療に対応できるのですね。
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A
歯周病が進行すると歯肉が炎症を起こして歯がぐらぐらするようになり、さらにひどくなった場合は、歯肉を切除する外科的処置や歯周組織再生療法などを行います。当院では、保険適用の薬剤を用いて再生療法を行っています。この薬剤の作用により、歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進するという治療法です。しっかりと歯周病治療が施された歯は、補綴処置を行ったとしても、適切なケアを行っていけば長い間持たせていくことが可能です。私は日本歯周病学会歯周病専門医の資格を持ち、多くの経験を積んでいますので難しい症例にも対応できますし、また当院には歯周病について専門的に学んだ歯科衛生士も在籍しています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1初診、カウンセリング
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まず「患者の話をじっくり聞いて要望を引き出し、治療方針を立てる」という診療方針に従ってカウンセリングが行われる。どんな治療でも、土台となるのは歯周病治療と予防、プラークコントロールだそう。治療期間や費用など、治療に関する質問などもできる。
- 2歯周病検査と診断
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歯周病治療の基本は、歯1本1本の写真を撮り、歯周病にかかっていないかを綿密に調べていくことである。まず検査時に歯と歯茎の間の歯周ポケットの深さを測定する。一般的には1本の歯につき1ヵ所のみを測定するそうだが、同院では見逃しがないよう1本につき6ヵ所のポケットの深さを測定する。さらに精度の高い検査を行うため、口腔内写真の撮影や口の中を10枚に分けて撮影するレントゲン10枚法を実施している。
- 3軽度の場合の治療
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超音波スケーラーやキュレットスケーラーを使用して歯石を除去。歯石は歯面に付着したプラークに唾液中のリン、カルシウムが混じって石灰化して歯に付着したもので、それ自体に病原性はないものの、表面がでこぼこしていて歯垢がつきやすいために取り除くそう。また、同院では、う蝕予防のためにエリスリトールを配合した薬剤を使用したエアーアブレーションを行い、最後は正しいブラッシング方法なども伝えている。
- 4重度の場合の治療
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フラップ手術(歯肉剥離掻把術)による外科治療を行う。フラップ手術は、歯周病基本治療で除去できなかった歯周ポケットの深い部分に存在するプラーク・歯石などをきれいに除去するために行われる歯周外科治療の一つ。歯肉に局所麻酔を行い、歯肉を切開、剥離してプラーク・歯石などを取り除く。歯周組織再生療法を併用して、失われた歯周組織の再生を促す工夫をすることもある。咬合の再構築にはインプラント治療も実施している。
- 5メンテナンス
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治療が終わった後の状態を維持するために、歯科医師のチェックと歯科衛生士による専門的なクリーニングが定期的に行われる。最低でも半年に1回は定期的にチェックを受けたほうがいいそう。進行した歯周病の治療が終わった場合は、1~3ヵ月のサイクルで来院し、安定した歯茎の状態を管理していくことが大切になる。必要に応じて歯周病菌を増殖させるバイオフィルムの除去や、保険診療よるエアーアブレーションの処置を行う。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本38万5000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。