川邉 裕美 院長、川邉 崇史 副院長の独自取材記事
ゆうデンタルクリニック横須賀
(横須賀市/北久里浜駅)
最終更新日:2021/10/12
「ゆうデンタルクリニック横須賀」は、神奈川歯科大学障害者歯科出身の川邉裕美院長と、弟で補綴分野を専門とする川邉崇史副院長が、生まれ育った横須賀の地元に貢献したいと開院したクリニック。同様に歯科医師となった2人の弟も非常勤医として診療をサポートする。症例によっては4人でカンファレンスを行うこともあり、多角的な視点から治療を提案できるのも強みだ。「基本的な考え方は共通するところがあり、きょうだいは、やはり面白いなと感じています」と裕美院長。障害者歯科分野や補綴分野、あるいは高齢者の診療など、それぞれの専門性や経験を生かし幅広い歯科診療に対応する。治療だけでなく正しい歯科予防を地域に広め、住民の健康と豊かな人生に貢献したいと語る2人に、クリニックの特徴や展望を聞いた。
(取材日2020年2月25日)
北久里浜駅前で、子どもにも高齢者にも通いやすい歯科
まず、開業までの経緯を教えてください。
【裕美院長】祖父と父は横須賀で眼科医院を開業していましたが、父は、実は歯科医師になりたかったとよく話しており、また私自身、矯正歯科治療を受けて歯で苦労したことから歯科医師を志したのです。神奈川歯科大学附属病院で、障害者歯科に携わる中で、地域における障害者歯科診療の必要性を感じ、また、自分で歯磨きができない方でも定期的に歯科を受診することで虫歯の予防につながることから、歯科予防をもっと広めたいと考えるようになりました。
【崇史副院長】僕も矯正歯科治療や虫歯治療も経験して歯科医療に興味を持ちました。大学卒業後、大学の補綴科でかぶせ物や入れ歯の治療に携わる中で、よく噛めずに生活の質が下がる高齢者が多いことを痛感し、地元で高齢者も通いやすいクリニックをつくりたいと姉に相談して開業しました。弟たちも歯科医師になり、別の歯科医院に勤務していますが、当院の診療もサポートしてくれています。
開業される際にこだわったのはどのようなところですか?
【崇史副院長】まず駅に近い立地を探しました。院内はもちろんバリアフリーで、ユニットのスペースも1台ずつゆとりを持って、車いすやベビーカーでの移動もしやすいようにしました。トイレにもおむつ替えシートを設置するなど、小さいお子さん連れや高齢の方が通院しやすいように、細かいところにも配慮しました。また、特に感染対策には力を入れ、設備も整えて滅菌対策を徹底しています。
【裕美院長】私も副院長も大学病院に長く勤務していましたから、それに準じるような、レベルの高さにこだわった感染対策を行っています。また、ゆうデンタルクリニックという名前は、母の名前と、優しい、あなたという意味からつけました。ロゴマークも、母ときょうだい4人で、この地域の健康を支えたいという願いを込めているんですよ。
診療面ではどのような特徴がありますか?
【裕美院長】診療面では、虫歯や歯周病の治療、入れ歯治療など一般的な歯科診療から、私の専門である障害者歯科まで幅広く対応しています。摂食・嚥下なども専門としていますので、それを生かし、高齢の方の訪問診療も行っています。
【崇史副院長】初診の時に、口腔内写真を撮って、お口の中の状態や必要と思われる治療について詳しくご説明し、患者さんに理解し納得していただいた上で治療を進めるのが特徴です。また歯科予防に力を入れ、特に歯磨き指導を徹底しています。きちんと歯磨きができるようになると、歯茎の状態にも良い影響があることが多く、その変化を口腔内写真で患者さんにもお見せして意欲を高めていただくようにしています。
一般歯科から、障害者歯科や訪問診療まで、幅広く対応
障害者歯科に対応するのも、こちらの大きな特徴ですね。
【裕美院長】私は、障がいのある方や、お体の不自由な高齢の方の診療に携わる中で、ただ治療をするだけでなく、その人の生活背景全体に寄り添い、信頼関係を築くことを心がけてきました。私にだけは心を許してくれるお子さんもいました。そんな寄り添い方をこちらでも実践していきたいと考えています。また、横須賀歯科医師会の横須賀口腔衛生センターや、大学病院でも診療を行い、一次医療、二次医療、三次医療すべてに携わっているので、地域の連携の中で専門家として求められる役割を果たしていきたいと考えているところです。
開業1年を経て、どのような感想がありますか?
【崇史副院長】0歳から100歳近くまで多くの患者さんに来ていただけるようになり、ご家族ぐるみの方も多く、当院の診療方針が受け入れられているとうれしく思っています。北久里浜はバスのアクセスも良いので少し離れたところからも来てくださいますし、転居された方が横浜から通ってくださることもあるんですよ。クリニックとしては、まだこれからという感じですね。僕たちもまだ不慣れな面もありますのでスタッフとお互いを尊重しながら、クリニックをより良くしていきたいと思っているところです。また勤務医とは違って、開業医はスタッフのことや経営面、歯科医師会の役割など、診療以外の仕事も多いということは実感しています(笑)。
きょうだいで診療することについてはいかがですか?
【裕美院長】副院長も下の弟たちもなんとなく考え方や動き方がわかるので、一緒に診療しやすいと感じています。また、きょうだい4人とも実家では歯科の話はせず、ここでは自然と診療の話になるなど、そのメリハリのつけ方が共通しているんです。オンとオフが同じように切り替えられるのは不思議でもあり、きょうだいの良いところかなと思っています。
【崇史副院長】姉とは出身大学も職場も異なり、一緒に診療するのは初めてなんですが、意見の相違はあっても、基本的には考え方が似ていて面白いですね。なんとなく相手の動きがツーカーでわかるんですよ。きょうだい4人それほど仲が良かったわけではないのですが(笑)、父が早くに亡くなり、母が女手一つで育ててくれたので、自然と団結するようになりました。それぞれに得意分野もあり、4人で症例に関してカンファレンスができるのも心強いですね。
予防歯科にも力を入れ、地域の健康づくりを支える
ところで、プライベートな時間の過ごし方は?
【裕美院長】根岸町の神輿会に入っていて、お祭りの時は近所の方と神輿を担いでいます。オフの時も、地域の方と一緒に過ごせるのは地元ならではですね。根岸町は地元出身の方が多く、私たちも知らない、祖父と父の眼科医院のことをご存じの方もいらっしゃるんですよ。
【崇史副院長】僕は海と釣りが好きで、気分転換によく出かけます。誰かの誕生日には、それぞれの家族も一緒に実家に集まったり、院長の家でスタッフも加わってバーベキューをしたり、みんなで楽しむ機会も多いですね。
今後の展望や、地域へのメッセージをお願いします。
【裕美院長】口は魂の入り口であり出口ともいわれます。口腔の健康を通して、いつまでも自分でおいしく食べられる、豊かな人生のお手伝いをしたいと思います。具体的には予防は最大の治療ともいえますから、子どもの時からの予防意識を高め、高齢になった時にも自分の歯で食べられるようにしたい。それは医療費の削減にもつながると思うのです。また年代に応じた対応もあるので、定期検診を活用していただきたいですね。例えば中高生は部活動などで間食も増え虫歯になりやすい時ですが、定期検診の習慣があれば、親子関係を悪くすることなく私たちが適切に指導できると思います。そして、女性は40代頃から体とともに口腔内も変化していくので、美容院に行くように、お口をケアする気持ちで定期検診やメンテナンスに来ていただきたい。そうすることで全身の健康にも役立つと思います。
副院長はいかがですか?
【崇史副院長】「痛い」「行きづらい」といった歯科医院のイメージを変え、痛みがなくても定期的にメンテナンスを受けていただけるような存在になりたいですね。また、歯磨きの重要性をもっと伝えたいと考えています。歯磨きはとても手軽であり、毎日正しい歯磨きをすることは健康への近道です。自分で自分の健康を守るという意識改革をしていただきたいと思っています。人生100年の時代ですから、歯や口の健康を長持ちさせるためには、若いうちからの適切なメンテナンスが必要です。また、親御さんが健康意識が高いと、自然とお子さんも高い健康意識を持つようになるものです。お子さんの将来のためにも、親御さんが見本となって、お口の習慣も教育していただきたい。そのサポートは、僕たちに任せていただきたいと思います。