福島 康久 院長の独自取材記事
ふくしまクリニック
(神戸市灘区/六甲駅)
最終更新日:2024/12/13

阪急神戸本線・六甲駅から徒歩2分、2019年に開院した「ふくしまクリニック」は脳神経外科・脳神経内科を専門とするクリニックだ。院長を務める福島康久先生は、脳神経外科の医師として救急病院で多くの急性期治療に携わってきたエキスパートで、開業前には療養型病院での診療にも携わり一連の流れをすべて経験。豊富な知識とスキルを生かし、地域における脳卒中の予防や早期発見・早期治療、アフターフォローに注力している。院内には閉所に恐怖を感じる患者に配慮したオープン型MRIを導入。土日も含む即日の検査・診断に対応しているという受診のしやすさも大きな魅力の一つだ。来院ハードルが高いと感じられやすい診療科目でありながら「気軽に使ってもらえるクリニックでありたい」と笑顔で話す福島院長に、同院の特徴を聞かせてもらった。
(取材日2024年12月2日)
脳神経外科で急性期治療から療養まで一通り流れを経験
院長はどういったご経歴を歩まれてきたのですか?

兵庫医科大学を卒業し初期研修を受けた後は、救急病院に勤務しながら脳卒中や外傷などの救急疾患の治療を担ってきました。開院前には療養型病院にも勤め、急性期治療を終えた患者さんのケアやリハビリテーションに携わった経験も非常に勉強になりましたね。脳卒中は半身が痺れたり、普段と異なる頭痛やめまいなど、前兆のある場合が多いのですが、「こんな症状で病院に行っていいのかな?」と思われて、長く我慢される方も多くいらっしゃいました。そして倒れてしまったり、急に意識を失うなど、重篤な状態になられてから救急車で運ばれてきて、「もう少し早く病院に来られていたら……」と心残りのあるケースをたくさん目の当たりにしてきました。こうした経験から、当クリニックで私は気軽に来院できて、検査を行い、病気の早期発見・早期治療につなげる役割を全うしたいと考えています。
開院に至った経緯も教えてください。
もともと、開院することはあまり考えていなかったんです。そんな中、私の大学の先輩であり、当クリニックのお隣で「ねもとクリニック」を営んでいる根本康院長からお声がけいただいたことがきっかけとなり、2019年にオープンしました。ねもとクリニックはCTを導入されており、当院にはMRIがありますので、ここに来ていただければ、両院で連携しながら病院レベルの検査が受けられる体制が整っています。
どういった患者さんが訪れていますか?

満遍なく幅広い世代の方が来られていますが、40代から60代の女性が多い傾向にあります。車いすの方も来られますので、院内のバリアフリー設計は必須で取り入れました。訴えられる症状としては頭痛が圧倒的に多いほか、手足の痺れやふらつき、めまいなどでしょうか。MRI検査をしてみると脳卒中や脳腫瘍が見つかり、緊急の治療や入院が必要な場合も考えられます。そういった場合は、連携する病院へ迅速にご紹介して、大事に至らず済むようつなげる役割もクリニックとして大事だと思っていますし、少しでも何らかの症状があれば早めに受診いただきたいです。検査をして何もなければ安心できますし、一定の確率で病気が隠れている恐れもありますので、我慢せずにいらしていただければと思います。
検査の間口を広げるオープン型MRI
オープン型MRIを導入されているそうですね。

はい。MRIというと、ドーム型のタイプをイメージされる方も多いのではないでしょうか。オープン型MRIは装置が上下に分かれており、その間に横たわるような構造になっているので閉塞感が少なく、閉所が苦手な方や圧迫感が怖いと感じる方も安心して検査を受けていただくことができると思います。実際に、これまでドーム型MRI検査で怖い思いをされた方や、検査自体受けられなかった方が、遠方からもいらしていますよ。それでも恐怖心が強い場合には、眠っているのとほとんど同じ状態で行うために、静脈麻酔を使用しての検査も可能です。MRI検査の間口を広げられるといいなと思っています。
地域のクリニックでMRI検査を受けられること自体が、大きなメリットですね。
大きな病院でMRI検査を受ける場合、初診や検査、診断とたくさん通院する必要があり、なかなか気軽に検査を受けに行こうとはならないと思うんです。当クリニックでは、予約がたくさん入っているタイミングに飛び込みで来られた場合など、全例がすぐに検査できるとは限りませんが、基本的には即日検査が受けられ、当日に検査結果をお渡しします。患者さんの時間的な負担が少なく、気軽に使えるクリニックならではのメリットを感じていただけるのではないでしょうか。土日にも検査を行っておりますので、平日はお仕事などで忙しくて時間が作れない方も、ご活用ください。
どんな時にMRI検査を受けるべきですか?

MRI検査では脳梗塞や脳出血の発見や診断に役立つほか、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の有無のほか、認知症や筋萎縮性側索硬化症といった神経変性疾患を見つけるために役立ちます。激しい頭痛や体の半分が痺れる、ろれつが回らなくなるなどいった症状がある時、突然起こった場合は、注意が必要です。脳卒中の可能性が高いので、そういった時は迷わず受診し、検査を受けていただくことをお勧めします。脳卒中は、長引くと予後が悪くなり、症状が現れてから適切な治療を受けるまでの時間が大切ですので、早めにご連絡ください。また病気を予防するため、健康診断で異常が見つかった際には、血圧やコレステロールなど血糖コントロールの管理を含めた治療を行っていくことが大切です。脳卒中の方には糖尿病や高血圧症、脂質異常症といった基礎疾患を抱える方が多いため、当クリニックではこうした生活習慣病の管理も並行して行っています。
他にどのような検査に対応されているのですか。
脳ドックを行っています。MRI検査やMRA検査により、脳卒中や脳腫瘍などの早期発見につなげるのが脳ドックであり、脳動脈瘤を発見することが一番の目的であると考えています。脳ドックは高血圧症や脂質異常症、動脈硬化症などの基礎疾患をお持ちの方や、ご家族や血縁者に脳卒中やくも膜下出血になった方がいる方は動脈瘤がある場合が多いので、病気を未然に防ぐためにも検査を受けていただくといいですね。他には、神戸市の認知機能検査も実施しており、家族の様子がおかしいと気になられている方にいらしていただいています。こちらも、お気軽にご相談ください。
気軽に検査や相談ができるクリニックでありたい
ところで、院長が医師を志し、脳神経外科を専門に選ばれたのは、どういったきっかけからだったのですか?

父が内科の医師でしたので、幼い頃から身近な職業ではありました。まったく別の職業に就きたいと考えていた時期もありましたが、紆余(うよ)曲折あり同じ道に進むことに。私はもともと細かい作業をすることが好きで、顕微鏡を用いて手術することに興味や憧れがあったので、脳神経外科を専門とすることとなりました。医療の中でも頭や脳は未知の領域であり、確立されていない部分が多いことも魅力を感じた理由の一つです。
患者さんと接する際に心がけていることはありますか?
医学的知識のない方でも理解できるよう、かみ砕いた説明を意識しています。また、自分の考えを押しつけるのではなく、患者さんの話をよく聞いた上で、お悩みを解消できるよう努めています。近頃は病気について、インターネット上の多様な情報を調べて来られる方が多くいらっしゃいます。ご自身が受けられる検査や治療の情報を理解したいという思いを感じる一方、それらがすべて正しい情報ではないので、きちんとご説明させていただくことが大切ですね。気になることがあれば何でもご質問いただければと思います。当クリニックはホームページのほか、MRI検査専門サイトも公開しているんです。「実際、MRI検査って何ができるの?」とわからない方が大半かと思いますので、MRI検査や脳ドックが発見に有用な病気や気になる症状、検査の特徴などを紹介しています。ぜひ参考にしていただきたいです。
今後の展望と読者へメッセージをお願いします。

脳神経外科・内科と聞くと、来院ハードルが高く感じられる方が多いかと思いますが、気楽に相談にいらしていただける、使いやすいクリニックをめざしています。突然起こった症状や、気になる症状がある時は、様子を見たりお一人で悩まず、遠慮せずすぐにいらしてください。病気の早期発見や早期治療を促し、皆さんの健康維持に貢献できるよう努めてまいりたいと思います。お待ちしております。
自由診療費用の目安
自由診療とは脳ドック基本料金2万2000円
※静脈麻酔を使用して検査を受けられる場合、麻酔料8800円
オプション検査
頸動脈エコー6050円
採血(スクリーニングフルセット)8250円
心電図1650円
血圧脈波(動脈硬化の検査)1650円