井口 宗威 副院長の独自取材記事
ひらたクリニック
(羽曳野市/古市駅)
最終更新日:2025/12/23
消化器診療を中心に、内科全般まで幅広くカバーする「ひらたクリニック」。その一翼を担うのが、2023年に副院長として入職した井口宗威(いぐち・むねたか)先生だ。かつて職場をともにし、厚い信頼を寄せていた平田好正院長から「また一緒にやらないか」と声をかけられ、再び一緒に働く道を選んだという。井口副院長の穏やかで気取らない人柄は診察室に安心感を生み、患者が自然と心を開ける空気をつくる。「全力で患者さんと向き合いたいんです」と語り、生活に直結する便秘診療にも早くから関心を寄せ、言いにくい悩みに寄り添うスタイルを育んできた。幼い頃に家族を消化器疾患で亡くした経験は早期発見の重要性を胸に刻み、検査や診断への向き合い方を一層真剣にしている。そんな井口副院長に、診療への思いや歩みについて話を聞いた。
(取材日2025年11月28日)
言いにくい便秘の悩みに寄り添い、丁寧に向き合う
入職の背景には、平田院長とのご縁もあったと伺いました。どのような経緯でこちらに来られたのですか?

医師になって4年目の頃、平田院長と同じ職場で勤務したことがきっかけで声をかけてもらいました。食事に誘ってもらい、話を重ねるうちに、「一緒に働こう」と誘いを受けました。若い頃から折にふれて気にかけてくれた平田院長との縁に心を動かされ、2023年8月に副院長として入職しました。当院の特徴は、働き盛りの医師が2人いることで、フットワーク軽く診療にあたれる点だと感じています。消化器を中心としたクリニックではありますが、実際には幅広い相談が寄せられます。時には対応が難しい症状についても相談されることもありますが、信頼されている証ととらえて、地域の方々の困り事にできる限り応えていきたいと思っています。
便秘の診療に注力するようになったきっかけを教えてください。
専門とする消化器領域では便秘に悩む方を診る機会が多く、常々便通の問題は日常生活に深く影響するため、丁寧に向き合うべき重要なテーマだと感じていました。大学院時代は大腸・小腸の疾患を中心に、出血や炎症、腫瘍など患者さまの負担の大きい検査・治療に取り組んでいましたが、その経験だけでは地域医療での強みとして生かしにくいと考えていました。私は器用に何でもこなせるタイプではありません。だからこそ、多くの方が困り、生活の質にも直結する便秘にしっかり向き合いたいと思うようになりました。人に言いにくく我慢されがちな悩みに応えるため、勉強会や研究会で便秘の専門家の考え方を吸収しながら、自分なりの診療の軸を磨いてきました。
便秘で受診される患者さんには、どのようにアプローチしていますか?

実際の診療では、便秘であるにもかかわらず、自分が便秘と気づいていない方が多くいます。例えば、便秘と下痢を繰り返す方は硬い便を出すために腸が激しく動き、その反動でまだ、水分を吸収されずやわらかいままの便が続くことを下痢と認識する場合もあります。そのような場合は下剤を出しても不信感から薬を飲まなかったり、すぐにやめてしまう場合もあるため、まずは丁寧に話を伺い、時には検査を併用して、内服の必要性を理解していただくことを大切にしています。また、背景に大腸がんなど重大な病気が隠れていることもあるため、必要に応じて大腸内視鏡検査を提案し、検査の重要性を説明しています。
早期発見・早期治療を心に刻み、妥協のない検査を徹底
医師としてこれまでどのような経験を積んでこられたのでしょう。

卒業後、大阪医科大学(現・大阪医科薬科大学)で2年間スーパーローテーションで初期研修を受け、3年目に消化器内科へ入局しました。大学病院で1年間修行した後、最初の赴任先である星ヶ丘厚生年金病院(現・星ヶ丘医療センター)では、平田院長と一緒に働きました。その後は大学病院と複数の関連病院で消化器全般を広く学び、大学で得た学問的知識と実践で身につけた診断力が、現在の診療に生かされています。2023年には副院長としてひらたクリニックに入職しました。基本的な消化器内科の診療をしっかりと行いながら、必要に応じて一般内科まで幅広く対応できる点が自分の基盤だと考えています。便秘についても、長年学んできたテーマの一つとして、今後も丁寧に診ていきたいと思っています。
内視鏡検査を行う際に、特に心がけていることはありますか?
できるだけ楽に受けていただくことを大切にしています。同時に、せっかく時間をつくって来院していただく以上、診断に有用な情報を確実に拾いたいという思いから正確な診断につながる良い画像を得ることにも強く意識を向けています。胃の中や大腸が十分にきれいでないと観察が難しくなり、患者さんにとって不利になりかねないため、前処置の重要性や検査の意義については丁寧に説明し、最善の状態で臨んでいただけるよう配慮しています。検査中はできるだけ声をかけ、不安な気持ちを和らげられるよう努めています。
医師を志された背景についてお聞かせいただけますか?

両親がともに医師だったことは、私が医療の道を選ぶ上で大きな影響を与えました。幼い頃に家族を消化器の病気で亡くした経験もあり、早期診断や早期発見の重要性は、子どもの頃から心に刻まれていたように思います。内視鏡検査では「少しでも早く病気を見つけたい」という思いが常に根底にあります。消化器内科を選んだ理由としては、研修医時代に指導してくれた先輩方がこの分野に多かったことも大きいですね。一般内科として幅広く診られる環境で経験を積みたいと考えていた私にとって、消化器内科は自然と自分に合った場所だと感じられました。
目の前の患者に、知識と技術のすべてを注ぐ
これまでの経験の中で、特に印象に残っている学びはありますか?

指導者の先生方との出会いです。医師としての基礎を固める段階で、多くの先生に支えていただきました。医師年目の頃、私が診療に向き合う姿勢そのものを丁寧に教えてくださった先生がいます。医師としてどうあるべきか、患者さんへの接し方や立ち居振る舞いまで、時に厳しく、時に温かく指導してくれました。忙しい中でも向き合ってくださったことは、今の自分の礎になっています。大学病院時代に画像の見方や思考のプロセスを多角的に教えてくださった先輩方も忘れられません。さらに関連病院の先生方にも親身になって鍛えていただきました。振り返ると、私は本当に人に恵まれてきたと感じます。環境にも、仲間にも、指導者にも助けられながら、今の自分の診療スタイルが形づくられてきました。
日々の診療で大切にされている姿勢を教えてください。
「その日の全力で向き合う」ことを大切にしています。自分の体調や状況は日々変わっても、手を抜く診療だけは決してしたくありません。持っている知識や経験を、最大限患者さんに返したいと思い診療に向き合っています。患者さんとは、肩の力を抜いて話せる雰囲気づくりを心がけています。大学時代、人との距離感に悩んでいた頃に気さくな友人と出会い、自分から心を開くことの大切さを知りました。時に距離を縮めようとするあまり言葉が砕けてしまい、反省することもありますが、根底にあるのは「寄り添いたい」という思いです。気持ちを許していただける診療の時間をつくり、不安を残さないよう、患者さんお一人お一人に誠実に向き合っていきたいと考えています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

目の前の課題に一つずつ丁寧に向き合っていきたいと考えています。現在は待ち時間で患者さんにご負担をおかけしているので、スムーズに受診していただけるようにすることが今の課題です。便秘に悩んでいる方や、「そろそろ大腸内視鏡検査を受けるべきか」と感じている方、40~50代で一度も検査を受けていない方は、ぜひ一度ご相談ください。市販の下剤を毎日使わないと便が出ないという場合も、受診のタイミングです。「病院に行くほどではない」と思っている方も多いのですが、相談だけでもまったく問題ありません。これからも、目の前の患者さんのためにできることを積み上げていく医師でありたいと考えています。お一人お一人の悩みに真剣に向き合い、検査や治療が必要な場合はわかりやすくご説明します。どうぞ安心してご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/1万2000円~、大腸カメラ/3万4000円

