杉峯 貴文 院長の独自取材記事
西高松キッズクリニック
(高松市/香西駅)
最終更新日:2021/12/21

JR高松駅から車で10分、県道33号線沿いのメディカルビル4階にある「西高松キッズクリニック」。2019年に開業した同院は、一般的な小児科診療をはじめ、予防接種や乳幼児健診を行い、地域の子どもたちの健やかな成長を見守るクリニックだ。院長を務める杉峯貴文先生は、これまで複数の病院で診療経験を重ねてきたスペシャリスト。生まれ育った地元に貢献したいとの想いから開業し、グループ内の他クリニックとも連携しながら質の高い診療を提供している。「必要に応じて検査を行い、小児特有の病気をしっかりと見つけていきたい」という考えを持つ院長に、同院の特色や診療について、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2021年7月7日)
グループ内で連携し、小児の病気予防と発育をサポート
医師をめざしたきっかけと、これまでのご経歴を教えてください。

両親ともに医療関係者ではなく、幼少期は医療とは無縁の環境で育ちました。高校生になり、担任の先生から医学部への進学を勧められたのをきっかけに、医師をめざすことを真剣に考え始めたんです。私はもともと香川県出身なので、医療職に就くのであれば、生まれ育った地元に貢献したい気持ちが強くありました。それで、栃木県にある自治医科大学が地域医療に力を入れているということを知り、進学先に選びました。大学では、初期研修に出身地の病院を選ぶ制度があったため、卒業後は香川県立中央病院や直島町立ふれあい診療所、山口県にある国立病院機構岩国医療センターで経験を重ね、その後2019年4月に当院を開業しました。
クリニックならではの特色は何ですか?
一番の特色は、グループ内の連携が強固であるということです。当院にはエックス線装置などの検査機器は設置していませんが、診察で必要だと判断した場合は、検査機器を導入している関連施設にて、エックス線撮影やCT、MRIなどの検査を迅速に受けていただくことができます。血液検査に関しては、院内に検査室を有しているため、基本的な項目は調べることが可能です。何かしらの症状があって小児科に来院されるお子さんは、ウイルス性の感染症を発症しているケースがほとんどですが、ごくまれにそれ以外の疾患が隠れている場合もあります。感染症などの基本的な治療をきちんと行いつつ、そうした疾患を見落とさないよう注意を払い、状況に応じて検査を行うことを心がけています。
どのような症状で来院される方が多いですか?

毎年流行する夏風邪の時期などは、発熱や咳を訴えて来院される方が非常に多いです。夏風邪をはじめとしたウイルス性疾患を治療する際は、咳や鼻水などの症状を抑えるための薬を使って対症療法を行いながら、自然に治癒するのを待つのが一般的です。昨今は新型コロナウイルス感染症の流行もあって、発熱した場合に感染を疑って来院される方もいらっしゃるため、そうした不安を解消するべく、当院ではグループ内の別施設と連携することでPCR検査を実施しています。時代のニーズに合わせた医療体制を整えていますから、もしも検査を希望される場合は、事前にお知らせいただければと思います。
かかりつけ医として患者と長い付き合いをしていきたい
普段の診療において、心がけていることは何ですか?

お子さんだけでなく、保護者の方にも信頼していただける医療を提供することを大切にしています。ほかの診療科と違って、小児科は親子で来院されるケースがほとんどです。特に小さいお子さんの場合は、まだ言葉がわからない年齢であることも多く、お母さんやお父さんといった保護者の方に向けて説明をしていくのですが、伝え方に悩むことが多々あります。例えば、ウイルス性疾患などへの対症療法に関しても、必ずしも保護者の方と考えが一致するとは限りません。ですから、納得して治療に取り組んでもらえるような説明ができるよう、どのような言葉を選ぶかを考えながら日々診察を行っています。
これまでに印象に残っていることはありますか?
山口県の病院に勤務していた頃、妊娠23週で生まれてきた子がいました。通常は妊娠10ヵ月、2500〜3000gで生まれてくるのが、450gという小さな体でしたから、生存が非常に厳しい状態だったんです。それに、早産の場合は後遺症が残る可能性が高く、常に予断を許さない状況で……。しばらくNICUに入院しましたが、後遺症もほとんどない状態で無事に退院されました。そのときの喜びは今でもはっきりと覚えていますし、これまでの経験の中で一番印象に残っている出来事です。
小児科を選ぶ際のポイントを教えてください。

かかりつけ医を探すなら、自宅からの通いやすさを重視するに越したことはありません。ただし、小児科は生まれたばかりの新生児から中学生まで、幅広い年齢のお子さんを診る診療科であり、その分患者さん一人ひとりと長いお付き合いをしていきます。そのため、診察だけでなく予防接種や健診の際も、丁寧に接してもらえるかどうかはお子さんや保護者の方にとって大切な要素になってくるのではないでしょうか。当院では診察をはじめ、予防接種や乳児健診をとおして、この地域に住むお子さんの成長を近くで見守る存在でありたいと考えています。困ったことがあれば、何でも気軽にご相談ください。
待ち時間を軽減するなど通いやすい体制づくりも
工夫した診療を行っていると伺いました。

小児科を含めたすべての診療科において、昨今は待ち時間の長さが課題となっています。体調の悪いお子さんを長時間お待たせすると負担になってしまいますし、家庭や仕事の事情から利便性を重視されている保護者の方も少なくありません。ですから当院では、そうした負担を少しでも軽減できるよう、予約システムを導入しています。診察の際はなるべくてきぱきとした対応を行い、待ち時間の削減にも努めています。スタッフに関しても、私の想いや理念に共感して働いてくれているので、診療を進める上で非常に心強い存在です。気になることがあれば、私やスタッフまで気軽にお声がけください。
先生のリフレッシュ方法を教えてください。
少し前から、自宅でメダカの飼育を始めました。ベランダに小さな水槽をいくつも置いて、数種類のメダカを飼育しているので、のんびり眺めるのが毎日の楽しみなんです。かわいくて仕方ありませんし、疲れを癒やしてくれる存在でもありますね。あとは、数年前から始めたバトミントンや野球観戦も休日のリフレッシュ方法の一つです。野球観戦に関しては、山口県の病院に勤務していた頃にすっかり夢中になってしまって。当時はチケット入手に苦戦していましたが、近頃は新型コロナウイルス感染症の流行もあり、シーズンになると診療後に自宅のテレビ越しに試合を楽しんでいます。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院では、診察から予防接種、乳幼児健診までトータルに診療しています。ありがたいことに、小さいお子さんの中には、生後1ヵ月の新生児の頃から通院していただいている方もいて、これからも末永く地域の皆さんとお付き合いができればと願っています。また、件数が少ないとはいえ、一般的なウイルス性疾患の影に潜むほかの病気も早期に発見し、健やかな発達をサポートしていくことが私の目標です。グループ内のクリニックとの連携も密に行っているので、お子さんの体調や発育に関して気になることがあれば、まずは一度当院にお越しください。