江川 翔 院長の独自取材記事
心斎橋E-Style歯科クリニック
(大阪市中央区/心斎橋駅)
最終更新日:2025/10/09
にぎやかな心斎橋の通りから少し入った南船場のビルにある「心斎橋E-Style歯科クリニック」。2019年1月に開業した院内は、モノトーンで統一され、おしゃれな雰囲気だ。江川翔院長は、海外の歯科では多いというフォトスタジオを院内に設置。歯や口元だけでなく、必要に応じて顔全体から治療を考えていく方針を取っている。審美歯科や口腔内再建の診療には口腔内全体をしっかり整えることが大切といい、「歯がボロボロで恥ずかしいという方にも遠慮せず、ぜひご相談に来てほしい」という江川院長に、開業までの経緯や診療方針など、たっぷりと話してもらった。
(取材日2020年2月13日/情報更新日2025年9月29日)
じっくり時間をかけて診療やカウンセリングを実施
最近の診療状況はいかがでしょうか。

患者さんのご紹介で訪れる患者さんも多くなりましたね。その分、忙しさは増えていますが、頼ってきてくださることはうれしいです。歯科医師は私以外に3人おり、治療の前には30分~1時間ほどしっかり時間を取ってカウンセリングを行うことが多いです。やはり患者さんには正しい知識を理解していただいた上で、治療に臨んでほしいですし、患者さんとコミュニケーションを密に取ることで明確に治療計画を立てることができます。緊急時以外はいきなり治療をすることはありませんので、安心していただければと思います。
なぜカウンセリングをじっくり行うのですか。
長い目で見ると、場当たり的な歯科治療は、患者さんを不幸にしかねないと思っています。きちんと正しい知識をお伝えし、説明をすれば患者さんも理解してくださり、歯を大切にしようとしてくれます。中には悪いところを削る、詰めるような短時間の治療を良い治療と感じる方もいるかもしれません。しかし、何が原因でこうなったのか、どうすればいいのか、歯の状況を患者さん自身にも理解してもらい、さらには意識を変えていっていただけるよう、説明をしていくことも歯科医師の重要な仕事だと思っています。
患者さんとは、具体的にどのようなことを話しているのでしょうか?

まず最初にカウンセリングと診察で、現在の歯の状態を確認し、患者さんがどんな希望を持っているのか、治療に対しての懸念点は何かを明確にしています。その上でそれぞれの患者さんに適したゴールを定め、それに見合った治療の選択肢をお伝えします。患者さんの現状や将来の予定によって治療計画は異なっていきますので、複数の選択肢から選んでいただくかたちになりますね。時には患者さんの願いをかなえるために、自費診療も必要な場合があります。保険治療と比較して費用負担は多くなりますが、自費診療のほうが患者さんのめざすゴールに近づくこともありますので、その時には自費診療について、なぜその治療がいいのか、患者さんの歯に適しているのか、ご理解いただけるよう丁寧に説明し、寄り添いながら診療を進めています。
患者さんと接する際、心がけていることはありますか。
患者さんの立場になって考えることです。一人ひとりご状況やご事情は違いますし、その方のライフステージに寄り添い診療を行っています。また、患者さんの負担軽減のため、1回の治療に1~2時間程度の治療時間を確保し、治療回数、通院回数を減らすかたちで診療にあたることもあります。中には今すぐ治療を行えない方もいらっしゃるので、その場合には何歳でどういう治療を行うほうがいいのか、将来的にどう歯を健康で美しい状態を保っていくのかなど、患者さんに寄り添いながら考えていきます。さらに、疑問点や不安が残ったまま治療に入ってしまうと、患者さんにとっても歯科医師にとっても良いことはないので、患者さんの懸念点が残らぬような説明を常に心がけています。気になることは些細なことでもご質問いただければと思います。
患者の想いに寄り添った治療を行う
歯科医院では珍しいフォトスタジオを設置されているのですね。

実は、海外ではフォトスタジオを設置している歯科も多いんです。歯を失った際の補綴治療などは、口の中だけでなく顔全体で見ることが重要なので、フォトスタジオを設置しました。口元だけでなく、顔全体を見た時、歯が崩壊していたり歯並びが悪かったりする方などは、バランスが崩れていることも多いんですね。カウンセリング時に撮影が必要であると判断した際には、撮影を行います。写真を見て、今の状態がどうか、目で見ることができますので、どのような治療が適しているか、判断基準の一つにもなりますね。仮歯を入れた後、写真を撮って確認すると、その歯の形で良いのかどうかを見極めていくことにも役立ちます。患者さんが治療終了後の写真を見て、喜んでくれたらうれしいですね。
こちらでは審美歯科に注力されているということでしょうか。
患者さんによって悩まれている点もさまざまなので、審美歯科だけではなく、歯周病治療や根管治療など幅広い治療に対応しています。やはり、審美的な治療といっても、見た目だけを重視し機能面が失われてしまうと将来的に口の健康に悪影響を及ぼします。歯の色・形は人それぞれのため、歯だけではなく、周りの歯茎の形、状態が整えられているのかなど機能的な部分も考慮しながら、全体的なバランスを見て治療計画を提案します。また、エックス線や歯科用CTで口腔内の精密検査を行い、レントゲンだけでは発見することができない感染している部分などをマイクロスコープを用いて確認し、根管治療を行っています。根管内をできる限り無菌化し、治療を行うためには治療する歯以外をラバーダムで覆い、治療する部位のみを隔離した状態で治療を行って、原因となる部分を取り除くなどできるだけ難治性の歯にならないようにも努めています。
他に治療時に注意していることはありますか。

治療時に痛みをできるだけ感じることなく、快適に歯の治療を終えられるよう当院では、二段階麻酔法を取り入れています。最初に表面麻酔の薬を塗り、歯茎に針の痛みをなるべく感じないようにしてから、麻酔注射をして治療を行います。どのような治療を行う際にも、どうすれば痛みが発生しにくいかを考え、麻酔に関しては、入れ方、場所、タイミングも考慮し、極力痛みのないように取り組んでいます。痛みが怖い方はぜひご相談ください。
慣れ親しんだ地域で悩める人に寄り添い診療を行う
大阪・心斎橋での開業に至ったきっかけは?

私がもともと関西の出身だったので、慣れ親しんだ地域の方々に東京で学んだ、良い治療・技術を還元したいという想いから、心斎橋での開業を決めました。実は、田舎のほうでの開業を考えていたこともありましたが、治療を望む方や悩んでいる方にどんな場所からも通っていただきやすいよう、関西圏内で交通の便が良いこの地域を選びました。
院長は東京都内で長く勤務していたんですね。
そうですね。東京は歯科の数も多く、審美歯科、歯周病治療や根管治療など幅広い分野を学びやすいと思ったので、朝日大学を卒業した後に東京へ出ました。最初は審美歯科を志し、専門の部門を設けている昭和大学歯科病院に進み、学んでいく中で審美歯科には機能面と健康面が重要であると実感しました。より専門的な勉強をするために、尊敬する歯科医師たちの近くで勉強をし、研鑽を積みました。そこでは、口腔内の状態が悪い方が来院された際に、「恥ずかしくて人に見せられない。普通の歯科医院では診てもらうことができない」とおっしゃる方が多く来られていたのが印象的でした。われわれは、恥ずかしい気持ちや不安な気持ちがあることを十分に理解しています。恥ずかしがらずに来ていただければどのような状態でも診断させていただきますので気軽に相談していただきたいですね。
今後、取り組んでいきたいことはありますか。

優秀な歯科医師と歯科衛生士を育てていくことですね。歯は削る、抜く、インプラントを入れるなど一度治療すると、天然歯に比べ、状態を保つのは簡単ではありません。治療後、なるべく長く良い状態を保ち、生涯において治療回数を少なくするためにはメンテナンスがたいへん重要です。そのメンテナンスを担う歯科衛生士の存在はとても大きいです。だからこそ、歯科医師が行う治療についてもきちんと理解してもらい、あらゆる状況に対応できるようになってほしいと思っています。当クリニックの歯科衛生士たちも今、とても熱心に取り組んでくれていますし、今後もより一層強化していきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックインレー/6万円~、歯の根管治療/7万円~、インプラント治療/45万円~

