渡辺 雪彦 院長の独自取材記事
横浜金沢文庫皮膚科クリニック
(横浜市金沢区/金沢文庫駅)
最終更新日:2024/11/13
金沢文庫駅東口から徒歩5分と交通至便な立地が魅力の「横浜金沢文庫皮膚科クリニック」。「患者さんに最高の医療サービスを提供するため、医療従事者のQOLを上げることで医療の質を高めていく」をモットーに掲げる医療法人社団一星会が有するクリニックだ。法人では同院のほかに「金沢文庫メンタルクリニック」と「横浜弘明寺メンタルクリニック」を有し、3院で連携も図る。院長の渡辺雪彦先生は、長く病院やクリニックで皮膚科診療を手がけてきたベテランのドクター。私生活では小さな子どもを持つパパでもあり、穏やかで包容力のある人物だ。幼少期からアトピー性皮膚炎に悩まされてきたといい、経験者だからこそできる、患者のリアルな要望や悩みに寄り添う診療スタイルが大きな魅力の一つである。そんな渡辺院長に診療への想いを聞いた。
(取材日2024年9月6日)
めざすは「老若男女が気軽に相談できるかかりつけ医」
まずは、これまでのご経歴についてお聞かせいただけますか?
大学卒業後、横浜市立大学皮膚科学教室に入局し、同大学付属病院、平塚共済病院、横須賀市立市民病院、藤沢市民病院など複数の病院で診療経験を重ねた後、いくつかの皮膚科クリニックでも研鑽を積んできました。勤務医生活の中で、2人目の子どもの誕生をきっかけにこれからの働き方について模索していたところ、ご縁をいただき、当院の院長に就任する運びとなりました。これまでの経験を生かして地域の皆さんの健康をサポートできることを、たいへんうれしく思っています。
院内はとてもきれいで温かみのある雰囲気ですね。
ありがとうございます。「患者さんにリラックスしてもらえるような空間にしたい」という想いがあり、内装には木を多用して、くつろげるような雰囲気になるよう意識しました。クリニックに来るだけで緊張してしまうという方は少なくありませんから、少しでも緊張やストレスを和らげる場でありたいと思っています。
どのような疾患で訪れる方が多いですか?
本当にさまざまなお悩みを抱えた患者さんがいらっしゃいますが、例を挙げると、乳児湿疹やお子さんのあせも、とびひ、水イボ、アトピー性皮膚炎、やけどやケガ、お年寄りに多い皮脂欠乏性湿疹、私が大学病院で長く外来を担当していた乾癬などですね。最近は、スギ花粉症、ダニによるアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法を求めて受診される方も多いです。「小さなお子さんからお年寄りまで、身近な皮膚のお悩みを安心して気軽に相談できるかかりつけ医」をめざしているので、皮膚のことなら何でも診させていただきます。また、私自身、幼少期からアトピー性皮膚炎で苦しんだ経験があり、アトピー性皮膚炎をはじめとした継続的に治療が必要な疾患をしっかり診ていきたいと考えています。
2種の機器を使った光線療法が強み
幅広く診ていらっしゃるとのことですが、中でも強みとする治療は何でしょう?
勤務医時代は、大学病院での乾癬の外来をはじめ、長年にわたりさまざまな治療に携わってきましたが、特に光線療法(紫外線治療)に関して多くの経験を積んできました。一般的には皮膚にダメージを与える有害なものと認識されている紫外線ですが、特定の波長の光線のみを当てることで皮膚の炎症の抑制を図るという働きを利用した治療法です。当院では、専用の紫外線処置室を設けて、体の前面・後面を半身ずつ照射する「半身型ナローバンドUVB」と、局所に当てる小型の「大面積エキシマライト」という2種の機器を備えています。主にアトピー性皮膚炎や、手のひら・足の裏に発疹ができる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、円形脱毛症などに対して行い、照射時間は数十秒~2分程度と身体的負担の少ない治療です。半身型ナローバンドUVBと大面積エキシマライトが両方あるクリニックは少ないので、当院の強みといえると思います。
一般的な皮膚科診療だけではなく、美容に関する相談も可能なんですね。
はい。しみなどの相談にも対応しています。とはいえ、当院はあくまで保険診療の一般皮膚科の診療を行うクリニックです。だからこそ安心して、美容に関するお悩みも「相談してみようかな」と、相談への第一歩として当院を利用していただけたらうれしいですね。
診療において心がけていることは何ですか?
患者さんが何に困っているのか、どのような治療を希望されているのかをしっかり伺って、決してこちらから一方的に治療を押しつけるようなことはせず、患者さんと一緒に治療方針を決めていくように心がけています。一度来てくださった方には「また何かあればあの皮膚科に行って相談してみよう」と思っていただけるような雰囲気をめざしています。それから、当院には小さなお子さんが来院することも多く、お子さんに対しても優しく接するよう心がけていますね。保護者さんにとっては、子どもをクリニックに連れてくるだけで大変なこと。私にも小さい子どもがいるので、とてもよくわかります。せっかく来てくれた子が怖がってしまうようなことのないように、一人ひとりに目線を合わせた温かい対応を心がけています。
患者一人ひとりの生活スタイルに適した治療法を提案
そもそも先生が医師を志したきっかけは何だったのですか?
産婦人科の医師である父の影響が大きいかもしれません。物心ついた頃には自然と、自分も父と同じように将来は医師になりたいと考えるようになっていました。医学部に入った後、どの診療科に進むかは悩みましたね。父のように産婦人科の医師になることも考えましたが、私自身がアトピー性皮膚炎で皮膚科にお世話になる機会が多かったことや、性別を問わず全世代の患者さんを診られるところに魅力を感じて、皮膚科を選びました。
先生ご自身がアトピー性皮膚炎の経験者であることは、診療にどのように生かされていますか?
アトピー性皮膚炎の治療をしていても、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すことに悩んでいたのですが、大学の皮膚科の講義でスキンケアや保湿の重要性を知り、患者さんの診療に生かしたいと考えていました。そのため当院では、スキンケア方法や正しい薬の塗り方、保湿剤の塗り方なども、患者さんのペースに合わせて丁寧にレクチャーしています。また、皮膚の症状というのは目につきやすく、痒みや赤みのせいでネガティブな気持ちになってしまうこともありますよね。経験者だからこそ、よくわかります。「伸びが良く塗りやすい薬がほしい」「忙しくて1日1回しか薬を塗れない」といったリアルなご要望やお悩みに寄り添い、患者さん一人ひとりの生活スタイルや環境に合わせた治療法を提案しています。
他院との連携についてもお聞かせいただけますか?
当院と同じビル・同じフロアに「金沢文庫メンタルクリニック」があるので、例えばメンタルクリニックの患者さんで皮膚疾患のある方は当院にご紹介いただくなど、連携体制を敷いています。また重症の患者さんで、当院での診療が難しいと判断した場合は、迅速に近隣の大学病院を紹介するなどのバックアップ体制も整えておりますので、ご安心いただきたいです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
皮膚の治療は、毎日のスキンケアや、定期的な受診による塗り薬や飲み薬の見直しがとても大切です。当院は金沢文庫駅から徒歩5分と利便性の高い立地なので、通院しやすく、継続的にしっかりと治療を受けていただけるのではないでしょうか。私自身、アトピー性皮膚炎と長年付き合ってきたので、痒み・赤みによって勉強や仕事に集中できないという悩みや、患部について、対人関係についての不安な気持ちなどはよくわかります。患者さんのQOLを上げて幸せに過ごしてもらうため、一人ひとりの生活スタイルに適した治療法を一緒に考えていきますので、何か気になることがありましたら、些細なことでもお気軽にご相談ください。