樋下田 隆史 院長の独自取材記事
ひげた おとなこども歯科
(大阪市住之江区/住之江公園駅)
最終更新日:2025/05/08

大阪メトロ四つ橋線・住之江公園駅から徒歩7分、大和川通に面している「ひげた おとなこども歯科」。窓が大きく明るい院内は、入り口が吹き抜けで開放感があり、木と緑が目に優しい。院長の樋下田隆史(ひげた・たかふみ)先生は、子どもの頃、歯科医院が苦手で避けていたために虫歯が悪化してしまったという経験がある。そんな自身の苦い経験から、歯科医院に苦手意識を持つ人が気軽に通えるクリニックをめざしているという。院内のリラックスできるような雰囲気づくりもその一環だ。また、歯の寿命をできるだけ長くし、なるべく怖くない、痛みに配慮した治療を行えるよう精密機材の導入も積極的に行うなど、患者に寄り添った診療を行っている。樋下田院長にクリニックのポリシーや日々の診療についてさまざまな話を聞いた。
(取材日2022年9月21日)
歯科医院のマイナスなイメージを払拭したい
「ひげた おとなこども歯科」を開業した経緯を教えてください。

子どもの頃に歯科医院が苦手で、虫歯を放置した結果、銀歯を入れることになってしまったんです。その後悔から歯科医師になりたいと考えるようになりました。歯科医師になって、自分のように歯科医院に対する苦手意識や恐怖心を持つ人でも、安心して通えるクリニックをつくりたいと思いました。九州歯科大学に進学し、卒業後はお世話になった先生方がいらっしゃる福岡の歯科医院で研鑽を積みました。3つの特色のある歯科医院で勤務し、開業にあたって必要とされる多くのことを経験できたと思ったところで、地元の住之江に戻り、念願だった開業に踏みきったんです。実家の近くで腰を落ち着けて診療していきたいと思い、賃貸でなく土地を購入し、新たにクリニックを建てました。歯科医院特有の緊張感をなくしたかったので、暖かみのある木を多く使用し、全室個室にしてリラックスできる空間にこだわったつもりです。
めざしたのは、安心して通える歯科医院ということでしょうか。
歯科医院に「怖い」「痛い」というイメージをお持ちの方が多いと感じていましたので、まず歯科医院に対するマイナスイメージをできる限り払拭したいと思いました。当院は、院名にあるとおり、大人の方から小さなお子さんまで安心して通っていただける、地元に根差した歯科医院にしたいという思いがあります。そのため、診療でも一般歯科はもちろん、口腔外科、矯正や審美歯科など幅広い治療を行っていますので、家族全員3世代で通っていただけたらうれしいです。
痛みへの不安にはどんな配慮がありますか?

治療に対して強い恐怖心を持たれている患者さんや自ら希望される患者さんには、笑気ガスの用意もあります。笑気ガスは、鼻から吸入するガスを用いた鎮静方法で、個人差はありますが、リラックスした状態で治療を受けられるようにしていくものです。また、通常の麻酔注射に関しても、表面麻酔を塗った後で行う、体温と同じ温度に温める、細い針を使用する、電動でゆっくり打つなど、打ち方にも気をつけてなるべく痛みを抑えるように努めています。恐怖心がありそうだなと感じた患者さんには、リラックスしてもらえるようにゆっくり話を聞くようにしていますし、女性の歯科医師のほうが安心できると言われれば対応していますので、心配事はカウンセリング時に遠慮なくお伝えいただきたいですね。
より良い治療をめざし積極的に新しい機器を導入
セラミック治療に力を入れているそうですね。

勤務医時代、歯の治療した箇所や欠損を人工物で補う補綴(ほてつ)治療に詳しい先生のもとで長く勤めていましたので、補綴治療にはこだわりがあるんです。これまで以上に自然で精密なセラミック治療を行えるよう、新しいCAD/CAMシステムの機材を導入しました。補綴を行う際は、粘土で歯の型採りをする必要がありましたが、患者さんは不快ですし時間がかかります。新しく導入した機材だと、型採りはカメラでスキャンするだけなので、速い上にデータのまま作ることができ、より高い精度で歯質と適合する補綴物が作製できるんです。金属の詰め物は、見た目の問題だけでなく、アレルギーのリスクや歯茎を黒くさせるリスク、汚れを引きつけやすいなどのデメリットもあるので、やはりセラミックの方が補綴物としての親和性もいいのかなと思います。セラミック治療は自費診療になりますが、強度プラス審美と両方を兼ね備えたものが望めますよ。
レーザー治療についても教えてください。
レーザーってすごいなと改めて感じることが多いですね。特に歯周病や歯内治療はレーザーが力を発揮すると思っています。当院でも歯科用レーザーを導入しており、体への負担の軽減も望めます。こちらも自費診療にはなりますが、これまでは手術でしか対応できなかった進行した歯周病に対して、骨の回復は無理でも、炎症をとるところまではレーザーで回復が見込める可能性もあります。
この他、クリニックにはどんな機材がありますか?

より精密な診断をするための歯科用CT、根管治療で複雑な根管内をしっかり確認できるようにマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)も導入しています。根管治療は、重度の虫歯に対して歯の根管部分を治療していくものですが、マイクロスコープを使用することで詳細に根管内を確認できます。また、治療時には根管に唾液が入らないように防湿をする必要がありますが、当院はそこにもこだわりがあり、患者さん自身が楽で、かつ根管に唾液が入るリスクを抑えるための工夫をした治療法を用いています。根管治療に限らずですが、すべての治療法を選ぶ際には、自分の家族が受けてもいいと思う方法を選ぶよう心がけており、本当にいいと思ったものだけを選択しました。
自身も子育て中の母である副院長が子どもの治療を担当
クリニックにはどのような年代の患者さんが多いですか?

年代層は時間によって異なります。朝は年配の方や主婦層の方、昼はお子さんが多く、夜は仕事帰りの方と本当に幅広いです。主訴もそれぞれで、虫歯や歯周病もあれば、マウスピース型装置を用いた矯正やホワイトニングなどの審美面に配慮した診療もあります。週に2度は22時まで診療を行っています。朝からなので大変ではありますが、せっかく歯科医院へ行きたいという気持ちがあるのに、仕事で行けないまま歯が悪くなってしまうのはもったいないことですよね。可能な限り、そういった方々の助けになればと思っています。
子どもの患者さんも多いとのことですが、どんなことに気をつけていらっしゃいますか?
子どもの治療は副院長が担当しています。副院長は1歳と6歳の子の母親でもあるため、子どもの気持ちも、連れてくるお母さんの気持ちも理解しやすいのではないでしょうか。初診からいきなり治療を始めるのではなく、コミュニケーションを取りながら、お子さんとも親御さんとも信頼関係を築いていきます。最初はブラッシング指導やシーラントなどで練習をしながら、慣れてきてから治療を始めています。そして、できたことを一つずつ褒めることも大切にしていますね。
子どもの歯科矯正について教えてください。

当院ではトレーニングしながら自分の力で歯並びを整えることをめざす矯正方法を提案しています。矯正装置を着けると歯並びは整うことが期待できますが、口がぽかんと開いている、片噛みなどの悪習慣があると後戻りも考えられます。せっかく矯正するならば癖を直して後戻りが少ないようにしたいという思いがあるんです。当院の矯正は小学校の低学年から始めるので、よっぽどの難症例じゃない限り歯を抜かなくても済むというメリットもあるんですよ。ただ、家でしっかりトレーニングが必要なので、歯並びを治したいという自主性が大切になりますね。
最後に今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。
今は一人ひとりの患者さんをしっかり診ていくことに力を注いでいます。代診の先生も増えたので、以前より多くの患者さんを診られるようになりました。診療の質を保つために精密機材を使用することで、誰が対応しても一定の効果が得られるような診療をしていきたいと思っています。また、将来的には訪問診療に対応できる体制も整えたいという願望もあります。どうか、歯科の「怖い」「苦手」という既存のイメージにとらわれずに、気軽に歯科医院を受診してお口の健康を保ってください。今後も、より気軽に通えるクリニックをめざしていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/39万円~、マウスピース型装置を用いた成人矯正/73万円~、マウスピース型装置を使った小児矯正(検査費を含む)/23万円~、ホワイトニング/9000円~、CAD/CAMシステムを用いたセラミック治療/3万3000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。