菅原 千佳代 先生の独自取材記事
柏グレイス歯科医院
(柏市/増尾駅)
最終更新日:2025/10/31
悪い部分だけを治すのではなく、問題に対して原因を明確にし、改善を図る「総合歯科診療」の提供をめざしている「柏グレイス歯科医院」。そんな同院の一翼を担うのが、菅原千佳代先生だ。大学病院で勤務し、専門である歯内療法を中心に、多くの診療に携わってきた経験を持つ歯科医師である。同院に入職してからは歯内療法だけでなくすべての分野、特に噛み合わせや顎関節の領域も学びながら、日々の診療に尽力しているという。「これまで学んできた、そしてこれから学ぶ知識・技術を生かして、患者さんにとって最良の診療を提供できるように努めます」と優しくほほ笑みながら話す菅原先生に、自身の強みや今後の展望などを聞いた。
(取材日2025年9月16日)
女性歯科医師の強みを生かして地域や歯科医療に貢献
菅原先生が歯科医師を志したきっかけや、これまでのご経歴を教えてください。

歯科衛生士である姉から口腔内という体の一部分を深く勉強することの面白さを教えてもらい、歯学部への進学を決めました。大学卒業後は母校の大学病院の歯内療法講座に在籍し、虫歯治療や根管治療といった領域の専門性を高めていました。歯内療法というのは、例えば虫歯が神経に到達してしまった時に根っこの中の治療が必要になるのですが、その治療に特化した専門分野です。ただ、しばらく勤務を続けていると、歯内療法以外の領域の知識・技術・経験も必要な場面に何度も直面し、「なんでこの状態になったのか」と考える場面が増えてきました。そんな時に縁あって当院の院長の小塩康仁先生、分院の院長を務める西澤克先生と出会い、お二人のもとで研鑽を積む機会を頂くことになりました。現在は柏グレイス歯科医院、北千住ネクサス歯科・矯正歯科の双方に勤め、日々さまざまな患者さんの診療をしています。
これまでよりも幅広い診療が実現できると感じての入職だったんですね。
当院では、悪い部分だけを治すのではなく、問題に対して原因を明確にし、総合的に改善策を考える「総合歯科診療」の提供をめざしています。そのために、当院の歯科医師は一人ひとりが多様な専門性を身につけ、どんな症例にも対応できるように研鑽を積んでいるのが特徴です。私もその一端を担いたいと強く共感してますし、小塩先生に指導していただきながら、治療の幅と選択肢がどんどん増えていることを実感しています。また、小塩先生が女性歯科医師としてのキャリアを応援してくださっていることも決め手の一つでした。
「女性歯科医師としてのキャリア」とは?

女性の場合、妊娠・出産するとなると一度現場から離れるため、歯科医師としては空白期間ができます。すると復帰が難しかったり、ずっと診療を続けてきた歯科医師よりも活躍の場が減ったりしてしまうのです。中には「下積み期間を過ごすうちに結婚・出産の適齢期を過ぎてしまうのでは」というような不安から専門性を突き詰めていくことに二の足を踏んでしまうこともあるかもしれません。小塩先生は「この先たとえ空白期間ができても歯科医師として即戦力になれるよう、各領域の専門性を高めていこう」とサポートし続けてくれているのでありがたいですね。私も自分の限界を決めずに、できることをどんどん増やしていきたいです。現在歯科医師として働いている女性や、将来歯科医師をめざそうと考えている女性にとって、仕事と生活の両立ができる女性歯科医師のモデルケースでありたいという気持ちで診療しています。
患者に寄り添うことを重視した優しい診療を
診療をする中で心がけていることはありますか。

すべての患者さんがなるべく不安を抱かずに受診できるようにしたいと思っています。患者さんは自分の口の中で何が行われるのか、治療の結果どう変わったのかよくご存じない方が多いと思います。そのため、検査や治療の前後には、何のために、どんなことを行うのか、行ったのかを必ず説明しています。患者さん自身が診療の進行状況を正しく理解することが、安心感につながると思っています。
患者さんの不安への配慮がこまやかですね。
疾患が原因となり起きている痛みやつらい思いから、患者さんが無意識のうちに歯科医師やスタッフに対して感情的になられるケースは少なくありません。「伝わらない」という歯がゆさや今後に対する不安を抱いたまま治療に向かうことがないよう、診療ではまず患者さんの立場に立つとともに治療内容の必要性や選択肢などを事前に説明することを心がけています。
患者さんとの信頼関係の構築に尽力されているのが伝わります。

ありがとうございます。患者さんに安心して診療を受けていただくためには、信頼関係の構築がとても重要です。信頼を築くためには、誠実な診療を提供し続けることに加えて、患者さんとの治療計画・内容に対する意思疎通を大事にしています。会話の際には、患者さんにとって気軽に話せる話題のほうが緊張が解けやすいと考え、時には休日の話や普段の生活のことなど歯科と関係のない話題を出すようにもしています。症状に関することはもちろん、些細なことでも何でも遠慮なくお話ししていただけたらうれしいです。症状改善の糸口につながる場合もありますからね。
歯内療法をはじめ、多様な領域の専門性を高めていく
現在、特に力を入れて取り組んでいる領域は何ですか?

噛み合わせ、顎関節症の治療はもちろんのこと、最近はインプラントや歯の移植などの口腔外科分野にも力を注いでいます。さまざまな勉強会に参加させていただき、実際の診療で生かせるレベルの知識・技術の習得に努めています。
今後の展望について聞かせてください。
これからも変わらず一人ひとりの患者さんにじっくり向き合っていきたいと思っています。当院には学び・研鑽の場としてはこれ以上ない環境が整っていると思うので、総合歯科診療のエキスパートをめざしてこれからも幅広い専門知識を吸収していきたいと思っています。また、将来的に「女性だけの歯科医院」をつくれたらと小塩先生と一緒に考えています。女性やお子さんの中には、男性歯科医師・スタッフに対する苦手意識を理由に受診を諦めたり、歯科医院探しに苦労したりしている方もいらっしゃいます。そういう不安を持っている方も、安心して通っていただける環境の一つとして実現したいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

痛みなどがあれば受診されますが、特に自覚症状がないと歯科医院に来られない方がほとんどでしょう。ですから、ご自身の口腔内がどのような状態なのか、正しく把握している方は多くないと思います。ですが自覚症状がなくても、実は虫歯や歯周病などの疾患が進んでいたり、噛み合わせの治療が必要だったりすることはよくあります。だからこそ、しばらく歯科医院に行っていないという方にも、ぜひ一度来院していただきたいと思っています。口腔内の現状を確認した後、疾患があれば適切な治療を、今治療する箇所がなくても今後起こり得ることや健康な状態を保つための予防法をお伝えさせていただきます。ぜひ頼りにしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本 38万5000円~、小児矯正/40万円~、矯正治療/80万円~

