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古川 和博 院長の独自取材記事

ひさい脳神経外科クリニック

(津市/久居駅)

最終更新日:2020/04/01

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久居駅から車で8分ほど、温かみのある一軒家風の建物が印象的な「ひさい脳神経外科クリニック」は2019年4月に開業。古川和博院長は、三重中央医療センターや三重大学医学部附属病院、桑名市総合医療センターなどの大規模病院で脳神経外科の医師として多数の手術を手がけ、研鑽を積んできたドクターだ。三重中央医療センターの目の前に開業したのは、密に病診連携を取ることで患者の不安や負担を少なくし、病院から退院後も質の高い医療を提供したいという思いからだという。インタビューでは、同院の特色や古川院長の専門分野、治療方針などについて詳しく聞いた。
(取材日2019年5月22日)

大規模病院と連携し、安心できる診療体制をめざす

開業のきっかけについてお聞かせください。

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私は当院の目の前にある三重中央医療センターで初期研修を行い、脳神経外科に入局後、勤務をしていました。当時から、この近辺には脳卒中などを患って治療やリハビリテーションを終え、退院された患者さんを診る脳神経外科の開業医が少ないことを課題に感じていました。近くの開業医のもとではなく、遠くの大きな病院に通わざるを得ないことは、患者さんやそのご家族にとって負担になってしまいます。そういった問題を解決するための一助となればと思い、この地での開業を決めました。同センター脳神経外科と密に医療連携を取ることで、患者さんの負担や不安軽減につなげ、安心いただける医療の提供をめざしています。

クリニックの造りや患者層について教えていただけますか?

開業するにあたり、患者さんがリラックスして過ごせるのはどんなクリニックかということをよく考えました。アットホームな雰囲気を大切にしたかったので、現在の一軒家風のクリニックになったというわけです。病院に勤務していた頃は、60~80代の患者さんを診る機会が多かったのですが、開業してみると10代半ばから30代後半までの、いわゆる若年層の方が予想よりもお越しくださっていると感じます。主訴の大半は頭痛で、片頭痛などを抱えている方が多いです。若い人の頭痛の中には、重篤な病気を由来とするものもありますので、そういった疾患を早期に発見していきたいと思っています。一方、中年以降の場合、高血圧でかつ頭痛もあるケースは特に注意深く診ています。

クリニックならではのメリットはどのようなところにあるのでしょう?

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お勤めの方など、大きな病院にかかるのはわずらわしいと感じたり、時間が取れなかったりで、頭痛などの症状があってもやり過ごすケースは少なくないと思います。よくあるのが、午前中から症状があるけれども我慢をして、午後になってひどくなってきた頃には大きな病院の外来診療時間はすでに終了していて、手遅れになってしまうというケースです。当院は夜7時まで診療をしていますので、仕事帰りなどにもご利用いただけます。また頭部のけがは、比較的午前中には起こりにくく、昼過ぎや夕方などに起こりやすいと感じます。実際に、病院勤務時代は夕方以降に救急患者さんが運ばれてくることが多かったです。当院は地域のクリニックとして、救急車で運ばれるような状態ではない方や、午後診てほしいといった方の受け皿になれればと思っています。

患者に寄り添いながら診療

CTなど専門的な機器を備えられています。

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開業にあたり、MRIよりCTを優先して設置しようと考えていました。というのも、CTはMRIほどの診断能力はない一方で、緊急処置を行わなければいけない脳卒中や頭の外傷などの場合は、CTのほうが感度がいいといえるからです。また、MRIは検査に時間がかかりますが、CTは数十秒で検査が終わり、すぐに結果が出ます。急性期の脳梗塞でも、画像の調整の仕方によってはスクリーニングができるという点もあり、とにかく早く診断に役立つCTを設置しました。MRI検査が必要な場合は、三重中央医療センターや七栗記念病院などをご紹介しますのでご安心ください。また、頸動脈エコー検査も実施しています。脳卒中を患った後は、頸動脈が細くなったり硬くなったりすることが多いため、頸動脈の状態を定期的に診るためにとても重要な検査なのです。

ほかにクリニックの特色はありますか?

私の専門は脳卒中ですが、ほかに脊椎・脊髄の臨床経験も積んできました。桑名市総合医療センターでは、脳神経外科が脊椎・脊髄の手術に対応しており、私と上司でほぼ全例の手術を行っていました。当院でも引き続き、その知識と経験を生かしていきたいと思っています。また、手足のしびれを訴えて来られる方も多いですが、それが脳から来るものなのか、脊椎・脊髄からか、手足の抹消の神経から起こっているものなのかを診るために、脈波検査も行っています。

治療方針やモットーをお聞かせください。

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ガイドラインに則った基本の診療を大切にしています。当院ならではの特徴としては、肩凝りなどで悩む患者さんに、この場所でストレッチや運動の仕方をレクチャーして一緒に行っているということです。肩凝りに悩まれている方は多く、一般的に運動を勧められると思いますが、患者さんの立場に立ってみれば、実際にどんなことをどんな頻度でしたらいいのかわからないという方は少なくないでしょう。そこで、当院では実際に患部を触り、今はどこの筋肉が成長しているかなど、具体的にご説明することを大切にしています。常に心がけているのは、余裕を持って患者さんと接することです。医師に余裕がなく、おろそかな対応になってしまうと、患者さんは余計に不安になってしまいます。そういうことは絶対にないようにしようと心に留めています。また患者さんのお話をよく聞いて、診療のヒントを見逃さないようにしています。

大規模病院での経験を生かし、多様な相談に対応

どのようなきっかけから医師をめざされたのでしょうか?

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高校生の時に、地元の駅前で交通事故を目撃しました。小学生の男の子が大腿部から出血して泣き叫んでいて、周囲の人はおろおろして立ち尽くしていたように思います。とっさに私は、自分のしていたベルトで止血をしようとその子のもとへ駆け寄り、救急隊の人が来るまでそばにいました。当時、将来の具体的な夢は特に持っていなかったのですが、その経験を通して、緊急事態の時に何かできる人になりたいと強く思ったものです。そこから、医師の道に進むことを考え始めました。家族や親戚に一人も医師はいませんが、子どもの頃、体が弱くよく病院にかかっていたことも、医療を身近に感じた理由の一つかもしれません。

脳神経外科を選択したのはどのような理由ですか?

最初は小児科の医師になろうと思っていたのですが、三重中央医療センターの初期研修でさまざまな科を回った際、現在の恩師に出会ったことが、進路を決める決め手になりました。恩師は脳神経外科の直接の指導医だったのですが、臨床の説明が理路整然としていてとてもわかりやすく、研究にも熱心で、何より人柄に惹かれました。もともと救急科や脳神経外科に憧れがありましたし、その恩師が「最後まで一人前に育てるから来ないか」と声をかけてくださったので、脳神経外科に進むことを決めたのです。恩師には脳神経外科の医師として、事前準備がいかに重要かということを教わりました。手術ならば手術前に約9割勝負が決まるという考え方です。手術中に起こり得るトラブルを想定して、それに対応できる引き出しを多く持つことが大切だと学びました。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いいたします。

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これまで病院で診てきた患者さんの中には、脳卒中を患った後に体が不自由になってしまったけれど、ご家族も高齢で車の運転ができず、退院後の定期的な通院が難しいといったケースが見られました。そういった患者さんに対応するために、今後は往診を行っていきたいと考えています。また、この近辺にはリハビリテーションのための施設が不足していますので、将来的には当院を増築して、リハビリを実施することも視野に入れています。メッセージとしましては、例えば頭痛ならば、その頭痛が重篤な病気につながるものなのかご自身で判断するのは難しいと思いますので、一人で抱え込まず、当院へお越しいただきたいということです。肩凝りがなかなか良くならないといった場合も、他科とは違ったアプローチができる可能性もありますので、気軽にご相談いただけたらと思います。

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