宋 光明 院長の独自取材記事
宋薬師堂醫院
(大阪市天王寺区/大阪上本町駅)
最終更新日:2025/05/02

大阪上本町駅より徒歩4分、2018年に開院した「宋薬師堂醫院」。心地良い木の香りがふわりと漂う院内は、白とライトウッドを基調としたインテリアで落ち着いた空間になっている。「ここに来ると“ほっとできる”クリニックでありたいなと思っています」と話すのは、宋光明院長。消化器内科や総合診療科にて合わせて10年研鑽を積んだ後、東洋医学を5年学んだという経歴を持つ。初診時にしっかり時間を取って問診するなど、丁寧かつ気さくな人柄が魅力の宋院長。「西洋医学と東洋医学をかけ合わせて、効率的な治療を提供していきたいです」と語る宋院長に、医師を志したきっかけや両医学を学ぼうと思った理由、診療方針など、豊富な話題で取材した。
(取材日2019年4月22日)
西洋医学と東洋医学をかけ合わせ、効率的な治療を
まず、医師を志したきっかけから教えてください。

私の父が薬剤師として漢方薬局と鍼灸院を営んでいるのですが、そんな父の背中を見て育ったことが大きいですね。両親から「手に職がある仕事がいい」と小さい頃から言われていたというのもあります。また、兄が医学部に進学し、大学生活を楽しんでいる姿を見て、私も自然と医学の道を志すようになりました。
大学卒業後は、10年ほど西洋医学を学んだとお聞きしました。
そうです。父の影響でもともと東洋医学に興味があったのですが、他の医師から「西洋医学がわからんと」と言われるのが嫌で。それで、最初は西洋医学を学ぶことにしました。まずは消化器内科にて5年、その後は総合診療科にて5年ほど経験を積みましたよ。日本消化器病学会消化器病専門医と日本内科学会総合内科専門医の資格も取得しています。消化器内科で内視鏡検査などを数多く手がけた後、総合診療科ではあらゆる病気を総合的に診る目を養いました。というのも、総合診療科では内科の病気はもちろん、整形外科や婦人科、小児科、外科など幅広く対応した上で、診断を行い、治療を開始したり、専門の医師を紹介したりするんです。西洋医学における豊富な知識と経験を得ることができたと思っています。
その後、東洋医学を習得された際はいかがでしたか。
西洋医学とは考え方の根本からまったく違いますので、やはり苦労しましたね。たくさんの勉強会に参加しましたし、金欠にもなりました(笑)。しかし、一般的に東洋医学では「診断名がついておらず、どこの病院に行ったらいいのかわからない」と困っている患者さんが多いのですが、その点は総合診療科でやっていたことと似ているかなと。西洋医学と東洋医学のいいとこ取りをして、患者さんに効率的な治療を提供していきたいと思い、開業を決意しました。
開業の際にこだわったことは何でしょう?

患者さんに「ここに来ると“ほっとできる”」と思っていただけるように、院内の雰囲気づくりにこだわりました。例えば、白とライトウッドを基調としたインテリアにするなど、明るく落ち着いた空間になるように意識しています。そのほうが患者さんの気分が晴れると思いますし、私自身も気分良く診療ができますしね。安心して気軽に通っていただけるとうれしいです。
保険適用の漢方薬も処方可能
問診に力を入れていらっしゃるとお聞きしました。

はい。問診をしないことには情報が入ってきませんし、私自身も話を聞かない医師は嫌いですし(笑)。また、総合診療科では「問診が9割」といわれていたんですが、その経験が現在の診療にも生かされていると思います。これまでの経験で得た「患者さんに聞くべき項目」を取捨選択した上で、患者さんの話にもじっくりと耳を傾けるようにしていますよ。患者さんの悩みや不満などを全部吐き出していただくことが目標です。そのため、初診には非常に力を入れています。再診では前回より改善したことなどをチェックしますので、初診ほどの時間はかけませんが、それでも丁寧に話を伺うことを心がけています。
その他、診療する上で大切にしていることはありますか?
そうですね。問診の後は脈や舌を診て、腹診をして、必ず足も触ります。私は鍼灸も学んできましたので、足に反応が出たら、診断の手伝いにもなるんです。それぞれを診る必要があれば、さらに詳しい問診も行います。例えば、脈を診て、「血糖値が高いって言われませんか?」など聞くこともあり得ますよ。また、腰や肩など、患者さんが痛みを訴えているところもじっくりと診るようにしています。
患者層について教えてください。
開院時に想像していた以上に、幅広い層の患者さんにお越しいただいています。例えば、この間は1歳の赤ちゃんの風邪の診療も行いました。とはいえ、一番多いのは、体の不調を訴える女性ですね。生理に関連した不調や更年期障害、閉経後の気分の落ち込みなど、メンタルの問題を抱えている患者さんも少なくありません。また、このような患者さんのほとんどが漢方薬を希望されています。当院では保険診療の漢方薬と自費診療の漢方薬を処方しているのですが、特にご要望がない限りは、保険診療の漢方薬を処方しています。ちなみに、自費診療の場合、私自らが生薬から飲める状態まで手がけた自家製の漢方薬を提供しているのが特徴です。
東洋医学の魅力は?

患者さんの症状を診た上で、患者さんに合った漢方薬を処方することができれば、同時進行で複数の症状に対応していけることですね。「この疾患だけ治療する」というよりも、「あれもこれも少しずつ治療していく」という診療になることが多いですね。また、一般的に漢方薬は症状に変化が出るまで時間がかかると思われていますが、そんなことはありません。西洋医学の薬のように、即時性が期待できる漢方薬だってあるんです。保険適用の漢方薬でも十分だと思います。
「ここに来ると安心できる」クリニックをめざして
ところで、プライベートではどのようにお過ごしですか?

私はお遍路が好きで、毎年行っています。学生の頃にテレビでお遍路を見て、興味本位で行ってみたら非常に楽しかったんです。今まで行ったどこの旅行よりも良くて、ずっとはまっています。きれいな景色を見ながら一日中歩き続けるので、頭がすっきりとしますよ。学生の頃は一人で行っていましたが、ここ数年は父と一緒に歩いています。今年は初めて9歳の息子も一緒に歩きました。他にも、一昨年から始めたテニスでもリフレッシュしています。運動不足の解消にもなっています。
今後の展開を教えてください。
当院はまだ始まったばかりですので、患者さんに「ここに来ると安心できる」と思っていただけるようなクリニックをめざしていきたいです。今のところ、一度来てくださった患者さんはリピーターになる方が非常に多く、ありがたく感じています。また、現在は漢方薬の処方を希望される方が多いですが、一般内科も幅広く対応していきたいと思っています。風邪や高血圧などの一般的な症状でも、気軽に通っていただけるとうれしいです。西洋医学と東洋医学をかけ合わせて、最適な治療法を提案できるように努めていきます。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

健康な体でいるために大事なのは、食事と睡眠と排泄です。よく食べて、よく寝て、よく出したら、健康になることがほとんどだと思っています。実際に、「眠れたら、楽なんだけど……」とお悩みの方も多いですよね。原因がわからないお悩みなど、ぜひご相談ください。また、もともと「西洋医学もちゃんとできて、東洋医学もできたら、すごくいいじゃないか」という想いから、この道を決めました。東洋医学は敷居が高いと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。保険診療でも対応できますので、安心してお越しいただきたいです。患者さん一人ひとりに寄り添いながら、真摯に対応させていただきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは漢方薬/500円(1日分)×処方日数