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青木 朝子 院長の独自取材記事

あすはゆリハビリクリニック

(さいたま市見沼区/東大宮駅)

最終更新日:2019/10/31

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東大宮駅から徒歩1分、エレベーターで4階に上がった目の前に「あすはゆリハビリクリニック」はある。院内は日差しがたっぷりと差し込み、青木朝子院長の人柄を表すようにぬくもりを感じられる雰囲気だ。幼少期からリハビリテーション科の医師を志し、妊娠・出産を経ながらこの道一筋で研鑽を重ねてきた青木先生は、「障害とともに青年期を迎える子どもたちの行き場をつくりたい」との思いで2019年3月にリハビリテーション専門のクリニックとして同院を開業。本格的なリハビリを求める人や、患者同士の紹介で子どもの患者が増えたことで、理想のクリニックに近づきつつあると話してくれた青木院長。まだまだ知られていないリハビリテーションの奥深さにふれる取材となった。
(取材日2019年9月11日)

リハビリテーション一筋で培った専門性を生かして開業

リハビリテーション科では、どんな患者さんが診療の対象となるのですか?

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特に多いのは、整形外科、脳神経外科、神経内科、小児科のいずれかに該当する方でしょうか。膝や腰の痛みを訴える方、脳梗塞などでまひのある方、脳性まひやダウン症のお子さんなど、いろいろな症状の方が来ています。年齢層も0歳から80代まで幅広く、特に特徴はありません。難病や神経系疾患の方もいらっしゃれば、最近は発達に遅れがあるということで、小児科や大きな病院からご紹介いただいたり、健康診断を機に来院するお子さんも増えています。赤ちゃんや20代の子も多く、とても活気があると感じます。

リハビリテーション科の医師になられたのはどのような理由からですか? 

6歳の時に足を切断された方に会う機会があったのですが、普通に歩き生活されていることに衝撃を覚えました。それが始まりです。医師だった父の病院へ遊びに行った時には、首から下は動かない方が、口に棒をくわえてパソコン操作されている様子を見て、工夫次第で生活を充実させていくことができるんだと感じました。障害と付き合っていくということは、不足した部分をいかにうまく補っていくかということです。右側がまひして動かせなければ左側を使うとか、道具を工夫するとか。病気にかかり治療した後、もし機能を失った場合は、何ができるかを考え、その先の生活にどう生かしていくのか、というリハビリテーションの考え方に惹かれました。小学生の頃にはリハビリ関係の仕事につきたいと考えるようになり、医学部卒業後も迷わず慶応義塾大学病院のリハビリテーション科に入局し、リハビリの専門病院で経験を積みました。

開業の経緯について教えてください。

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当院の開業前から、10年以上続けて携わっている、さいたま市の総合療育センターひまわり学園の卒業生を診られる場所をつくりたいという思いがありました。このセンターは肢体不自由、聴覚障害、精神運動発達遅滞などの子どもたちが集まっているのですが、18歳になると基本的にはセンターを卒業しなければなりません。お母さん方から、卒業後に子どもを診てくれる場所がなかなかなくて困っていると聞いていたため、受け入れ先をつくれないかと思ったんです。当初は「青木内科・リハビリテーション科」として、当ビルの1つ下、3階で内科と共同運営していたのですが、2年前に現在の4階にデイケアセンターを立ちあげたこともあり、手狭になってきました。患者さんにとっては3階と4階の行き来があり、ご不便がありました。2019年3月からはリハビリとデイケアを4階で完結できるように設備を改修し、独立して名称も改めたという流れです。

たゆまぬ向上心で患者のためにできることを探し続ける

診療の際に気をつけていることを教えてください。

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患者さんには、ご自身でできることを積極的に伝えるようにしています。当院でのリハビリは一回に40分ほどですので、患者さん自身が家の中でできることや、普段の生活で気をつけられることを実践していくことが大切なのです。そのために、当院では作業療法士や理学療法士が、よく話を聞いてアドバイスできそうな内容は積極的に伝えるようにしています。例えば自宅の手すりの位置や食事の内容、病気で失業されている方なら復職の話など、一見医療から遠いこともリハビリの観点では大切です。私も筋力を保つために役立ちそうな食事内容や運動を実践してみて、患者さんに伝えたりします。一方で、お話を大切にしながら、一定の距離感を保つことにも気を使っています。そして話だけに終わらず、体の状態を触って確認することも意識しています。薬や注射を使いたくない方がいれば、患者さんの考えを尊重しながらリハビリの方針を決めていきます。

先生とスタッフ皆さんとの連携が大切ですね。

リハビリは、私が組んだプログラムに沿って理学療法士と作業療法士に進めてもらいますが、その中でわかったことをフィードバックしてもらい、検査を加えたりプログラムを変えたりしますので、話し合いが欠かせません。何年もその都度話し合いを重ねているので、スタッフとは言いたいことを言い合える仲ですね。当院では理学療法士3人、作業療法士1人のスタッフに外来とデイケア、訪問リハビリとすべてを担当してもらっています。多様な患者さんを診ることはスタッフにとっても経験値になりますし、赤ちゃんから高齢の方まで、幅広く対応できていると思います。患者さんの生活の質を向上させてあげたいという思いは皆同じなので、お互い補い合ってスキルアップし続けたいですね。

こちらならではの治療や設備などはありますか? 

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当院では、理学療法と作業療法に加えて、痙縮(けいしゅく)といって筋肉が緊張して動かしにくくなっている症状を、ボツリヌストキシン製剤の注射で緩和させていくこともしています。この注射を行うクリニックは多くないようで、患者さんも増えてきている印象です。あとは義足の方が多くいらっしゃる病院で研修していたこともあるため、義肢装具のサポートにも力を入れて取り組んでいます。まひのある方や扁平足のお子さん、足がやわらかくてしっかり立つことが難しいダウン症候群のお子さんなどに向けて、週に1度、義肢装具士に来てもらい装具を作ったりしています。設備面では筋電図検査という、筋肉と神経を調べる検査機器を導入していますので、その検査を受けに遠方から患者さんが来院されたり、近隣の整形外科の先生からご依頼をいただくこともあります。

どんな人もまだまだできることがあることを伝えたい

やりがいを感じるのはどんな時でしょうか?

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今、療育センターの卒業生の多くを当院で受け入れられるようになりましたので、5~6歳頃から10年以上診てきた子が当院まで車いすで来て、意見を言い、自分の体や治療のことを理解していきます。子どもは大人より体の成長や環境の変化が大きいのですが、できないことがあったとしてもそれ以外にはこれができる、これは手伝ってほしいなど他人に伝えることも学んでいきます。そうして成長していく過程に携われるのは、小児リハビリが好きな私にとって一番うれしいですね。手術をして、以前できていたことができなくなってしまった方が、リハビリで笑顔を取り戻した瞬間など、いろいろな時にやりがいを感じます。

今後の展望や、力を入れたいことをお聞かせください。

小児リハビリと、地域に貢献する意味で、訪問リハビリや往診も広げていきたいですね。訪問リハビリは1年ほど前、往診は最近始めたばかりですが、私が患者さんのご自宅へ伺って診察することで、寝たきりの方や何年も前に脳卒中になりまひで動けなくなってしまっている方でも、できることはまだたくさんあるということを伝えていきたいです。当院の中での診療に留まらず、こちらからアプローチしていくなど、私ができることをして差し上げられるようにしたいです。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

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「基本的にリハビリの医師は、専門的な知識も必要だが、満遍なく広くすべての知識を持てるべし」と先輩から教えてもらいました。これはだいたいの方がリハビリに来てもらえることを意味しているんですよね。ですから体のちょっとした困り事でも来ていただければと思います。また当院のリハビリでは、普段の体の動かし方や立ち方歩き方など生活習慣にも着目していることをお伝えしたいです。患者さんの中には「初めて気がついた」と普段の姿勢の改善から取り組んでくださっている方もいらっしゃいます。他の診療科と異なる目線の治療で得られる部分は多いと思いますので、リハビリの重要性をもっと広めていきたいと考えています。

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