友成 博久 院長の独自取材記事
ともなり歯科
(久留米市/櫛原駅)
最終更新日:2023/12/11

西鉄天神大牟田線・櫛原駅から徒歩約9分の場所にある「ともなり歯科」。2018年に開院した、親しみやすい雰囲気が特徴の歯科医院だ。友成博久院長は、祖母や勤務医時代の経験から「生涯自分の歯で食事ができること」が何より重要だと実感し、予防歯科に特に力を入れているという。治療前のカウンセリングは丁寧に行い、数回にわたることもあるそうだ。また、歯科衛生士も担当制にするなど、一人ひとりにじっくりと向き合う診療方針が同院の特徴だ。患者が生涯にわたり健康的な口腔内環境を維持できるよう、永続性の高い高度な歯科診療を追求している。「自分の家族に行いたい治療を提案・提供したい」と語る友成院長に、予防歯科への思いや力を入れている根管治療について聞いた。
(取材日2023年10月4日)
生まれ育った地域で歯の健康を支えたい
この地で開業されるまでの経緯を教えてください。

家族が歯を悪くして入れ歯になり、痛い痛いと悩んでいるのを見て「助けになりたい」と思い、歯科医師をめざしました。鶴見大学歯学部に進学し、卒業後10年ほど、横浜や久留米の歯科医院で勤務医として幅広い分野で多くの臨床経験を積みました。勤務した歯科医院でマイクロスコープを使っていたことで、精密な治療の大切さに気づき、精密根管治療のみを専門としている先生の歯科医院でも研鑽を積みました。生まれ育った地である久留米市で一人ひとりの患者さんにじっくり向き合い、困りごとを解決する歯科医院をつくりたいと思ったのが開業のきっかけです。
どのような患者さんがいらっしゃいますか?
地域の方に多くいらしていただいていますが、ホームページの診療科目に根管治療を掲げていますので、それを求めて遠方から来られる患者さんも少なくありません。また、家族で来院される方も多く、各ご家庭のお口の健康に寄与できていると感じうれしく思います。
歯科医院の理念についてお聞かせください。

当院は、患者さんが「生涯自分の歯で食事ができること」をめざしています。勤務医時代に診てきた患者さんの中には、虫歯や歯周病がかなり進み、自分の歯をほぼ失った状態で受診される方も少なくありませんでした。いかに予防が大切かを実感し「自分で開業する時は、予防歯科に一番力を入れよう」と決意しました。当院は義歯やインプラント治療にも対応していますが、どんなに良い治療ができたとしても、やはり天然の歯に勝るものはありません。メンテナンスもしやすく、何より噛みやすいですからね。当院で行う予防歯科を通して、できる限り治療せずに済む口腔環境を患者さんに維持していただくのが使命だと考えています。たとえ虫歯が進行し、どうしても神経を取り去らなければならない場合でも、精度の高い治療を徹底し、二度とその歯を治療しなくて済むよう努めています。
予防歯科と精密な根管治療にこだわる
注力されている予防歯科の取り組みについて詳しくお聞かせください。

まず食生活に関するアンケートや唾液検査で、虫歯になりやすいかなりにくいかのチェックを行い、検査内容も含めた全体的な状況を踏まえ、患者さん一人ひとりに合ったオーダーメイドの予防プランを提案しています。大人の方は、歯周病のリスクも高くなるので、ブラッシングでしっかりと汚れを落とすことが大切です。当院では歯科衛生士が念入りにブラッシング指導にあたっています。磨き残しを示すプラークスコアが合格値になってから、メンテナンスに移行するなど、歯磨きがきちんとできているかのチェックも厳しく行っています。
子どもの虫歯予防もやはり歯磨きが重要でしょうか?
歯磨きも大事ですが「歯磨きしなさい」といっても嫌がるお子さんは多いですし、それを親御さんが毎回押さえつけて磨くのも大変ですよね。当院ではそれ以上に、食生活の見直しとフッ素塗布を重視しています。その2つで虫歯リスクはかなり抑えることができると考えているからです。また、虫歯以前の根本的な問題として、保護者の方にはお子さんの「顎の成長」を意識してもらうようにしています。正しい位置に丈夫な歯が育つためには、顎や口周りの筋肉などの土台づくりがとても重要なんです。日々の食事で噛む回数を増やす工夫や、椅子に座るときの姿勢など、お子さんの顎の成長を促すためのアドバイスもさせていただいています。
根管治療にも力を入れられているそうですね。

はい。根管治療は、感染した歯髄をしっかりと取り除くことで天然の歯を残すことがめざせる一方で、細菌の除去が不完全であったり治療中に細菌が入り込んだりした場合は再治療が必要になるので、高い技術力と豊富な経験が求められます。当院では、治療中に唾液や細菌が治療箇所に入らないようラバーダムをつけ、マイクロスコープを使いスピーディーに治療を行います。マイクロスコープは最大で肉眼の約20倍の拡大視野を得られるので、鮮明に患部を確認することができ、感染物質を見ながら除去することで取り残しが減らせ、再発リスクを抑えることにつながります。そのように精度の高い根管治療に努めてはいますが、しなくて済むならば根管治療はしたくないのです。神経を取ることは歯の寿命を縮めることにもなりますからね。抜髄せずに済む段階であれば、歯髄を残すために歯髄温存療法という選択肢もご提案しています。
将来を見据え予防歯科に取り組む大切さを伝えたい
先生の診療方針について聞かせてください。

当院は治療前のカウンセリングや検査にかなり時間をかけているのが特徴です。初診でまず患者さんの生活習慣、食生活、治療に対する希望などを詳しくお伺いします。それから口腔内写真、レントゲン、唾液検査などを通して、全顎的な視点で患者さんの口腔内の状況を把握します。さらにブラッシング指導や掃除などを経て、口腔内の環境を整えてから私が治療する段階にたどり着きます。痛みが強くすぐ治療が必要な方を除き、ここに至るまで数回通っていただくことになりますので、今までの歯科のイメージとは異なるかもしれません。しかしながら、長い目で見ると、今悪い所だけをその都度治療をしていくより、根本的な要因を探して対策するほうがはるかに多くの歯が残せるはずです。ですから、初診の際に歯科衛生士より当院の診療方針をきちんと伝えてもらい、それに納得いただいた上で通院していただくようにしています。
歯科衛生士が完全担当制だそうですね。
そうですね。健康な歯を維持していくためには定期的かつ継続したメンテナンスが不可欠です。それに対応する歯科衛生士が、患者さんを深く理解しじっくりお付き合いすることが重要だと考えたからです。2人の歯科衛生士は私の予防に対する考えを理解してくれていて、何も言わなくても理念に沿った対応をしてくれるので、とても心強いですね。私は患者さんに「歯科衛生士に会いに通ってください」とお話しすることがあります。私が患者さんと対面するのは治療が必要なときなので、できれば私が頻繁にお会いしなくて良い状況が続くのが望ましいのです。治療の機会がなく、私の顔を覚えていないとおっしゃるくらいでも良いと思っています(笑)。
忙しい毎日の中での、息抜きの方法を伺いたいです。

できるだけ家族と過ごす時間を大切にしています。食べることが好きなので、おいしいものを求めてドライブに出かけたり、友人家族と一緒にバーベキューをしたりすることも。みんなと楽しく過ごすことで良いリフレッシュになります。休みの日でも、興味を惹かれる勉強会があれば、そちらに参加することもあります。特に根管治療や予防歯科に関することは新しい情報をインプットしておきたいですね。
最後に、地域の皆さんにメッセージをお願いします。
当院では、患者さんの歯に対する意識を変えてもらうことをめざしています。まずは「歯科医院は痛くなってから行くところ」というイメージをなくし、治療して終わりではなく、20年後、30年後の歯のことを見据えホームケアやメンテナンスに取り組んでいきたいですね。当院はまず患者さんが「どうしたいか」をお伺いし、一人ひとりの状況を把握した上で「自分の家族に行うならどのような治療をするだろう」という目線で治療の選択肢をご提案しています。お口の健康を守るかかりつけ医として、どのような些細なことでも相談いただける存在になりたいと思っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは詰め物:5万5000円~/かぶせ物:14万3000円~/根管治療:7万7000円~/パウダークリーニング:6600円~/歯髄温存療法:3万円~/唾液検査:3300円~