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熊野 貴史 院長の独自取材記事

くまの整形外科 スポーツ&肩クリニック

(福岡市城南区/福大前駅)

最終更新日:2021/10/12

熊野貴史院長 くまの整形外科 スポーツ&肩クリニック main

バス停留所の油山団地前から徒歩2分。広い駐車場にガラス窓から見えるリハビリルームが目を引くスタイリッシュな建物が「くまの整形外科 スポーツ&肩クリニック」だ。2018年に院長の熊野貴史先生が開業。整形外科の中でも肩の治療とスポーツ障害のリハビリテーションに熱心に取り組み、MRIやエコーを駆使して、患者に負担をかけず理解しやすい説明を心がけている。自身がスポーツのケガで手術を受けた経験を踏まえて患者の気持ちに寄り添い、患者としっかりコミュニケーションを取りながら診断と治療の道筋をつけていく。「19時まで開けていますから、気がかりなことは何でも、いつでも相談してください」と明朗快活に話す熊野院長に、治療スタンスやスタッフの特徴、今後の展望などを聞いた。

(取材日2021年2月18日)

野球のケガによる手術経験を、患者の説明に生かす

先生もスポーツ経験者だそうですね。

熊野貴史院長 くまの整形外科 スポーツ&肩クリニック1

スポーツはずっと好きで、小学生から野球をしていました。中高校生くらいになると、何か仕事でスポーツに関われないだろうかと少しずつ考え始めましたね。一度工学部にも進んだのですが、やはり医学の道が諦めきれず、1年後に福岡大学の医学部に進学しました。高校時代に肩を壊したこともあって、私自身も医学部に在籍しながら整形外科に通っていました。医師になってからなのですが、手術も受けました。

それならば、患者さんの気持ちも手に取るようにわかるのでは?

そうですね。ボールが思うように投げられない悔しさも、手術を選ぶ勇気も、「手術を受けて本当に良くなるのだろうか」という不安もすべてわかります。今は中学や高校時代のように投げることはできませんが、趣味程度には楽しめますし、私自身は手術を受けて良かったと思っています。だから患者さんにも実感を持って説明ができますよね。単に「手術をすれば良くなりますよ」と言うと、患者さんは過剰な期待をするかもしれません。しかし私の場合、患者さん目線で「ここまでは良くなると期待できるけれど、100%完治するのではありません」といったように、過大評価をせずに言えますから。実体験から患者さんにフィードバックできるのは、私の強みだと思います。

患者の気持ち、医師としての意見、両方の視点で説明していただけるのですね。

熊野貴史院長 くまの整形外科 スポーツ&肩クリニック2

患者さんも良くなりたい一心で手術を選択されます。期待をして手術をしたのに、医療としての限界を教えてもらえず、そこにわだかまりやモヤモヤが生じると、手術にマイナスの感情が残ってしまいますよね。そういった意識のずれがないようにしたいと常々思っています。手術をする場合は、主に福岡大学病院に紹介しています。住民の皆さんにもなじみのある病院ですし、私の出身校でもありますので、どういう手術になるのか、治療の流れになるのかというのは熟知しています。今も定期的に大学で勉強会をしていて、難しい症例などは一緒にディスカッションをし、相談にも乗ってもらうなど、大事な患者さんを預ける場所として心強い存在となっています。

MRIやエコーを駆使し、患者が納得できる説明を行う

先生は患者さんと福岡大学病院をつなぐ窓口のようですね。

熊野貴史院長 くまの整形外科 スポーツ&肩クリニック3

そうなれているといいですね。やはり大学病院ならではの待ち時間は患者さんにとって大きな負担ですから、MRIなどを使った検査で診断をしっかりつけるなど、当院でできることをすべて行い、大学病院へお願いするかたちにしています。当院では高精度のMRIを導入していますが、オープン式にしたのは、肩の撮影がしやすいからです。専属の放射線技師もいますから、すぐに検査結果を患者さんにお伝えできます。MRIの強みは、エックス線検査ではわからない部分までしっかり確認でき、かつそれを患者さんと一緒に見ながら診察ができる点ですよね。診断をつけるのに活躍するのはもちろんですが、患者さんも画像で確認することで納得できる部分があるんですよね。

MRIの検査結果が、患者さんの心理的な部分のサポートになるのですね。

はい。当院の患者さんは、基本的には近隣の住民の方が多いのですが、他県から足を運んでくださる方もおられます。そういった方は、当院でMRI検査を受けることで、エックス線検査ではわからなかった部分を明確にしてより納得したいと考えて受診されるようです。肩は骨以外の軟部組織が多いため、エコー検査も随時取り入れ、患者さんに客観的に理解してもらうことを大事にしています。これらを使った上で異常が見つからなければホッとしていただけますし、可視化することで治療のモチベーションになればと考えています。

スポーツ障害の予防にも力を入れておられますね。

熊野貴史院長 くまの整形外科 スポーツ&肩クリニック4

突き指や脱臼などは予測ができないアクシデントですが、テニス肘や野球肩などはある程度予防ができます。当院にはサッカーのクラブチームや学校の部活に所属している近隣の学生も来ていますが、例えば野球をしている人で肩や肘が痛いと訴えても、そこだけを診るということはありません。必ず全身を診ます。痛みというのはあくまで結果で、どこかに必ず原因があるのです。使いすぎの場合もあれば、下半身や肩の柔軟性が落ちたことで変な投げ方になり、それで痛みが出ている場合もあります。初診の際は必ず診察室に入ってくる様子から、歩き方に癖が出ていないかなど、しっかり診ています。症状がなくても下半身が硬いというときは、リハビリテーションを取り入れながらケガの予防に努めています。

スポーツに精通したスタッフとともにリハビリを実施

リハビリテーション担当のスタッフさんも、スポーツに明るい方が多いのでしょうか?

熊野貴史院長 くまの整形外科 スポーツ&肩クリニック5

現在は理学療法士が3人、作業療法士が2人という配置です。理学療法士は皆スポーツに精通しており、私が何を言わんとしているのかをすぐに察してリハビリに反映してくれるような、阿吽の呼吸の存在なんですよ。リハビリスタッフはみんなスポーツ好きばかりで、どなたも10年以上のベテランです。理学療法士として何をしたらいいのか、また患者さんがやりたいこともしっかりくみ取ってくれるようなメンバーばかりなので、患者さんも相談しやすいようです。今後は女性の患者さんからのニーズも鑑み、女性の理学療法士さんの採用にも力を入れたいと考えています。

診察で工夫されていることはありますか?

整形外科では注射や処置のため衣類の着脱が必要なことが多くありますが、3つの診察室を設け患者さんの待ち時間をできる限り減らすように心がけています。診察室に入ってもらい診察を行った後、注射や処置が必要な際には準備ができ次第、私がそれぞれの診察室に向かうというスタイルです。どの方にも分け隔てなく、お話を聞きながら病気の背景にあるものを丁寧に解きほぐしていくことが大事だと考えています。注射であっても必ず顔を見て目を合わせ、お話を聞くことは欠かしません。強い痛みがあればMRIを撮るなどして、何らかの診断はつけます。様子だけを軽く見て湿布を渡してすぐ終わり、なんてことは絶対にありません。

先生が治療で大切にしていることをお聞かせください。

熊野貴史院長 くまの整形外科 スポーツ&肩クリニック6

患者さんの生活様式、仕事や学校生活などを考慮しながら、手術やリハビリテーションなど治療法を決めていくことですね。場合によっては整骨院と連携することもあります。診断をつけ、結果に最短距離でアプローチできるのが私たち医療機関の強みですが、整骨院が通いやすいのであれば申し送りをした上でそちらにお願いすることもありますし、その逆もあります。やり方はさまざまですが、患者さんに「整形外科は通いやすいんだ」と思ってもらいたいのです。肩の痛みを「単なる肩凝りだろう」で済ませる人もいますが、実は首のヘルニア、まれに心筋梗塞の前兆であることもありますから、症状を軽く見ずにぜひ相談してほしいですね。当院を「悩みがあったら気軽に相談する場所」だと考え、思い出した時には気負わずに来院してくださるとうれしいです。

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