黒岩 浩介 院長の独自取材記事
くろいわ総合歯科クリニック
(久留米市/久留米大学前駅)
最終更新日:2022/06/06
国道322号線沿いの高良川のほとりにある「くろいわ総合歯科クリニック」。2018年の開業以来、“総合歯科”の名前のとおり、虫歯や歯周病の治療をはじめ、インプラント治療、矯正、審美歯科など、患者の幅広い歯の悩みに応えてきた。クリニック内はシックなデザインでキッズスペースやパウダールーム、個室の診療室を備えるなど、通いやすさへの配慮がうかがえる。口腔外科出身の黒岩浩介院長は歯を失わないための予防にも注力し、患者本意の歯科医療を心がけているという。「メンテナンスは継続することが重要。一人ひとりに合わせたタイミングで来院してもらえるように」と話す黒岩院長に、クリニックを開業した経緯やこれまでのキャリア、注力する予防などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2021年12月24日)
“総合歯科”のクリニック名のとおり幅広い相談に対応
開業の経緯とこのエリアを選んだ理由について教えてください。
九州大学歯学部を卒業後、大学病院の顎口腔外科に勤務しました。歯科医師の本分は治療ですし、自分の専門分野を磨きたいという気持ちもありましたから。そこでは親知らずの抜歯をはじめとした外科処置を集中的に学び、入院している患者さんたちの歯科治療などにも携わりました。当時は勤務医を続けようと考えていたので、退局後も割と大きな歯科医院に勤務していたのですが、システマティックな診療を続けていく中で、自分が提供したい医療とずれがあることに気づき開業を決意しました。そこで地元である久留米にクリニックをつくることにしたんです。このエリアは高校生の頃まで自分が慣れ親しんだ場所ですし、地元に貢献したいという想いもありましたから。
現在はどういった患者さんがいらっしゃっているのでしょうか?
クリニック名に“総合歯科”と入れているので、患者さんはさまざまな相談でいらっしゃいます。半数くらいは虫歯になっていないか、口の中に問題がないかなど口腔全体を診てほしいというケースで、定期的にメンテナンスのためにいらっしゃっている方も多いですね。ほかにも私が口腔外科出身なので親知らずの抜歯、経験も豊富なインプラントの相談にいらっしゃる方もいます。インプラントに関しては顎の骨が少ないような難症例でも対応できるため、一定の需要があるのかもしれません。エリア的には久留米大学の近くにあるため大学生の患者さんも多いですが、クリニックの近隣に住んでいる中高年層の方にもよく利用いただいています。
診療のコンセプトについてもお聞かせください。
とにかく患者さん本意であることを大切にしています。もちろん治療内容も大事ではありますが、基本的には患者さんの思いをくんで嫌がることは極力しません。例えば歯科医師が良いと思った治療であっても、患者さんの捉え方は違うことがあります。歯科に対する知識、理解力などバックグラウンドも人それぞれですから、治療方針や内容をしっかりと説明し同意を得た上で治療を行います。ゆえに説明にも力を入れていますし、保険・自費に関係なく治療の前後には必ず口腔内の写真を撮影し、患者さんに見せるようにしています。どれだけわかりやすい言葉で説明しても伝わらない部分はありますからね。どうしても口の中は自分では見えない部分なので、ひどい状態であっても抜きたくない、削りたくないという方はいらっしゃいます。そうした場合にも写真を見れば、治療に前向きになっていただけるということもあると思います。
検査や記録を重視し、予防継続に向けて工夫を凝らす
診療において重視しているポイントについて教えていただけますか?
検査や記録を徹底しています。来院時の状態がわからなくなってはどこに原因があったのか振り返れませんから、原則として口腔内写真やエックス線写真を撮影した上で治療を行います。そのため初診の際は記録のための時間を取るのですが、痛みや詰め物が外れたなどの主訴がある場合はそちらを優先します。すべての患者さんが口腔内全体を診てほしいというわけではありませんし、部分的な処置を望まれるケースでは、全体のケアを行う必要性を説明するにとどめるなど、ある程度柔軟に対応するようにしています。“総合歯科”を志している以上、口のことで困っているものはすべて解決するというのが使命。虫歯や歯周病の治療、インプラント治療、矯正、審美歯科など、どんなことでもお応えしたいと思っています。
メンテナンスにも力を入れているとお聞きしました。
例えば歯周病治療は、将来的に歯を失ってインプラントやブリッジにならないために行うもの。そういう意味から予防のためのメンテナンスは非常に重要です。ただしメンテナンスについて他のクリニックと変わったことをやっているわけではなく、とにかく継続することを重視しています。患者さんによく「どれくらいの間隔で来たら良いか」と聞かれますが、口の中の状態や年齢、歯磨きの仕方などによって違います。画一的なタイミングでメンテナンスを行うのではなく、一人ひとりの状況をチェックした上で来院間隔を検討しなければなりません。毎月来てくださいでは、患者さんもくたびれてしまいますからね。またメンテナンスではクリニックによって歯科衛生士だけが対応するケースもありますが、基本的には私も顔を出し状態をチェックするようにしています。
スタッフの皆さんにはベテランの方が多いそうですね。
当クリニックの歯科衛生士はほとんどが主婦。人生経験も豊富なベテランばかりなので、患者さんにも信頼されています。一方、パートの方が多いので担当制が難しい場面はどうしても出てきます。そこで技術の均一化という点には気をつけていますし、患者さんの情報共有は徹底しているのですが、患者さんにとって初めての歯科衛生士が処置を行う際には私が介入しまず紹介するようにしています。歯科衛生士が変わるタイミングは、メンテナンスが途切れてしまうタイミングでもあるので注意しています。
予防や噛み合わせなど気になることがあれば相談を
改めて歯科医師をめざしたきっかけをお聞かせください。
最初に歯科医師を意識したきっかけは、実は親の勧めなんです。医療関係の仕事に就いてほしかったのだと思いますが、実際に働くようになり、その魅力や、やりがいも感じ歯科医師になって良かったと思っています。医師と違って毎日同じようなことをやっていると思われることもあるのですが、口の中や歯は一つ一つ違うので、歯科医師になって20年近くたった今でも新たな発見があります。それに自分の手で患者さんを治療し、患者さんから感謝の言葉を頂ける、非常に良い職業だと実感しています。
今後の展望について教えていただけますか?
大きな歯科医院での勤務が長かったので、すべてに自分の目が行き届く今のクリニックには満足しています。それにチェアタイムも長めに取っているので、患者さんと接する時間も長くなっていますし、今のスタンスでの診療を続けていきたいですね。CTなど専門的な機器もそろえていますし、インプラント治療や矯正など幅広い診療に対応しながら、親知らずの抜歯など自分が学んできた専門的な技術を生かせる部分も継続していきたいと思います。
最後に読者の皆さんや患者さんたちにメッセージをお願いします。
予防に興味がある方はもちろん、噛み合わせが気になる、歯が悪くなって困っているというケースまでたくさんの方に来ていただきたいと思います。そのため当クリニックでは来院のハードルを下げようと総合歯科という名前を採用しました。インプラントや矯正など自費専門のクリニックなどもありますが、門戸を広くしているからこそ相談へ行こうと感じていただける方もいるはずです。ちょっとした悩み事でも構いませんので、歯のことで気になる点があれば気軽にお越しいただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは■インプラント治療(本体かぶせ物・手術代すべて含めて1本につき)/30万円~
※かぶせ物の種類・手術の内容によって金額が異なります。
■矯正
・成人矯正(上下)/70万円~
・小児矯正(上下)/30万円~
■審美歯科
・セラミック/6万6000円~13万2000円
※素材により金額が異なります。