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熊谷浩司 院長の独自取材記事

よつや三栄通りメンタルクリニック

(新宿区/四ツ谷駅)

最終更新日:2019/08/28

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四ツ谷、四谷三丁目から歩いて5分のところに、「よつや三栄通りメンタルクリニック」はある。シンプルで広い院内は、静かで落ち着ける印象だ。「患者さんだけでなく家族も一緒に面談することがあるので、椅子を3つ用意してるんですよ」と語るのは、熊谷浩司院長。穏やかな口ぶりと柔らかな笑顔についこちらもホッとさせられてしまう、親しみやすいドクターだ。「現代社会はストレスが多いので、いろんな精神の不調を訴える方が増えています」と院長。患者本人だけでなく患者を取り巻く環境を調整することが治療と同じくらい大切と話す院長に、精神科医を志した理由や、最近増えているといううつ病についてなどたっぷりとお話を伺った。
(取材日2013年6月27日)

精神の不調の中に、体の病気が隠れていることも

先生が、精神科医になろうと思ったきっかけを教えて下さい。

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医学部では5年生から病院実習が始まります。その時、意識をなくして運び込まれた患者さんがいました。ありとあらゆる検査の後、典型的な精神症状であることを知りました。いろいろな進路を思い描く中ですっと肩を押されたような気がしました。

医学部を卒業してからは、どうされたのですか。

大学附属病院で研修の後、静岡県の市立島田市民病院というところで精神科医として10年ほど勤務しました。島田市民病院は総合病院のため、精神科のみならず内科や外科などあらゆる科の患者さんが救急車で来ており、交通事故の外傷から心筋梗塞の発作まで対応しなくてはいけませんでした。専門外のことでしたので、他科の先生に教えてもらったり、自分で調べるなどして必死に勉強していたんですが、今思えばあのときの経験は得がたいものでした。というのも、精神科医になると体の疾患を診る機会が少なくなるので、どうしても精神科以外の病気に疎くなりがちなんですね。おかげで、診断時には精神と身体の両面から患者さんを診る力がついたと思っています。

どのようなときに実感していますか。

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以前に、記憶力が落ちたと言って来院した方がいました。その方は、物忘れがひどいためもしかしたらアルツハイマー病の初期症状ではないかと思っていたようでしたが、お話を聞きしたところ、アルツハイマーではなく脳疾患の可能性があると思いました。もし、脳腫瘍などの前駆症状としての記憶力低下であれば、一刻も早く脳外科を受診しなくてはいけませんから、患者さんにそのように説明し脳外科へ行ってもらいました。あとから聞いたところ、やはり初期の脳腫瘍だったそうです。早い受診のために事なきを得たとのことで、私も安心しました。患者さんは症状を訴えてはくれますが、自分がなんの病気なのかは分かりません。先入観なくあらゆる病気の可能性を考えた上で、精神科の病気かどうか判断することが必要であると日々実感しています。

初診で緊張しているのは患者だけではない、医師も同じ

普段の診察の中で心がけていることを教えて下さい。

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精神科は、内科や外科と違ってCTやMRIなどの画像診断のようにはっきりとした診断の方法がありません。簡単なテストのようなものを行うこともありますが、基本的には会話を中心に病気を診断していくことになります。ですので、対面して行う会話が非常に大切で、場合によっては1時間以上お話を聞くこともあります。特に初診の患者さんの場合は、リラックスしていただくためにもしっかり時間をとって話を聞くようにしています。

メンタルクリニックは、なんとなく敷居が高いと感じている方も多いようですが。

そうですね。例えば歯科医と比べると、メンタルクリニックはなかなか来づらく、どんな先生がいるんだろう、どんなことを話せばいいんだろうと考えだすとなかなか足が向かないかもしれません。でも初診のとき、緊張しているのは患者さんだけではありません。実はこちらも同じくらい緊張しているんですよ(笑)。どのような悩みごとが持ちかけられるのだろうかと。私は、それでいいと思っています。初対面であれば緊張して当然ですし、自分の症状を口に出して説明するのは難しい。ですので、はじめからうまく話そうと思わなくて大丈夫。回数を重ねながらお互いに信頼関係を築いていければいいと思います。

メンタルクリニックを選ぶ上でコツはありますか。

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ドクターとの相性を重視してほしいですね。さまざまな考え方や治療方針の先生がいますが、それを含めて自分と合う、合わない、という感覚を重視してほしいと思っています。話したときに、「なんとなく合わないな」と感じたら、無理にそこに通う必要はなく、別のクリニックに当たるというのもひとつの手でしょうね。安易にあちこちのメンタルクリニックを渡り歩いてドクターショッピングをするのはお勧めできませんが、合わなかったからと言って諦めるのではなく、「どこかに自分に合う先生がいる」という気持ちで自分に合う医師を探すことも大切だと思います。自分から合わせるものではありません。

うつ病でつらい思いをしながらも会社を休めない人が増えている

今、うつ病になる人が増えていると聞きました。

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その通りです。当院でも一番多いのがうつ病ですね。この辺りはオフィス街なので、30代から50代のいわゆる働き盛りのサラリーマンの方が多いのですが、こういった方の治療はとても難しいんです。というのも、うつ病を治療する上で一番大切なのは休養なのですが、なかなか皆さん休職には踏み切れないんですね。多くの場合、会社を休職するということはいわゆる出世コースから外れることを意味します。また職場のストレスが原因で発症した場合、治療が成功しても復職すれば再び同じストレスにさらされることになります。会社に理解がなく暗に、「求職するくらいなら退職してくれ」と言われることもあるようですね。患者さんは、うつ病でつらい思いを抱えながら、こういった会社との軋轢(あつれき)にも悩まされることになります。

難しい問題ですね。そういった場合はどのように治療するのでしょうか。

基本的に、個人情報保護の観点から会社との交渉はあくまでも本人が行わなくてはいけません。ですので、私は患者さんの話を聞きながら、場合によっては休職や配置換えなどの提案をしていきます。もちろんすべての会社に理解があるわけでないので、ときには患者さんと一緒になって頭を抱えることもあります。きちんと薬を飲み、休養さえ取れればうつ病は良くなるというのに、仕事を失う可能性があるため休むことができない。大変なジレンマです。患者さんはもちろん、私も医師としてとても苦しい。そんな中で、その時点で最適だと思う方法を患者さんと一緒に悩み、考えて模索し続ける日々です。

最後に、先生自身のストレス解消法を教えて下さい。

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ときどきですが、テレビゲームをやるようにしています。ゲームと聞くと、「えっ」と言う方も多いと思うんですが、私は自分の余暇の時間にゲームに没頭することもいいんじゃないかと考えています。ゲームをしていると、日常の雑多なことを忘れてゲームの世界に夢中になりますよね。そういった時間が思いの外大切なのではないでしょうか。もちろん過度にのめり込むのはいけませんが、忙しい日々から解放されてリラックスするための時間も必要だと思っています。あとは映画を観るとか。地味な趣味ですよね(笑)。

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