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水本 加津子 先生の独自取材記事

きのうクリニック

(羽曳野市/古市駅)

最終更新日:2023/03/14

水本加津子先生 きのうクリニック main

大阪府羽曳野市、落ち着いた街並みの中にたたずむ「きのうクリニック」。2018年に開業し、2021年からは日本糖尿病学会糖尿病専門医である水本加津子先生の入職に伴い、糖尿病内科を標榜。内科・循環器内科、リハビリテーション科と連携の上、患者一人ひとりに合った糖尿病治療に力を注いでいる。在宅医療や訪問看護の体制も充実しているのが特徴だ。今回、「糖尿病を嫌いにならないでほしいですね。患者さんがモチベーションを持って治療に向き合えるように、診療を工夫しています」と語る水本先生に話を聞いた。終始、穏やかな笑顔を絶やさない水本先生。患者のことを思う優しさがひしひしと伝わってきた取材であった。

(取材日2023年2月17日)

楽しく元気に、人生をまっとうするための糖尿病治療を

糖尿病内科の担当として入職されたそうですね。

水本加津子先生 きのうクリニック1

そうなんです。それまでは大学病院などで経験を積んできましたが、次第に「地域に根差したクリニックで地域医療に貢献したい」という思いが強くなったんですね。糖尿病専門医として、もっと患者さんと近い距離感で診療にあたっていきたいなと。そんなときに喜納直人院長に出会い、当院では訪問診療を担いつつ、糖尿病内科で活躍できることに惹かれました。また、糖尿病の患者さんは循環器疾患の合併症を持つ方も少なくありません。当院の場合、何かあれば日本循環器学会循環器専門医である喜納院長にすぐ相談できますし、心臓リハビリテーションもあります。患者さんの安心につながる体制にも魅力を感じました。

診療で心がけていることをお聞かせください。

糖尿病を嫌いにならないでほしいということですね。というのも、実は糖尿病の治療を中断してしまう患者さんは珍しくありません。血糖値が高いだけでは症状は出ませんし、治療に経済的な負担がかかったり、なかには「先生に怒られてしまう」と心配したりする患者さんもいらっしゃいます。そのため、糖尿病を嫌いにならずに、病院に行きたいと思ってもらえるような診療に努めているんです。そもそも糖尿病治療とは、楽しく元気に人生をまっとうするための治療だと思っています。通院や治療、食事療法、運動療法は“つらいこと”だと感じてしまいがちですが、日頃から前向きに取り組めるようにサポートしていきたいと考えています。

具体的に、どのようなサポートをしていますか?

水本加津子先生 きのうクリニック2

例えば、真面目な患者さんの場合、「今月はこんなにつらいことがあって、食事療法を頑張れなかった」と落ち込んでしまう方もいらっしゃるでしょう。そんなときは、「糖尿病は生活に関わる疾患。生活には、さまざまなイベントがあります。頑張れるときも頑張れないときもありますよ!」と励ますなど、治療へのモチベーションが下がらないようなお声かけを大切にしています。ほかにも、診療で患者さんの悩みやため込んでいることに耳を傾け、スッキリした気持ちで帰っていただくことも大切でしょう。糖尿病の通院というと、尿検査や血液検査で数値をチェックして、お薬を処方するのが一般的ですが、当院では丁寧な対応を心がけ、患者さんの励みになるようなプラスアルファのお土産をつくっていくことを心がけています。

外来診療や訪問診療を使い分けたオーダーメイド治療を

患者層について教えてください。

水本加津子先生 きのうクリニック3

当院は地域に根差した診療を展開していますので、患者さんも地域の方々がほとんどです。なかには、私が以前勤務していた和泉市などから足を運んでくださる患者さんもいらっしゃいます。また、循環器内科と連携の上、幅広い糖尿病疾患に対応していますので、患者さんも20代から90代まで幅広いのが特徴ですね。健康診断で指摘された方はもちろん、糖尿病専門医がいることを知って来院される方、インターネットで調べて「糖尿病かな?」と心配して来られる方など、来院目的もさまざまです。気軽な気持ちで相談に来ていただきたいなと思います。患者さんの背景を大切に、一人ひとりに合ったオーダーメイドの治療に取り組んでいきたいですね。

訪問診療も、さまざまなバリエーションがあると伺いました。

当院では在宅医療や訪問看護の充実した体制が整い、糖尿病内科の強みの一つとなっています。例えば、一般的にはご高齢の患者さんに対するインスリン導入は、入院となります。しかし、ご高齢の方が入院するとADL(日常生活動作)が落ちてしまうほか、認知機能に問題が出たりなど、リスクがないわけではありません。そのため、当院の場合は高齢の患者さんには入院という選択肢だけでなく、訪問看護で看護師がご自宅を訪問して血糖値を確認し、インスリンの手技を教えるなどの対応も可能にしています。ご自宅での様子は医師や管理栄養士ともしっかり共有し、治療や栄養指導にも役立てます。より生活に即したものを提供することが可能になると思います。必要に応じて、外来診療と在宅医療・訪問看護を使い分けながら進めていますよ。

看護師や管理栄養士との連携も大切なのですね。

水本加津子先生 きのうクリニック4

もちろんです。看護師と連携の上、患者さん一人ひとりともっとコミュニケーションを取れるような体制をめざしていきたいですね。管理栄養士も週3日常勤してくれています。専用の指導スペースで栄養指導や相談対応を行っていますので、ぜひ活用していただきたいなと思います。スタッフみんなで協力し合いながら、患者さんに対して丁寧に向き合っていきたいです。

患者一人ひとりにしっかり寄り添う診療を貫いていく

ところで、先生が糖尿病専門医を志した理由は何でしょう?

水本加津子先生 きのうクリニック5

実は、学生時代は糖尿病には興味がありませんでした。しかし、医師になりたての頃に指導医の先生からかけられた言葉をきっかけに、糖尿病治療に関心を持ったんです。同じ女性としても憧れの先生でしたが、「糖尿病は医者が薬を出したら解決する問題ではなく、患者さんとの協力が不可欠。食事療法をベースに、運動療法や薬、治療との向き合い方など、バランスをとってこそ良い治療ができる」とおっしゃっていたんですね。さらに、「医師と患者さんがコミュニケーションを重ねながら、ともに治療取り組む。その上で患者さんが前向きに糖尿病と向き合うことができるなら、その患者さんにとっての名医になれるかもしれない」という言葉が強く印象に残りました。もともと人とのコミュニケーションが好きでしたし、糖尿病治療にとても魅力を感じましたね。

大学病院などでの勤務も長いですよね。

そうですね。大学病院では、さまざまな先生方から指導していただくことができました。単に臨床経験を積むだけではなく、症例を一つずつ掘り下げて考察し、カンファレンスなどで問題を提議していくことで、自分自身の根本的な考え方も追求することができましたね。今も喜納院長に相談していますが、これまでの経験を生かすこともできていると思います。

患者さんとの思い出やエピソードなどはありますか?

水本加津子先生 きのうクリニック6

例えば、患者さんから「おまんじゅうを食べようと思ったけれど、先生の顔が浮かんで止めたよ」「また会いに来るわ」なんて言われると、とてもうれしくなりますね。私自身、日頃から「医者だから言えない」ということをなくしたいと思っているんです。特に患者さんとの信頼関係が築けるまでは、時間をかけて丁寧なコミュニケーションを心がけていきたいと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

糖尿病の患者さんはもちろん、家族が糖尿病に罹患していて、将来的に自分も糖尿病になるか不安な方など、糖尿病ではなくても気になることがある方はご来院ください。これからも診療スタイルを崩さず、患者さん一人ひとりにしっかり寄り添っていきたいと思いますので、何でも気軽に相談していただけるとうれしいです。また、先ほどもお伝えしましたが、循環器内科と連携した治療のほか、心臓リハビリテーションにも対応しています。心疾患がある糖尿病の患者さんも、安心して運動療法に取り組んでいくことが可能です。これからも幅広い糖尿病の患者さんに向き合っていきますので、ぜひ安心してお任せください。

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