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野本 尚之 院長の独自取材記事

ゆ~みん歯科

(苫小牧市/苫小牧駅)

最終更新日:2021/10/12

野本尚之院長 ゆ~みん歯科 main

苫小牧駅から徒歩12分。昔ながらの町の歯科医院といったたたずまいの「ゆ~みん歯科」。市役所などが立ち並ぶ市の中心部にありながら、住宅街にも隣接しており通いやすい立地だ。もともと歯科医院だった建物を引き継ぎ、リフォームを経て2018年に開院した野本尚之院長。40歳で歯科医師になり20年以上、首都圏で複数の歯科医院を運営してきたが、ある出会いをきっかけに苫小牧へ移住。患者や周囲の人たちとの交流からそれぞれの生きざまにふれ、心豊かな日々を送っているという。笑顔を絶やさず穏やかな表情が印象的な野本院長に、これまでの歩みや患者への思い、今後の展望など幅広く話を聞いた。

(取材日2021年08月12日)

40歳で歯科医師に。そして苫小牧への移住を決意

歯科医師になられたのは40歳の時とお聞きしました。

野本尚之院長 ゆ~みん歯科1

そうなんです。13歳の時に父を結核で亡くし、それから医師になりたいと思うようになりました。4人兄弟の末っ子、しかも裕福とはいえない家庭に育ちましたので、アルバイトをしながら国立大学をめざしたものの医学部への進学はかないませんでした。結果的には生命を守る医学と近い学問として生物学を専攻。卒業後は高校や大学で教員として働いていました。36歳の時、歯学部が社会人を3年次編入学で受け入れると知り、最後のチャンスだと感じて思い切って挑戦。入学してみると社会人を経て編入学した学生もいましたし、何より歯科医師になりたいという共通の志を持った仲間から刺激を受けて勉学に励み、40歳で晴れて歯科医師免許を取得しました。

こちらに開院されたきっかけを教えてください。

長年、首都圏で歯科医師をやってきて、苫小牧は縁もゆかりもない土地でした。しかしいつかは北海道で暮らしたい、そして歯科医師として有終の美を成すことができればと望んでいたので、それなりにアンテナを張り、開院場所を探していたんです。そんな時、たまたまここにあった岸田歯科のことを知りました。60年ほどの歴史があり、2代目院長が若くして急逝されて、お母さまが一人息子の遺志を継ぐ歯科医師を探されていたんです。歯科医院を見せてもらい、息子の思いが詰まった歯科医院をつぶすことはなんとしても避けたいとおっしゃる姿に胸を打たれました。私は末っ子で兄たちは早々に独立しており、母一人子一人のような状況で育ったので、母の姿を重ねて見ていたのかもしれません。どんなところなのかも知らずに自分がやるしかない、このお母さんのためにやらなければと思ったんです。

苫小牧に来られて3年ほどですが、住み心地はいかがですか?

野本尚之院長 ゆ~みん歯科2

私が生まれ育った埼玉や、これまで生活してきた東京、神奈川といった首都圏とは方言も、暮らしている人々の気質も違い、最初は戸惑いもありました。でもこの辺りの方たちは、まさに朴訥(ぼくとつ)という表現がぴったりで、非常に飾らない方が多い。初めは言葉数が少なかった方とも、診療を通じて互いを知るに連れお付き合いが深まっていきました。実は、明日も患者さんと一緒に枝豆を買いに出かけるんですよ。心の温かい方が多くて暮らしやすいところだと感じています。

恐怖心を払拭し、親しみを感じてもらえる歯科医院に

「ゆ~みん歯科」という院名の由来をお聞かせください。

野本尚之院長 ゆ~みん歯科3

歯科医院への恐怖心をなくし、親しみを感じてほしいという願いが大前提にあります。歯科医院が怖い一番の理由は痛いということ。痛みのイメージって、漫画などでも直線的な鋭い感じの表現になると思うんです。だから、そういう表現とは真逆にしたかったんです。それで直線を多用する漢字や片仮名は避け、丸みを帯びた文字で身近なネーミングをめざすことに。「ゆ~みん」には遊牧民という意味もあって、私自身、首都圏からこちらへ流れてきましたし、妻の名前とも共通点があることなどから決めました。

どのような患者さんが来院されますか?

小学生ぐらいのお子さんからご高齢の方まで年齢層は幅広いですが、働き盛りの20~30代の方は少ないという印象です。痛みや違和感があって来られる方がほとんど。忙しいとどうしても歯科の受診は後回しになりがちですが、痛みが出たら我慢せずに早めに受診するようお声がけしています。今はお一人あたりの診療時間を1時間ほど取っていますので、定期検診の重要性を知ってほしくて機会があるごとに患者さんにお話ししています。定期的に受診すれば病気を早期に発見できるため、結果的に痛い思いをせずに済みますし、通院回数も治療費も抑えられますからね。そんな私の話を思い起こして、「半年たったから行かなきゃ」と来てくださる患者さんも全体の半数ぐらいいらっしゃいますね。

患者さんとはほかにどんなお話をされるのですか?

野本尚之院長 ゆ~みん歯科4

歯科医師としてお口や歯のお悩みを伺ったり治療内容を説明したり、あるいは前述のように定期検診の重要性などをお話しするほか、患者さんから生きざまにふれるようなお話を聞く機会にも恵まれています。それぞれのお話が私にとっては未知のことばかり、首都圏にいては知ることができなかったことばかりです。私は今年70歳になりましたが、この年齢になるとあと何年仕事ができるのか、どのように人生を全うすべきか考えるようになります。ここでは、今の状況の中でなんとかして生きていくしかないという、ある意味割り切った考え方で暮らしている方、あがいたって仕方ない、なんとかなるさという感じが伝わってくる方が珍しくありません。40歳で歯科医師になって以来がむしゃらにやってきましたが、今は自分に与えられた役目がまだあるはずだ、やれることをやっていこうと思っています。生きる原点を思い起こさせてもらったと言っても過言ではありません。

歯科医師としての使命は、患者を苦痛から解放すること

診療ではどのようなことを心がけていますか?

野本尚之院長 ゆ~みん歯科5

「病を治す」ということを第一に考えています。子どもの頃から医療に携わりたいという思いを持ちながら、回り道の末、歯科医師になった時、ベストを尽くすにはどんな歯科医師になるべきだろうかと考えました。その結論は「病を治すことを第一に考え、病の苦痛から患者さんを救うことに重きを置く歯科医師になろう」ということ。だから、私はインプラント治療や審美歯科はやりません。あくまでも「痛い」「腫れた」「噛めない」といった苦痛から患者さんを解放することに喜びと使命を感じてここまでやってきたんです。適切な治療を支えるのは患者さんの理解と納得。説明を尽くし、ご要望をお聞きし、小さな疑問や不安まで解消した上で治療を開始するよう心がけています。これからも、保険診療の範囲内で苦痛を取り除くための治療にベストを尽くしていきたいですね。

先生ご自身が歯の健康のために実践されていることを教えてください。

健康管理ですね。歯も体の一部であり、口の中の状態は体の健康のバロメーターなんです。全身の疾患を予防するためにも、健康診断の数値を正常に保つよう気をつけています。そのためには食事の時はよく噛むこと、体にいいものを食べること、体に悪いものは避けることが基本です。歯科医師というのは患者さんの健康管理について助言をする立場ですから、自分自身の健康管理は義務だと思っています。自分が健康だからこそ患者さんに治療やアドバイスができるんです。体に悪いことはしない、できるだけ体にいいことをする。例えば、朝晩1時間ずつ歩く、深酒は避ける、塩分を取り過ぎない、高カロリーのものを食べない、睡眠を十分とるといった基本的なことが大事ですね。健康管理者として見本を示すべきだと考えています。

歯科医師としての今後の展望をお聞かせください。

野本尚之院長 ゆ~みん歯科6

今のスタンスのまま行けるところまで続けていきたいですね。患者さんに頼っていただける間はまだやっていこうと思いますし、患者さんがほかの先生を選んでここへはもう来ないのであれば、その時は引退の時期かなと。なるようになるという気持ちで、すごく快適なんです。頼られているうちは続ける。それを可能にするのは健康ですから、健康管理はしっかりしなければね。患者さんとは歯に関することや治療の話をするだけではなくて、私の趣味である写真の撮影スポットとか、おいしいものを食べられる店とか、いろいろなことを教えていただいて、毎日がすごく楽しいんです。あとは、神奈川で運営している歯科医院を若い先生にバトンタッチして、今後関わっていくのはここだけにして、患者さんとゆったり向き合っていきたいと思っています。

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