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奥山 裕司 院長の独自取材記事

おくやまクリニック

(和泉市/和泉府中駅)

最終更新日:2023/12/28

奥山裕司院長 おくやまクリニック main

大阪府和泉市の観音寺町、南海バス「和泉市立総合医療センター前」バス停からすぐのところにある、「おくやまクリニック」。穏やかで優しい笑顔が印象的な院長の奥山裕司先生は、2018年にこの地に開業、循環器内科を中心に、生活習慣病や内科の診療にあたっている。奥山院長が大切にしているのは、わかりやすい説明や、患者が実践できる生活指導。心臓の絵を描いて血液の流れや病状を説明したり、患者が病状の改善のために実践しやすい「5ヵ条」を患者に伝えるなど、きめ細かい工夫をしている。奥山院長に、診療で心がけていること、やりがいなどについて、話を聞いた。

(取材日2023年4月27日)

生活習慣病や動悸などの診療にあたる

こちらにいらっしゃる患者さんには、どのような症状の方が多いでしょうか?

奥山裕司院長 おくやまクリニック1

まず多いのは生活習慣病でいらっしゃる患者さんです。健康診断で血圧や脂質異常などの問題を指摘されて来院される方ですね。それから、私の専門が循環器内科なので、動悸などのご相談もたくさんいただいています。高校生や大学生など動悸症状を訴える若い患者さんも多く、年齢層としては幅広い方に来ていただいています。地域としては、主に周辺にお住まいの方が多いのですが、中には北海道など、遠くから来ていただいた方もいます。私の心臓に関する著書を読んでわざわざ来てくださって、飛行機で数ヵ月に一回通院していただいたケースもありました。健康診断で発見された異常は、放っておくと循環器系の重い病気につながるリスクとなるので、患者さんの健康寿命を少しでも延ばせるようなアドバイスを心がけています。

動悸の症状が多いということですが、どういう状態だと受診を考えたほうが良いのでしょうか?

動悸というのは、自分の心拍を不快感を持って感じる状態のことです。健康な臓器については、そこにあることを普段は意識しません。例えば手や足も、ついてはいるけれど、何も異常がない場合はその存在を感じないですよね。しかし、ケガをして痛いときは、手の存在が気になり、手があると感じます。健康な心臓も、意識しなければ、普段は動いていることを特に感じません。そうではなく、心臓の動きが早くても遅くても、ドクンドクンといって気持ちが悪いなと思ったらそれは動悸なんです。動悸・息切れの症状がある場合は、不整脈や心不全が隠れていることもありますし、時には、甲状腺機能に異常が見つかることもあります。動悸や息切れの症状は、一つの大きなサインでもあり、内科的な疾患や循環器領域の疾患が背景にある場合があるので、症状がある場合は専門の医師に相談することが大切ですね。

こちらのクリニックでは、発熱の外来もやっていらっしゃるのですね。

奥山裕司院長 おくやまクリニック2

開業して1年半ちょっとたった頃に新型コロナウイルス感染症が流行して、発熱の外来を始めました。もともと職員用の裏口をつくっており、熱がある患者さん用に別の入り口を用意できたので、ほかの患者さんと動線を分けて診察することができました。クリニックでPCR検査もできる体制を整え、すぐに検査結果がわかるようになっています。感染症疑いの患者さんも、かかりつけとして当院を利用する患者さんも、安心して受診できるよう、現在の診療体制を継続しようと考えています。幸い当院には総合病院で感染管理の経験のある感染対策に詳しいスタッフもおりますので、今後の新規感染症発生時にも迅速に対応したいと思っています。発熱を含めた感染症状で受診される方は、マスク着用など感染を他者に広げないように工夫していただくとともに、検査を希望される場合には別の診察室で診療をさせていただきますので、前もって電話連絡などをお願いしています。

伝え方を工夫しながら、患者が実践しやすい指導を行う

患者さんと接する際に心がけていることはありますか?

奥山裕司院長 おくやまクリニック3

患者さんに病状をわかりやすくお伝えするために、心臓の血液の流れや電気信号の流れを、私が絵に描いて説明します。心臓は形も複雑ですし、口だけで説明されても、家に帰るまで覚えているのは大変だと思うんです。ご家族にも説明がしやすいよう、A4版の紙に描いて持って帰っていただけるようにしていますよ。開業する前、勤務医だった時から続けているのですが、その頃の患者さんがこちらにいらっしゃった際、「昔、先生に書いてもらったやつですよ」とその絵を持ってきてくださったこともあります。

生活習慣病の患者さんに対しては、生活指導なども必要になるかと思います。

そうですね。生活習慣病の患者さんに対して意識しているのは、患者さんがご自宅で実際に行動しやすい伝え方をすることです。例えば血圧測定では、忘れずに血圧を測ってくださいとお伝えするだけではなく、「朝起きて、トイレに行ってから食事をする前に、暑くも寒くもない部屋で2分間座り、上腕で血圧を2回連続で測りましょう」そんなふうに具体的に指導しています。それから、尿検査の値から一日の塩分摂取量を推定する式があるのですが、塩分制限をしたほういい患者さんに対しては、そうした計算式も活用しています。検査結果から推定される自分の塩分摂取量と、めざす理想的な摂取量を数字で知ると、単に塩分を控えましょう、と言われるよりもわかりやすいですよね。

他に工夫をされていることはありますか?

奥山裕司院長 おくやまクリニック4

例えば悪玉コレステロールを減らしたり血圧を下げたりするために、私が作った「5ヵ条」というものを紙に印刷して患者さんにお渡ししています。日常生活で必要ないろいろな情報が載っているパンフレットなどもあるのですが、あまりたくさんのことを言われてもなかなか頭に入らないですし、実際に守ることができないと思うんです。そのため、例えば悪玉コレステロールだったら「動物性脂肪を控え、青魚や植物性脂肪を取る」「食物繊維を多く取る」といった、シンプルな5ヵ条を作って、中でも特に1番目と2番目ぐらいを中心に説明するようにしています。そして、一定期間患者さんに頑張ってもらい、その後採血して改めて数値を見るんです。それでも駄目なら薬を使いますが、まずはこのシンプルな5ヵ条をお伝えして実践していただいています。

培った経験と専門性を生かし、地域医療に貢献を

さまざまな工夫の背景にあるポリシーや、診療に対する思いがありましたらお聞かせください。

奥山裕司院長 おくやまクリニック5

例えば生活指導に関しては、やってほしいことをお伝えして終わりではなく、自宅で実際にやっていただく必要があるわけです。患者さんの立場に立って考えると、一度にたくさんのことを言われてもそもそも覚えるのが大変ですし、長年の生活習慣をあれもこれも変更するのは難しいはずです。自分が患者だったらどうだろうかと考え、できるだけシンプルに、わかりやすくお伝えする必要があるなと感じました。患者さんが実践できるかどうかを考え、その人に合った伝え方をすることが大切だと思っています。

やりがいを感じるのは、どのような時でしょうか?

例えば、通っていただいている患者さんのご家族が新たな患者さんとして来てくださると、医師として信頼していただけたのかなとうれしく感じますね。患者さんと信頼関係を築き、他の方とのお付き合いにつながっていくことも、開業医ならではのやりがいだと思っています。

最後に、クリニックの今後の展望、患者さんに向けたメッセージをお願いします。

奥山裕司院長 おくやまクリニック6

守備範囲をむやみに広げるよりは、自分がこれまでやってきたことや、培った専門知識を生かして診療を続けていきたいですね。特にこの南大阪の地域は、不整脈を専門とする医師が少ないので、私の専門性がお役に立てればと思っています。それから、時代の要請といいますか、発熱の外来のようなイレギュラーに求められるものに関しても、できる限り応えていきたいと考えています。次に何が起こるかわかりませんが、地域の開業医の役割の一つとして、対応していきたいですね。幸いに周囲に大きな病院もありますので、そうした医療機関と連携を取りながら、患者さんにより良い医療を提供していければと思っています。

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