池澤 慎哉 院長の独自取材記事
岡本歯科ロコクリニック
(神戸市東灘区/岡本駅)
最終更新日:2026/01/30
岡本駅から徒歩約2分の立地にある「岡本歯科ロコクリニック」は、ハワイで地域という意味を表す「ロコ」をクリニック名に掲げ、地域に根差した診療を行っている。勤務医時代に訪問診療の現場を経験した池澤慎哉院長が、歯科医療での訪問診療の必要性を感じて2018年に開業。外来診療では痛みに配慮し、通院期間が短くなるよう気遣う。居心地が良く「また行きたい」と思える場所をめざし、ハワイをテーマにした院内は、歯科医院であることを忘れてしまいそうな雰囲気だ。池澤院長に、訪問診療への思いや、歯の健康の啓発に一役買っているという趣味のマジックについても話を聞いた。
(取材日2025年12月18日)
患者の「生」を輝かせるため、訪問診療に注力
まずは開業までの経緯を教えてください。

歯科医院に通うことができない方のための歯科医院を作りたいと思ったことが、開業のきっかけです。岡山大学を卒業後に勤務した姫路の歯科医院が、外来診療に加えて訪問歯科診療も行っていたんです。初めて訪問歯科診療の現場にふれて、歯科医院に通いたくても通えない方々が実際にいて困っていることを実感し、そんな患者さんを救う歯科医院を作りたいと考えるようになりました。また、物理的に通えない方以外にも、歯科医院が怖くて行けない方もいますよね。当院は、そんな人たちが「ここなら通える」と思える歯科医院をめざし、外来と訪問歯科診療の2本を柱にしています。
訪問歯科診療にも注力しているのですね。
以前の勤務先では訪問歯科診療を一から立ち上げたこともありました。その経験を生かして、当院では平日は基本的に午後3時から訪問歯科診療をしています。朝から一日中という日もありますね。以前の勤務先では、入院中に入れ歯が合わなくなった高齢の女性がいて、退院した際にご自宅を訪問し、その場で歯型を採って入れ歯を修理したことがありました。入れ歯が完成した日、涙を流しながら喜ぶ患者さんの姿を見て、できなかったことができるようになったり、やりやすくなったりするために治療や修理をすることは、患者さんとご家族の喜びにつながることなのだと気づきました。歯科は内臓を診るわけではないので寿命を延ばすことはできません。しかし、「生」を輝かせることはできるのかなと思っています。
「ロコクリニック」と名づけた理由を教えてください。

クリニック名にある「ロコ」は、ハワイ語で「地域」という意味を表します。この岡本という地域に根差していきたいという思いを込めました。歯科医院は居心地が悪いイメージがあり、あまり行きたくない場所だと思います。何度も通わなければならないのが嫌だという気持ちもわかりますが、治療を中断してしまうのは患者さんにとっても良くありません。居心地が良く「また行きたい」と思える場所を考えた時、答えはハワイでした。僕にとってのハワイのように、患者さんにとってここが居心地のいい場所になってほしい。そんな想いから、五感でハワイを感じる歯科医院をめざしました。BGMにはハワイアンミュージックを使用し、モニターにはハワイの風景を。待ち時間にその映像を見て、喜んでくれる患者さんもいらっしゃいますね。診察室の壁に飾っている写真は、僕がハワイで撮ったものなんですよ。
保険診療をメインに、じっくり対応する外来診療
外来診療について教えてください。

基本的に外来は午前10時から午後3時までの短時間ですが、予約は1人あたり1時間取っています。歯科医院が苦手な人の多くは、治療が痛いから行きたくないはず。ですから、痛みが少なく短期間で終わる治療を実現するために1回の診療時間を長くしています。例えば、治療の前の麻酔注射が痛いと感じる人もいますよね。この痛みを解消するために工夫をしたり、麻酔がしっかり浸透するまで時間をかけたりすることで治療を一気に進めることができ、結果的に通院する回数を減らすことができるのです。現在は複数人の歯科医師が連携して診療にあたっていますが、誰が担当になっても滞りなく治療が進められるよう、治療計画だけでなく「なぜその治療をするのか」という目的まで丁寧に共有するよう徹底しています。
こちらでは保険診療をメインにされているそうですね。
僕が勤めていた歯科医院は、保険診療をメインに経営を成り立たせ新しい技術や道具も取り入れていたので、僕もそのスタイルを採用しました。勤務医時代から、何かと自由診療を勧める風潮に違和感を抱いていたんです。どんな治療を選択するかは、患者さんの価値観によって変わります。医療人として、自由診療だから良い、保険診療だから悪いといったどちらか一方を下げるやり方ではなく、どちらもあくまで選択肢の一つとしてフラットな目線で提案し、その上で患者さんが自由診療を選ばれたなら、責任を持って対応しています。僕自身の経験ですが、内科や整形外科では「保険診療ならここまでしかできませんが、自由診療ならこんなことができます」という説明を受けたことはないです。歯科も同じく、ほとんどの病気が保険診療で治すことができると僕は考えています。もちろん見た目を改善したいなど、自由診療が適している場合はそちらを選択すべきです。
趣味のマジックを通して地域住民と交流されているとか。

マジックは中学生の頃から続けていて、地域のイベントで披露することもありますね。マジックを通した地域の方との交流は、僕の人柄を知ってもらうのに役立っているんですよ。歯科医院は、服のようにウィンドウショッピングができません。それなのに、事前にどんな先生かを知りたくても接点がホームページぐらいしかない。人が見えないから、歯科医師を怖いと感じるのは当然ですよね。裏を返せば、どんな先生かがわかると、とっつきやすくなることが多いということ。実際、イベントをきっかけに当院に通われるようになった方もいますね。マジックは、老若男女問わず心をつかむことができるのが魅力。幼稚園でも定期的に講演をしているのですが、その時にマジックがあると話を聞いてくれやすくなるんです。親しみやすくて面白い人だと思ってもらったところで、虫歯予防など歯に関する話をしています。
歯科の訪問診療の手を広げ、多くの人を笑顔に
分院展開もされているそうですね。

訪問歯科診療をしていると、「まさか歯科が訪問診療をしているとは知らなかった」という声をよく聞きます。それほど訪問歯科診療をしている歯科医師が少ないということですから、広く認知されるようにしたいのですが、訪問歯科診療ができる範囲は決められており、範囲外の地域の方からの依頼はお受けできません。同じ思いを持った歯科医師や歯科衛生士とともに訪問診療を広げていきたいと考えていた時、学園都市駅前で長年診療されていた歯科医院からお話をいただき、当院の分院として引き継ぐことを決めました。すると、診療を始めて2年もたたずに、先代の院長が急逝されて。事前にバトンを渡してくださっていたので、スタッフや患者さんを守ることができたのが幸いでした。今後も引き継ぎ先を探している歯科医院があれば、その地域の方や働くスタッフたちが困らないようサポートしていきたいと考えています。
今後の展望について教えてください。
まだ世の中にはないけれど、あったほうがいい商品を作りたいと思っています。例えば、新しい技術や研究成果でわかってきたことを口腔ケアグッズに落とし込み、お口の健康を守ることに貢献できればうれしいですね。また、訪問診療に携わってきた経験を生かし、災害時に避難先で通院できずに困っている人たちの歯科診療をできないかと考えています。僕の人生の目標は、「笑顔あふれる世界をつくること」。この地域の人だけでなく日本中、世界中のいろんなところで笑顔あふれる世界づくりに貢献していきたいと思っています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

今はいろいろなことを簡単に調べられる時代です。歯科医師の言いなりになるのではなく、ご自身の体に行う治療の知識を得る場を設けて、本当に自分に合った治療なのかを患者さん自身にもしっかり吟味してもらえたらと思っています。僕もSNSを活用して動画配信をしていますので、ぜひ活用してくださいね。調べた上で、気になることはどんどん質問してください。どんな質問にもしっかりとお答えします。食事を楽しめて、気兼ねなく会話ができて、思いっきり笑えるようにサポートしますので、ぜひお気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント1本/33万円~38万5000円(同時に同じ顎で2本以上行く場合、割引あり)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

