外来診療から在宅医療まで
包括的な対応をめざす総合診療
千葉セントラルパーククリニック
(千葉市中央区/葭川公園駅)
最終更新日:2025/10/10


- 保険診療
千葉市中央公園のすぐそばにある「千葉セントラルパーククリニック」。近隣にはオフィスビルや飲食店が立ち並び、近年では再開発によって高層マンションも増えてきている。これまでは在宅医療を中心に診療を行ってきたが、地域の人々に質の高いプライマリケアを提供していこうと、外来診療にも力を入れている同院。外来ではどのような症状でも包括的に診られるよう総合診療科の医師がさまざまな悩みの相談に乗っている。そんな地域医療の拠点としてさらなる期待がかかる同院の外来診療や総合診療について、今村洋理事長と、総合診療科の若き担い手、田村弘樹先生に尋ねた。
(取材日2025年9月12日)
目次
特定の臓器や症状だけを診るのでなく、心理的・社会的背景も含めて包括的に診察する総合診療
- Q外来の診療体制について教えてください。
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A
▲外来診療の体制の強化
【今村理事長】外来は、月曜の午前・午後、火曜の午前、金曜の午前・午後に診療しており、2025年10月以降は火曜の午後も診療する予定です。これまで当院は在宅医療を中心に据えていましたので、どうしてもマンパワーが足りず、毎日診療を行うのはまだ難しいのですが、頼りになる先生方が来てくださっていることもあり、外来診療にも力を入れているところです。診療は一般的な内科疾患や生活習慣病が多いですが、総合診療科の先生方は、より幅広くさまざまな症状を診ることができ、その点が当院の強みです。また、消化器の内視鏡検査も、専門とする医師に来ていただいて火曜に行っています。
- Qその総合診療はどんな特徴があるのでしょうか。
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A
▲診察の際は丁寧にヒアリングを行い、患者の不安に寄り添う
【田村先生】総合診療では、特定の臓器や症状だけに着目するのではなく、家庭や職場など心理的・社会的背景も含めて包括的に診察して不調の要因を診断します。問診、診察、検査という順番で診察していきますが、何よりも重要なのが問診です。問診で体のどこに不調があるかを想起しないと、適切な身体診察も検査も行えないからです。その際に一番意識していることは、患者さんの生活をイメージすることです。患者さんの話を聞く時には、その表情や声のトーンなど非言語コミュニケーションにも注視して、患者さんが本当に訴えたいことをしっかりと把握するよう努めています。
- Q総合診療の先生にはどんな悩みを相談できるのですか。
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A
▲どんなことでも相談を受けつける
【田村先生】どんなことでも相談していただいて大丈夫です。総合診療は医療の入り口ですので、どのような症状、どんな悩みでも気軽にお話ししていただいて、もし専門的な医療が必要であれば、適切な医療機関につなげていきます。例えば体のあちこちに不調が出てどの科のクリニックに行けば良いのかわからないとか、検査では異常がないと言われたけど頭痛が続くなど、些細な悩みから長年困っていたことまでご相談いただけます。身体症状をを主訴に受診する精神疾患患者の割合は、総合診療の外来において約30%を占めるため、体のの症状だけでなく患者さんを取り巻く心理的・社会的背景などについてもお話を聞き、最適な治療法を考えていきます。
- Q地域の医療機関などとの協力関係についてはいかがですか。
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A
▲介護・福祉関連のスタッフとも連携しサポート
【今村理事長】田村先生方が来られていることで地域とのつながりはできつつあります。ただ、現段階では当院の外来診療はまだあまり広く認知されていないようです。訪問診療ではすでに稲毛病院や千葉医療センター、千葉市立青葉病院などとの連携は取れていますので、今後、外来での連携も深めていこうと考えています。外来診療に通っている患者さんが、何らかの理由で通院が難しくなった場合、スムーズに在宅医療に移行できる点も当院ならではの特徴です。地域のケアマネジャーさんなど介護・福祉関連の多職種スタッフとも連携が取れていますので、そのネットワークを生かして患者さんを生涯にわたったサポートできる体制となっています。
- Q「人生100年」、かかりつけ医はより重要になってきますね。
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A
▲今後、ますます重要性を増すかかりつけ医
【今村理事長】糖尿病や高血圧症などの生活習慣病になっても、適切にコントロールできていれば平均寿命まで生きられる可能性があると考えられます。しかし、コントロールできていないと合併症を発症し重篤な事態になりかねません。生活習慣病は無症状で進行するからこそ、こうしたリスクを下げるために外来でのコントロールが大切です。
【田村先生】当院は健診も行っています。早期に発見できれば適切な治療につなげられます。説明の際は今の状態が続くと将来的にどのようなリスクがあるのか具体的にお話しし、患者さんの生活背景に即したアドバイスを心がけていますので、理解・納得して治療に向き合えると思います。