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平野 有加 院長の独自取材記事

ウエスト キッズ クリニック

(大阪市西区/阿波座駅)

最終更新日:2021/10/12

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大阪市内中心部にありながら、子育て世代に人気の住宅街でもある西区の土佐堀通。大型マンションや集合住宅が立ち並ぶ街で、「ウエスト キッズ クリニック」に先立って2015年に病児保育室を開室、その後2018年に同院を開院した。2020年から院長を務める平野有加先生は、家庭裁判所調査官という珍しい経歴をもつ。離婚や親権を扱う仕事で、母子の生活に深く関わった後、キャリアチェンジで医学部に進学。在学中に出産、子育てをしながら小児科医師として仕事を続けてきた。自らも働く母であり、医療以外の情報や知識も豊富な話しやすい雰囲気の平野院長に、同院での診療について、そして専門についてなど、広く話を聞いた。

(取材日2020年9月17日)

乳児から小学生まで対象の、病児保育室併設クリニック

院長に就任されたいきさつを教えてください。

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当院の大きな特徴は、病児保育室を併設していることです。病児保育施設が開設されて、これまでは地域の小児科の先生に診てもらいながら独立型保育というかたちで運営していましたが、それだと症状が急変した時に迅速な対応ができないといった不便さがありました。そこで病児保育室の隣に小児科クリニックをつくり、子どもの調子が悪くなった時にすぐに駆けつけられるよう、中で行き来できる造りにしました。近くに総合病院はありますが、一般的な症状や健診で気軽にかかれる小児科クリニックが子どもの数に比べて少ないと感じていたこともあり、2018年に当院を立ち上げました。私自身、高度医療よりも生活の延長で関わる小児科医療に携わりたかったので、2020年に当院に入職し、院長をお引き受けすることになりました。

平日は朝8時15分から診療受付とのこと、共働きの親御さんたちにはありがたいですね。

クリニックは平日8時15分から受付開始、病児保育室の「リトルベアーWEST」は8時からお預かりを行っています。医師は交代制で、平日は主に私が診療します。他に看護師と保育士、病児保育専門士がいます。インターネットで順番予約を行っており、平日の受付終了時刻は18時45分です。感染症対策として、患者さん同士の接触を制限できるよう待機スペースを3つ用意してお待ちいただいたり、診察に使ったりしています。子どもは感染症にかかりやすいですから、新型コロナウイルス感染拡大以前からずっとこの形です。病児保育を受け入れる施設は多くないので、地域住民だけでなく、少し遠方からいらっしゃる方も多いですね。

対象年齢や診療方針を教えてください。

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ホームページでは生後6ヵ月から15歳までとしていますが、先天性疾患や小児からの慢性疾患を抱える患者さんは、大人になっても受診されていますよ。学校の健康診断で小児科分野の疾患が見つかり、校医の指示で来院されるお子さんもいます。患者さんの年齢での線引きはあくまで目安です。乳児から思春期までは小児科が主に扱う年齢層ですが、乳児・小児・思春期と、その世代ごとにかかりやすい疾患、よく見られる病態があります。成長に従って、内分泌との関係で起きる病気もありますし、生活習慣や家庭環境によって症状の幅が大きくなるケースもあります。診療方針は、病気を診るだけでなく子どもと子育てをサポートできるよう、相談から入って治療に結びつけ、長い目で見て親子を支えていくことですね。

子どもの治療は本人の「やる気」が大きな力になる

予防接種専門の時間を設定しているのは、どうしてでしょうか。

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子どもの場合、季節性インフルエンザだけでなく、RSウイルスや夏風邪のアデノウイルスなど、感染症に接する機会がどうしても多いものです。予防接種を受けられる健康な子を、外来の待合室などで感染リスクに曝さないため、一般の外来とは分けて受けていただく工夫です。感染症とアレルギーを長年の専門にされていた元院長の濱本先生は、予防接種の普及で昔に比べて重症感染症が激減したのと同時に、アレルギーの子どもが増えたことに疑問を抱いておられました。私自身も、重い感染症を患う子が減ったことで、小児科の果たす役割が変わってきていると考えています。今後の小児科は単に病気を治すだけでなく、子どもたちに健康と豊かな暮らしを導いていく役割があると思います。例えばアレルギー治療なら、各ご家庭の環境や生活状況を把握しながら、長期的に取り組むことになりますね。

平野院長のご専門についても教えてください。

主に学んできたのは、内分泌の分野です。子どもの場合、低身長、思春期早発症など、成長に関わる部分が見える分野なので興味がありました。特に小児の分野で内分泌が関わる疾患は、生活習慣を改めることでコントロールしやすくなるものも少なくありません。例として思春期までの子どもに多い夜尿症の場合、良い薬が出ている一方で、薬だけではなかなか改善しないものです。詳しく生活状況を伺い、寝る前の排尿習慣、飲水のタイミングや量、食事の味つけの濃さなど見直すことでより良い治療につなげていきます。便秘や喘息も、子どもの場合は特にモチベーションの維持も難しいものです。それでも、本人がやる気になると話もしやすいし、それが急速な改善につながる可能性もあります。お泊まりや修学旅行を控えているときなどは良いきっかけになりますね。

医師の仕事を選んだのはどうしてですか。

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祖母を看取る、ホスピスでボランティアをするなどの経験があり、若い頃から医療の仕事に関心がありました。高校生の時に大学受験でも迷ったのですが、学業成績や偏差値を見て「文系かな」と思ったんですね。最初に進学したのは医学部ではなく法学部で、卒業後は家庭裁判所の調査官として働いていました。離婚や相続など身上に関わることを調査し、裁定のための意見書を作成する仕事でした。結婚と夫の転勤をきっかけに辞めざるを得なくなりましたが、そうして改めて医師の仕事をしたいと思い、医学部に進学し直しました。出産も医学生時代で、子育てしながら勉強するという貴重な機会になりました。調査官時代は家庭訪問をしたり親子と面接したりする機会が多くあったので、医学教育で受けた知識に留まらない、子育てに役立つ情報を提供できるのが私の強みなのかなと思います。

女性医師として母として、子育て世代の力になりたい

診療の際に心がけていることを教えてください。

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患者であるお子さんだけでなく、ご家族の気持ちをくむようにしています。この症状は何なのか、どうしたらいいのか、頭の中の交通整理を手伝います。経過観察で大丈夫な場合、すぐに来院してほしい症状など、できるだけ話を広げながらわかりやすく説明しています。特に長期的な通院が必要な場合、見通しと治療計画、継続しないといけない理由を、最初にしっかり理解してもらえるようお話ししています。たった1回の治療で治ったと思って通院をやめる方も多いですが、ぶり返した時に行きにくくなり、ドクターショッピングに走ってしまう場合もあるんです。長期的にはこうなりますから、これくらいのペースで通ってくださいねとお伝えし、管理がうまくいっているときはポジティブフィードバックをすることも大切です。

今後の展望をお聞かせください。

将来的には、医療を通じて子育て世代のサポートをしていきたいですね。私は小児科の医師ですが、子どもの病気のご相談だけでなく、女性医師として母としてお母さんたちの心身のつらさを聞かせていただくことも多くあります。ゆくゆくは、そうしたお母さんたちに役立つような漢方薬の処方などもできるように、勉強を続けていきたいです。また、新型コロナウイルスの感染症対策で、オンラインによる育児相談室を立ち上げました。毎週金曜日、1回15分で気軽に受けられ、画像や動画で医師が要診察と判断した場合には来院していただきます。こうしたツールも活用してもらって、相談や受診のしやすいクリニックにしていけたらと思います。

読者へメッセージをお願いします。

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大都市圏は圧倒的に核家族が多く、実家など頼れる人が近くにいないところで子育てしているご夫婦がとても多いと思います。私自身、子どもが病気をしたときに、安心して預けられる病児保育施設がなかなか見つからず、大変だった経験があります。お子さんの急な体調不良でお困りの場合も、当日の順番予約ができますので、どうぞご利用ください。また、成長が遅い、身長が伸びないなど子どもの発達や、ワクチンの不安、アレルギー対策など健康管理について、また子育てについてのお悩みや疑問があれば、お気軽にご相談ください。

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